ごはんもの
黄いないおこわ
Kiinai Okowa
もち米をくちなしの実とともに浸してから黒豆と炊きこみ、黄色く染まったおこわに仕立てる。端午の節句に、高価な赤飯の代わりに身近なくちなしで色付けたのが始まりと伝わり、大分の「おうはん」と並ぶ料理とされる。
- 発祥: 愛知県名古屋市
- 東京から西へ約270km
愛知県名古屋市
系譜
何でできているか
黄いないおこわは、もち米をくちなしの実とともに浸してから黒豆と炊きこみ、黄色く染まったおこわに仕立てる料理。端午の節句に、ちまきや柏餅と並んで食べる習いがあると伝わる。もともとは高価だった赤飯の代わりに、身近に手に入るくちなしの実で色付けたのが始まりだといわれる。「きいはん」「きめし」とも呼ばれるという。
どう作るのか
もち米をくちなしの実とともに水に浸してしっかり吸水させたあと、黒豆と一緒に炊きこむ。黄色く染まったおこわを器に盛り、赤飯と同じように塩や黒ごまを振って食べることもあるという。蒸し器で炊くとよりふっくらとした食感になり、黒豆はゆですぎないほうがほっくりと仕上がるとされる。名古屋市や尾張地域で受け継がれているという。
なぜこの形になったのか
端午の節句では男子の健やかな成長を願ってさまざまな邪気払いがおこなわれ、黄いないおこわの黄色にも邪気を払う意味が込められていると伝わる。添えられる黒豆には健康祈願の意味があるとされ、大分県の「おうはん」、静岡県の「染飯」など、地域によって呼び名の異なる同種の料理があるという。初節句には重箱で配る風習も伝わる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
兄弟
同じ愛知県
- ふな味噌フナを大豆とともに弱火で5時間ほど煮こんでから、豆味噌と砂糖のたれで仕上げる。木曽三川下流域の川魚料理で、12月後半から1月にとれる寒ブナが脂がのって美味とされ、骨まで柔らかくなるまで煮こむとされる。
- 五平餅炊きたてのうるち米を潰して串に刺し、味噌だれをつけて焼き上げる。中部地方の山間部発祑とされ、山仕事の安全を祈る祭りの前夜につくられてきたと伝わる、奥三河をはじめ中部山間部一帯の料理とされる。
- 箱ずし木枠に酢飯を詰め、エビやアナゴ、干ししいたけ、錦糸卵などを斜めに配置して押しかためる。皆が平等にさまざまな味を楽しめるよう具材を斜めに置くのが尾張・西三河地域の特徴とされ、祝い事でつくられてきたとされる。
- へぼ飯地蜂(クロスズメバチ)の成虫と幼虫を甘辛く煮つけ、炊きたてのごはんに混ぜ込む。信州から奥三河の山間部にかけて貴重なタンパク源とされてきたと伝わり、現在はごちそうとして客人にふるまわれるとされる。
- いがまんじゅう米粉の生地で粒あんを包み、表面に着色したもち米をつける。もち米の粒が栗の「いが」に似ることが名の由来の一説とされ、西三河地域では桃の節句にお雛様へ供える風習が伝わる。
- 味噌おでん土鍋の中央に味噌だれの壺を置き、大根や豆腐などをだしで煮てから壺の味噌につけて食べる。江戸で醤油だしの「関東煮」が広まる一方、愛知では豆味噌(八丁味噌)をつけて食べる方法が根づいたと伝わる。