魚介
貝・甲殻類・イカタコ
35種
貝・エビ・カニ・イカ・タコは、殻や脚の形といったわかりやすい見た目から、貝・エビ・カニ・イカ・タコの系統で捉えられることがある。貝は産地の水質や旬との結びつきが語られやすく、エビ・カニは殻や甲羅を割って食べる手間も含めた楽しみ方が話題になりやすい。イカ・タコは鮮度による食感の違いが語られることが多い。分類が定まりにくい種もあり、見方によって扱いが変わることもある。
貝12
- 赤貝Akagai血液にヘモグロビンを含み、身が赤みを帯びる二枚貝。江戸前寿司の伝統的なネタの一つで、コリコリとした歯切れのよい食感と鉄分を感じる独特の風味を持つ。ひもと呼ばれる縁側の部分も酢の物などで食べられる。
- アサリAsari潮干狩りの定番として親しまれる小型の二枚貝。砂抜きしてから酒蒸しや味噌汁にすると濃い出汁がよく出て、ぷりっとした身の食感を楽しめる。春の産卵期前が身入りよく旬とされる。
- アワビAwabi海藻を食べて育つ大型の巻貝。殻が一枚だけの独特な形をしており、コリコリとした強い歯ごたえと磯の風味が高級食材として珍重される。刺身のほか、蒸しアワビや酒蒸しにすると柔らかく甘みが増すとされる。
- バカガイBakagai市場では青柳の名で流通することが多い二枚貝。橙色の足の部分をむき身にして寿司ネタや軍艦巻きに使い、柔らかい歯ごたえとほのかな甘みが持ち味。貝柱部分は小柱と呼ばれ、かき揚げなどにも重宝される。
- ハマグリHamaguri対になる殻としか合わないことから夫婦和合の象徴とされ、婚礼料理の吸い物に使われる二枚貝。焼きハマグリにすると殻が開いた瞬間に濃厚な出汁が溢れ、ふっくらとした身と強い旨みが楽しめる。春が旬とされる。
- ホッキ貝Hokkigai標準和名はウバガイ。冷たい海の砂地に生息する二枚貝で、生では淡いオレンジ色だが加熱すると足の部分が鮮やかな紅色に変わる。コリッとした歯ごたえと甘みがあり、寿司ネタや炊き込みご飯、汁物に使われる。
- ホタテHotate貝柱1本で殻を開閉し、水を噴射して泳ぐように移動する二枚貝。加熱しても縮みにくい貝柱の甘みとぷりぷりとした弾力が持ち味で、刺身から焼き物、フライまで幅広く使われる。北海道・東北が主産地とされる。
- ミル貝Mirugai標準和名はミルクイ。殻から伸びる太い水管部分を刺身や寿司ネタとして食べる大型の二枚貝で、コリッとした歯切れのよい食感と淡い甘みが持ち味。表面を湯引きすると香ばしさが加わるとされる。
- サザエSazae殻にトゲ状の突起を持つ巻貝。殻の入り口を蓋でぴたりと閉じて身を守る。壺焼きにすると殻の中で身が蒸し焼きになり、磯の香りとコリコリした強い歯ごたえが際立つ。刺身でも食べられ、春から夏が旬とされる。
- シジミShijimi淡水と海水が混じる汽水域を好む小型の二枚貝。味噌汁の実として定番で、小さな殻からしっかりと出汁が出るのが持ち味。肝臓によいとされる成分を含むともいわれ、夏と冬の年2回が旬とされる。
- トリガイTorigai足の形が鳥のくちばしに似ることが名の由来とされる二枚貝。江戸前寿司では黒く茹でた身を開いてネタにし、コリッとした歯ごたえとほんのりした甘みが特徴。冬から春が旬で、足が大きく黒いものほど良品とされる。
- ツブ貝Tsubugaiエゾボラなど複数の巻貝をまとめて呼ぶ通称。コリコリとした歯ごたえと、噛むほどに広がるほのかな苦みを伴う旨みが持ち味で、刺身のほかバター焼きや煮つけにもされる。冬から春にかけてが旬とされる。
エビ・カニ11
- 甘海老Amaebi標準和名はホッコクアカエビ。水深200〜700mの冷たい深海に生息し、生食すると強い甘みととろけるような食感が感じられることからこの通称で呼ばれる。刺身や寿司ネタとして通年出回るが、殻ごとの唐揚げも人気がある。
- ボタン海老Botan Ebi殻に牡丹の花びらを思わせる赤い斑点があることが名の由来とされる大型のエビ。ねっとりとした粘りのある食感と強い甘みが持ち味で、刺身や寿司で生のまま味わわれることが多い。
- 花咲ガニHanasakigani生きているときは黒褐色だが、茹でると花が咲いたように鮮やかな赤色に変わることが名の由来とされる大型のカニ。太いトゲに覆われた殻の中は身がしっかり詰まり、濃厚なミソと合わせて食べ応えがある。
- 伊勢海老Ise Ebi太く長い触角と赤い殻を持つ大型のエビ。身は締まって甘みが強く、刺身では歯切れのよい食感が際立つ。姿の華やかさから正月や婚礼など祝い膳の主役になることが多く、鬼殻焼きや味噌汁にも使われる。
- 毛ガニKegani甲羅一面を短い毛が覆う小ぶりなカニ。脚の身よりも甲羅いっぱいに詰まった濃厚なミソが真骨頂で、冬から春が旬とされる。シンプルに茹でてそのまま食べるのが定番の楽しみ方。
- 車海老Kuruma Ebi縞模様の殻を持ち、丸まった姿が車輪に見えることが名の由来とされる大型のエビ。加熱すると身が締まって濃厚な甘みが際立ち、生きたまま出す踊り食いや天ぷらの高級ネタとして知られる。
- 桜海老Sakura Ebi体長4cmほどの小型のエビ。透き通った赤い体が桜色に見えることが名の由来で、殻ごとかき揚げや釜揚げにして香ばしさと歯ざわりを楽しむ。国内で商業採捕が許可されているのは駿河湾のみとされる希少な食材。
- シャコShako細長く平たい体を持つ甲殻類。強力な前脚で獲物を叩き割る習性で知られ、殻を剥くと繊細で上品な甘みの身が現れる。江戸前寿司のネタとして甘辛いツメを塗って握られることが多く、春が旬とされる。
- タラバガニTarabagani見た目はカニだが分類上はヤドカリに近い十脚目。脚が太く身の詰まりがよいため食べ応えがあり、繊維質でほろりとほどける食感が持ち味。鍋や焼きガニで冬に人気が高く、北海道が主産地とされる。
- ワタリガニWatarigani後ろ脚がヒレ状で泳ぎが得意なことからこの名がついたカニ。甲羅いっぱいに詰まった濃厚なミソと、殻ごと煮込むことで出る出汁の旨みが持ち味で、味噌汁やパスタにも使われる。産卵期の秋から冬が旬とされる。
- ズワイガニZuwaigani冬の日本海側を代表するカニ。身は繊細な甘みでほぐれやすく、茹でても焼いても濃厚なカニミソが楽しめる。同じ種でも水揚げ港ごとに黄・青・緑のタグで呼び名が変わり、産地の違いがそのままブランドの違いになる。
イカ・タコ8
- アオリイカAori Ikaエンペラ(ヒレ)が胴全体を縁取る大型のイカ。透き通るような身に強い甘みとねっとりした厚みのある食感があり、イカの中でも高値で取引される。刺身や寿司ネタに向き、夏から秋が旬とされる。
- ホタルイカHotaru Ika体長5cmほどの小型のイカ。発光器を持ち、産卵期に岸近くまで浮上する姿が春の風物詩として知られる。内臓ごと丸のまま食べられ、ボイルして酢味噌で和えると濃厚な旨みとほろ苦さが楽しめる。
- イイダコIidako体長20cmほどの小型のタコ。産卵期の雌は卵が体いっぱいに詰まり、その粒がご飯粒に見えることが名の由来とされる。煮つけにすると身は柔らかく、卵のプチプチとした食感が楽しめる。冬が旬とされる。
- マダコMadako国内で最も一般的に食べられるタコ。速い潮流にもまれて育つほど脚が太くしまるとされ、茹でると弾力のある歯ごたえと凝縮した旨みが際立つ。酢だこや煮ダコ、たこ焼きの具材まで幅広く使われる。
- ミズダコMizudako世界最大級とされるタコで、寒流の効いた北の海に生息する。身が大きく水分を多く含むためマダコより柔らかく、湯引きして刺身にすると淡白ながら甘みのある味わいになる。冬が旬とされる。
- コウイカSumi Ika胴の中に石灰質の甲を持つイカ。加熱しても硬くなりにくく、もっちりとした厚みのある食感と上品な甘みが持ち味で、寿司や炒め物、墨を使った料理でも好まれる。冬から春にかけて旨みが増すとされる。
- スルメイカSurume Ika国内で最も漁獲量の多いイカ。干して「スルメ」にする加工に由来する名を持ち、生では歯切れのよい食感と上品な甘みがある。刺身や一夜干し、煮物まで幅広く使われ、秋から冬にかけて漁が盛んになる。
- ヤリイカYari Ika細長い胴と槍先のような姿からこの名がついたイカ。スルメイカより身が薄く柔らかで、上品な甘みととろけるような食感が刺身で好まれる。冬から春にかけてが旬とされ、火を通しても硬くなりにくい。
ほかの系統4
- バフンウニBafun Uni殻の形が馬糞に似ることが和名の由来とされる小型のウニ。ムラサキウニより濃厚な甘みとねっとりとした舌触りを持ち、冬から春にかけてが旬とされる。塩水に浸けたまま流通する「塩水うに」でも知られる。
- ホヤHoya岩に固着して生きる原索動物。独特の磯とパイナップルを思わせる香りと、食べた後に口の中に残る独特の甘みを持ち、好みが分かれる珍味として知られる。生のまま刺身や酢の物で食べられ、夏が旬とされる。
- ムラサキウニMurasaki Uni殻や棘は紫がかった黒色だが、中の身は淡い黄金色をしたウニ。バフンウニよりあっさりとした上品な甘みで、粒立ちのよい食感が持ち味とされる。刺身や軍艦巻きで食べられ、夏が旬とされる。
- ナマコNamako海底の砂泥をなめるように食べる棘皮動物。冬が旬とされ、薄く切って酢の物にすると歯ごたえのあるコリコリとした食感と磯の香りを楽しめる。内臓の塩辛「このわた」に加工されることでも知られる。