魚介 ── 貝・甲殻類・イカタコ
トリガイ
Torigai
足の形が鳥のくちばしに似ることが名の由来とされる二枚貝。江戸前寿司では黒く茹でた身を開いてネタにし、コリッとした歯ごたえとほんのりした甘みが特徴。冬から春が旬で、足が大きく黒いものほど良品とされる。
- 貝
何でできているか
足の部分が鳥のくちばしに似た形をしていることが名の由来とされる二枚貝。江戸前寿司では黒く茹でた足を開いてネタにし、コリッとした歯切れとほのかな甘みが持ち味になる。足が大きく黒々としたものほど身が締まり良品とされ、生のままより加熱した方が甘みが引き立つとされる珍しい貝でもある。噛んだ瞬間の弾力とその後に残る磯の香りが対照的に感じられる。
どう作るのか
遠浅の砂泥底に浅く潜って暮らすため、桁網を引く漁でまとめて獲る。水揚げ後は殻から身を外し、足の部分をさっと湯通ししてから氷水で締める。この加熱と冷却の落差でコリコリとした歯ごたえが引き立つとされ、黒く色づいた表面はそのまま握りに使われることが多い。わたの部分は身と切り離して別に扱われ、酒蒸しなどに回されることもある。
なぜこの形になったのか
瀬戸内海のような遠浅の干潟が広がる海域は、トリガイが好む柔らかい砂泥底と適度な栄養分を備えるとされる。冬から春にかけて水温が下がる時期に身が締まるとされ、旬とされる時期はこの水温変化と重なる。干潟の面積の増減とともに漁獲量が変動しやすい貝としても知られ、環境の変化に敏感な指標とも言われる。近年は干潟の環境変化によって漁獲量の年ごとの差が大きくなっているとされ、獲れる年と獲れない年の差が際立つ貝としても知られている。