茶・飲料 ── 日本茶
伊勢茶
Ise-cha
茶の栽培面積・生産量ともに全国有数とされる三重県の茶どころ。なかでも北勢地域を中心に作られるかぶせ茶の生産が盛んで、うまみと甘みの豊かな味わいが特徴という。
- 発祥: 三重県
- 産地
- 東京から西へ約300km
何でできているか
四日市市・鈴鹿市・亀山市・いなべ市を中心とする北勢地域では、直射日光を一定期間さえぎって育てるかぶせ茶が主流とされる。三重県はかぶせ茶の生産量で全国一とされ、鮮やかな緑色とまろやかな飲み口が特徴という。県全体では茶の栽培面積・生産量ともに全国で上位の産地とされる。かぶせ茶の水色は鮮やかな緑で、覆い香とまろやかな甘みを持ち、煎茶に近い爽やかな後味も残るとされる。
どう作るのか
煎茶と同じ蒸し製の工程を経るが、摘み取り前に一定期間の被覆を加えることでかぶせ茶に仕上げるとされる。覆いをかける期間や資材は産地ごとに工夫され、旨みと甘みを引き出しつつ、煎茶に近い爽やかさも残す仕上げが目指されているという。被覆期間はおよそ1週間前後を目安とし、鈴鹿山脈からの伏流水が豊富な土地柄が栽培を支えてきたとされる。
なぜこの形になったのか
京都や静岡といった伝統的な大産地に隣接する立地でありながら、かぶせ茶という特定の型に力を入れることで独自の存在感を確立してきたと伝わる。北勢地域の気候と土壌がかぶせ茶の栽培に適していたことが、全国一の生産量につながったとされる。北勢地域は鈴鹿山脈と伊勢湾の間に広がる平野で、山からの水と海に近い温暖な気候がかぶせ茶づくりに適した条件になったという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ三重県
- あほだき味や匂いが落ちてきた古漬けのたくあんを塩抜きし、醤油だれで炊き直す北勢地域の常備菜。美味しい時期を過ぎてから食べる「あほなことをしている」との自嘲めいた名の由来が伝わる、食品を無駄にしない知恵の料理。
- あらめ巻き水で戻したアラメ(褐藻の一種)でイワシやサンマを幾重にも巻き、醤油と砂糖で煮付けた鳥羽の郷土料理。伊勢神宮にも献上されてきたアラメを使い、地域によって巻く魚が変わると伝わる。
- 盆汁ごぼうやなす、かぼちゃなど旬の野菜をたっぷり煮込んだ味噌汁。お盆に殺生を避ける禅宗の教えから、かつお節や煮干しのだしを使わず、油揚げと具材の多さで旨みを出すのが特徴とされる。
- 茶粥ほうじ茶などを煎じた茶袋の湯に米を入れて炊いたお粥。耕地が少なく米が貴重だった伊賀地域で、水の量を増やして米を節約する工夫から生まれたとされ、夏は冷やして食べる家庭もあるという。
- ちゃつ大根や人参、れんこん、昆布、油揚げを千切りにし、酢と砂糖で煮た朝日町の料理。精進料理を盛った朱漆塗りの器「ちゃつ」に由来する名とされ、白く仕上げるため醤油を使わないのが特徴という。
- ふき俵大豆を炊き込んだご飯をふきの葉で米俵のかたちに包んだ伊賀地域の行事食。田植えの際、田の神に豊作を祈って供えるほか、農作業の合間の携帯食としても食べられてきたと伝わる。