惣菜
ちゃつ
Chatsu
大根や人参、れんこん、昆布、油揚げを千切りにし、酢と砂糖で煮た朝日町の料理。精進料理を盛った朱漆塗りの器「ちゃつ」に由来する名とされ、白く仕上げるため醤油を使わないのが特徴という。
- 発祥: 三重県朝日町
- 東京から西へ約300km
三重県朝日町
何でできているか
大根、人参、れんこん、昆布、油揚げを千切りにし、酢と砂糖、塩で煮た料理。醤油を使わずに白く仕上げるのが特徴で、器の名前「楪子(ちゃつ)」がそのまま料理名になったと伝わる。四日市やその他の地域では「煮あえ」とも呼ばれ、甘酸っぱい味つけが食欲をそそり、根菜のしゃきしゃきとした歯ざわりが酢の酸味とよく合う。
どう作るのか
大根、人参、昆布、油揚げは千切りにし、れんこんは細いところを薄切りにする。すべての材料を鍋に入れ、酢、砂糖、塩少々、水適量で煮て仕上げる。二、三日置くと味がよりしみ込み、酢の酸味も和らいでまろやかになるという。かつては梅干しを漬ける茶色い瓶に入れて保存し、冬場なら数週間もったとされ、重宝されてきた。
なぜこの形になったのか
もともとは僧堂や仏事でつくられていた精進料理で、盛り付けた器が朱漆塗りの「ちゃつ」と呼ばれるものだったことから、この名がついたとされる。海に面していない北勢地域の朝日町では、野菜を使ったこの料理が郷土の味として根づいたと伝わる。法事や正月など人が集まる場に、保存もきく副菜としてつくられてきたと考えられる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ三重県
- あほだき味や匂いが落ちてきた古漬けのたくあんを塩抜きし、醤油だれで炊き直す北勢地域の常備菜。美味しい時期を過ぎてから食べる「あほなことをしている」との自嘲めいた名の由来が伝わる、食品を無駄にしない知恵の料理。
- あらめ巻き水で戻したアラメ(褐藻の一種)でイワシやサンマを幾重にも巻き、醤油と砂糖で煮付けた鳥羽の郷土料理。伊勢神宮にも献上されてきたアラメを使い、地域によって巻く魚が変わると伝わる。
- 盆汁ごぼうやなす、かぼちゃなど旬の野菜をたっぷり煮込んだ味噌汁。お盆に殺生を避ける禅宗の教えから、かつお節や煮干しのだしを使わず、油揚げと具材の多さで旨みを出すのが特徴とされる。
- 茶粥ほうじ茶などを煎じた茶袋の湯に米を入れて炊いたお粥。耕地が少なく米が貴重だった伊賀地域で、水の量を増やして米を節約する工夫から生まれたとされ、夏は冷やして食べる家庭もあるという。
- ふき俵大豆を炊き込んだご飯をふきの葉で米俵のかたちに包んだ伊賀地域の行事食。田植えの際、田の神に豊作を祈って供えるほか、農作業の合間の携帯食としても食べられてきたと伝わる。