ごはんもの ── 寿司
てこねずし
Tekone-zushi
醤油だれに漬けたカツオの刺身を酢飯に混ぜ込む、三重県志摩・熊野灘の漁師料理。船上で獲れた魚をその場でさばいて手で混ぜたことが名の由来とされる、型に押さない素朴なちらしずし。
- 発祥: 三重県志摩市
- 東京から南西へ約310km
三重県志摩市
系譜
てこねずし
何でできているか
そぎ切りにしたカツオの赤身を、醤油とみりんのたれに短く漬け込み、酢飯にざっくりと混ぜ込む。青じそやしょうが、刻み海苔を添えるだけの簡素な盛り付けで、握りずしや押しずしのように型に押さない、混ぜるだけの素朴な一皿になる。漬けだれのしみたカツオの赤身は、生のままより角が取れて食べやすく、酢飯との馴染みもよくなる。
どう作るのか
カツオは血合いと骨を除いてそぎ切りにし、醤油・みりん・酒を合わせたたれに五分から三十分ほど漬け込む。昆布だしで炊いた酢飯にカツオを漬けだれごと混ぜ込み、青じそ、しょうが、刻み海苔を散らして仕上げる。漬け込む時間の長さで、赤身の色づき方と味の濃さが変わるという。仕上げに刻み海苔を多めに散らす家もあれば、薬味を控えめにして魚の味を前に出す家もある。
なぜこの形になったのか
「漁師が船の上で獲れた魚をその場でさばき、手で混ぜ合わせた」ことが名の由来と伝わる。三重県は全国有数のカツオの漁獲高を誇り、熊野灘では一本釣りや曳き縄釣りが盛んで、新鮮な魚が生のまま食べられる機会が多いことが、型に押さず混ぜるだけのこの簡素な形を後押ししたとされる。漁の合間に手早く食べられる実用性も、この形が漁師町に根づいた理由の一つと考えられている。
食べに行く前に
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- あほだき味や匂いが落ちてきた古漬けのたくあんを塩抜きし、醤油だれで炊き直す北勢地域の常備菜。美味しい時期を過ぎてから食べる「あほなことをしている」との自嘲めいた名の由来が伝わる、食品を無駄にしない知恵の料理。
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