肉 ── 和牛
伊賀牛
Iga Gyu
三重県伊賀地域で12か月以上肥育される未経産の黒毛和種雌牛。盆地特有の寒暖差が大きい気候が肥育に向くとされ、干し肉が戦国期の兵糧になったとも伝わる土地柄。「肉の横綱」とも称される鮮やかな肉色が特徴という。
- 発祥: 三重県
- 東京から西へ約350km
何でできているか
三重県伊賀地域で12か月以上肥育される未経産の黒毛和種雌牛。盆地特有の寒暖差が大きい気候が肥育に向くとされ、干し肉が戦国期の兵糧になったとも伝わる土地柄。「肉の横綱」とも称される鮮やかな肉色が特徴という。未経産の雌牛に限ることで脂の質が保たれるとされ、鮮やかな肉色に加え、きめ細かな霜降りが枝肉の断面にはっきりと現れるという。
どう作るのか
未経産の雌牛だけを選び、伊賀盆地の生産者が12か月以上かけて肥育する。盆地特有の寒暖差が大きい気候の中で牛を育てることが、肉質を左右する条件とされているという。干し肉が戦国期の兵糧になったと伝わるように、古くから牛を保存食として扱ってきた土地の記憶も残るとされる。12か月以上という期間、伊賀盆地の生産者が一頭ずつ体調を見ながら丁寧に肥育するとされ、盆地特有の水と空気の中で牛をじっくり育てているという。
なぜこの形になったのか
一説によると、四方を山に囲まれた伊賀盆地の寒暖差の大きさが、肥育に向く気候条件を用意してきたとされる。干し肉が戦国期の兵糧になったという伝承は、この土地が古くから牛を保存食に加工する知恵を持っていたことを示すと読める。盆地の気候と、保存食としての牛の利用という二つの土地の因果が重なっている。忍者の里としても知られる伊賀は険しい山々に囲まれた盆地で、寒暖差の大きさに加え、保存食としての牛肉加工の知恵が古くから育まれてきた土地とされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ三重県
- あほだき味や匂いが落ちてきた古漬けのたくあんを塩抜きし、醤油だれで炊き直す北勢地域の常備菜。美味しい時期を過ぎてから食べる「あほなことをしている」との自嘲めいた名の由来が伝わる、食品を無駄にしない知恵の料理。
- あらめ巻き水で戻したアラメ(褐藻の一種)でイワシやサンマを幾重にも巻き、醤油と砂糖で煮付けた鳥羽の郷土料理。伊勢神宮にも献上されてきたアラメを使い、地域によって巻く魚が変わると伝わる。
- 盆汁ごぼうやなす、かぼちゃなど旬の野菜をたっぷり煮込んだ味噌汁。お盆に殺生を避ける禅宗の教えから、かつお節や煮干しのだしを使わず、油揚げと具材の多さで旨みを出すのが特徴とされる。
- 茶粥ほうじ茶などを煎じた茶袋の湯に米を入れて炊いたお粥。耕地が少なく米が貴重だった伊賀地域で、水の量を増やして米を節約する工夫から生まれたとされ、夏は冷やして食べる家庭もあるという。
- ちゃつ大根や人参、れんこん、昆布、油揚げを千切りにし、酢と砂糖で煮た朝日町の料理。精進料理を盛った朱漆塗りの器「ちゃつ」に由来する名とされ、白く仕上げるため醤油を使わないのが特徴という。
- ふき俵大豆を炊き込んだご飯をふきの葉で米俵のかたちに包んだ伊賀地域の行事食。田植えの際、田の神に豊作を祈って供えるほか、農作業の合間の携帯食としても食べられてきたと伝わる。