ごはんもの
茶粥
Chagayu
ほうじ茶などを煎じた茶袋の湯に米を入れて炊いたお粥。耕地が少なく米が貴重だった伊賀地域で、水の量を増やして米を節約する工夫から生まれたとされ、夏は冷やして食べる家庭もあるという。
- 発祥: 三重県
- 東京から西へ約320km
系譜
茶粥ふき俵
何でできているか
米を多めの水で炊き、茶の風味をつけた粥。地元では「おかいさん」の愛称で親しまれてきたという。米を節約するために水の量を増やす工夫から生まれたとされ、耕地の少ない伊賀地域では白米が貴重で、日常の主食は麦飯とこの茶粥だったと伝わる。夏は冷やすと食欲が出るといい、さつまいもやとうもろこしなど季節の具を加えることもある。
どう作るのか
米を軽く洗い、釜の水に「ちゃんぶくろ」と呼ぶ茶袋を入れて少し煎じ出してから米を加えて炊く。茶がほどよく出たら茶袋を箸で挟んで取り除き、しばらく蒸らして仕上げる。使う茶葉は緑茶よりほうじ茶やはぶ茶、自家製の茶がよいとされ、熱いうちにいただくのが基本だが、夏場は冷やして食べる家も多いという。熊野市西山地域には弘法大師が伝えたという弘法茶で炊く方法も伝わる。
なぜこの形になったのか
奈良時代の東大寺二月堂「お水取り」の後に、参籠の宿所で「ごぼう」と呼ぶ番茶仕立ての粥が食べられてきたと伝わるほど、茶粥の歴史は古いとされる。耕地面積が少ない伊賀地域では白米が貴重で、かさを増やす工夫として粥が定着し、周辺の茶樹を使った茶粥が日常食になっていったと考えられる。松阪市飯南町粥見は茶産地としても知られ、盛んに食べられてきたという。
食べに行く前に
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この土地の食材と料理
対比
同じ三重県
- あほだき味や匂いが落ちてきた古漬けのたくあんを塩抜きし、醤油だれで炊き直す北勢地域の常備菜。美味しい時期を過ぎてから食べる「あほなことをしている」との自嘲めいた名の由来が伝わる、食品を無駄にしない知恵の料理。
- あらめ巻き水で戻したアラメ(褐藻の一種)でイワシやサンマを幾重にも巻き、醤油と砂糖で煮付けた鳥羽の郷土料理。伊勢神宮にも献上されてきたアラメを使い、地域によって巻く魚が変わると伝わる。
- 盆汁ごぼうやなす、かぼちゃなど旬の野菜をたっぷり煮込んだ味噌汁。お盆に殺生を避ける禅宗の教えから、かつお節や煮干しのだしを使わず、油揚げと具材の多さで旨みを出すのが特徴とされる。
- ちゃつ大根や人参、れんこん、昆布、油揚げを千切りにし、酢と砂糖で煮た朝日町の料理。精進料理を盛った朱漆塗りの器「ちゃつ」に由来する名とされ、白く仕上げるため醤油を使わないのが特徴という。
- ガラガラおろし竹製の鬼おろし器で粗くおろした大根に、油揚げやちくわ、煮干し、赤白の味噌、酢を合わせる料理。江戸時代には年貢の代わりに納めた地域もあったとされ、冠婚葬祭や正月の箸休めとして伝わる。