甘味
みつめのぼたもち
Mitsume no Botamochi
第一子が生まれて3日後に、出産の疲労回復と母乳の出を願ってつくる大きなぼたもち。重箱に詰めて近所や親戚に配り、赤ちゃんの誕生を知らせる役目も担う。第一子のときだけの習わし。
- 発祥: 茨城県
- 東京から北東へ約100km
系譜
何でできているか
第一子が生まれて3日目に、通常よりもひとまわり大きくつくったぼたもちとされる。もち米とうるち米をつぶさずそのまま敷き詰め、たっぷりのあんこをのせた見た目の大きさが何より重要とされ、出産直後の母親の栄養補給と、赤ちゃんの誕生を親戚や近所に知らせる意味が込められている、いまも一部地域に残るめでたい一品とされる。
どう作るのか
もち米とうるち米を合わせて炊き、蒸らした後につぶしたり丸めたりせず、そのまま重箱に敷き詰めて上からあんこをのせる。食べるときに食べやすい大きさに切り分ける。重箱に詰めずに、一般的な大きさよりも大きなぼたもちを3つ用意する家庭もあり、いずれの場合も、とにかく大きくつくることがなにより重んじられている。
なぜこの形になったのか
食糧を十分に得にくかった時代、出産で疲れた母親の体力回復と母乳の出をよくする願いを込め、栄養価の高いもち米や小豆を使った大きなぼたもちを食べさせたことがはじまりとされる。重箱に詰めて親戚や近所に配り歩く習わしもあり、赤ちゃんの誕生を知らせる役割も兼ねてきたと伝わる、第一子が生まれたときだけの行事とされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
兄弟
同じ茨城県
- 赤餅赤みを帯びたもろこし粉を湯で練り、だんご状にゆでてあんこやきなこをまぶす餅。稲や小麦が育ちにくい水害の多い地域で、もろこしだけが被害を免れたことから主食代わりに食べられてきた。
- あんこう鍋あんこうの身や皮、肝、胃袋などを野菜と煮る、茨城県北の冬の鍋。漁師が船上で食べたどぶ汁を、食べやすく仕上げたものとされる。味噌仕立てと醤油仕立てがある。旬は11月から3月ごろにあたる。
- あんこうの共酢ゆでたアンコウの身やヒレ、肝など複数の部位を、肝を練り込んだ酢味噌につけて食べる北部地域の冬の料理。西のフグ東のアンコウと並び称される茨城の冬の味覚として親しまれる。
- がりがりなます大根を「鬼おろし」という竹製のおろし器で粗くガリガリとすりおろし、酢漬けの魚と和えるなます。粗い食感が身上で、正月など人が集まる席でよく振る舞われてきた。ボラやコイが使われることもある。
- 五目いなりずし油揚げに、人参やごぼう、しいたけを混ぜ込んだ酢飯を詰めたいなりずし。笠間稲荷神社の門前町・笠間市では、そばやくるみも加えた華やかな具で古くから参詣客をもてなしてきたと伝わる。
- ごさい漬け塩漬けにして発酵させたイワシと大根を、柚子と唐辛子とともに漬け込む鹿行地域の冬の保存食。近年はイワシの水揚げが減り、代わりにサンマでつくられることが多くなっている。