ごはんもの ── 寿司
五目いなりずし
Gomoku Inarizushi
油揚げに、人参やごぼう、しいたけを混ぜ込んだ酢飯を詰めたいなりずし。笠間稲荷神社の門前町・笠間市では、そばやくるみも加えた華やかな具で古くから参詣客をもてなしてきたと伝わる。
- 発祥: 茨城県笠間市
- 東京から北東へ約90km
茨城県笠間市
何でできているか
甘辛く煮た油揚げに、人参・ごぼう・しいたけなどを炒めて混ぜ込んだ酢飯を詰めたいなりずしとされる。地場のそばやくるみ、舞茸を加える家庭もあり、彩りゆたかな具材が詰まった、口いっぱいに広がる甘みとうまみが持ち味の一品で、稲荷神社への参詣客をもてなす料理としても振る舞われ、大人にも子どもにも親しまれている。
どう作るのか
油抜きした油揚げを砂糖・みりん・醤油の合わせ調味料で煮含め、千切りにした人参・ごぼう・しいたけを炒めて味をつけ、炊いたごはんに混ぜ合わせる。味を含ませた油揚げの中にごはんをしっかり詰め、口を上にして並べる。夏は枝豆、冬はぎんなんを加えるなど、季節ごとの具材を楽しむ工夫もあり、もち米を混ぜて炊くこともある。
なぜこの形になったのか
温暖な気候と豊かな水質に恵まれた茨城県では米や根菜が豊富にとれ、地元の食材を彩りよく混ぜ込んだいなりずしが広まったとされる。稲荷神社への参詣客をもてなす料理として振る舞われてきた土地もあり、そばの産地であることから地場産そばを混ぜ込む家庭もあるなど、地域ごとに少しずつ違ういなりずしがつくられている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ茨城県
- 赤餅赤みを帯びたもろこし粉を湯で練り、だんご状にゆでてあんこやきなこをまぶす餅。稲や小麦が育ちにくい水害の多い地域で、もろこしだけが被害を免れたことから主食代わりに食べられてきた。
- あんこう鍋あんこうの身や皮、肝、胃袋などを野菜と煮る、茨城県北の冬の鍋。漁師が船上で食べたどぶ汁を、食べやすく仕上げたものとされる。味噌仕立てと醤油仕立てがある。旬は11月から3月ごろにあたる。
- あんこうの共酢ゆでたアンコウの身やヒレ、肝など複数の部位を、肝を練り込んだ酢味噌につけて食べる北部地域の冬の料理。西のフグ東のアンコウと並び称される茨城の冬の味覚として親しまれる。
- がりがりなます大根を「鬼おろし」という竹製のおろし器で粗くガリガリとすりおろし、酢漬けの魚と和えるなます。粗い食感が身上で、正月など人が集まる席でよく振る舞われてきた。ボラやコイが使われることもある。
- ごさい漬け塩漬けにして発酵させたイワシと大根を、柚子と唐辛子とともに漬け込む鹿行地域の冬の保存食。近年はイワシの水揚げが減り、代わりにサンマでつくられることが多くなっている。
- はまぐりごはん鹿島灘でとれる大ぶりなハマグリを人参やしいたけと炒め、その煮汁で米を炊き込んだ混ぜごはん。左右がぴったり合う貝殻の性質から、結婚式や雛祭りなど祝いの席で振る舞われてきた。