麺 ── 焼きそば
那珂湊焼きそば
Nakaminato Yakisoba
茨城県ひたちなか市那珂湊で60年以上親しまれてきた焼きそば。もっちりとした食感の「手延べせいろ蒸し麺」を使うのが土地の型とされ、地元のソウルフードとしてB-1グランプリにも出場した。
- 発祥: 茨城県ひたちなか市那珂湊
- 東京から北東へ約110km
茨城県ひたちなか市那珂湊
何でできているか
口に入れるとまず麺のもちもちとした弾力が伝わり、噛むほどに小麦の風味が広がる。この麺は「手延べせいろ蒸し麺」と呼ばれ、一般的な蒸し中華麺よりも太さや食感に土地ならではの個性があるという。ソースの香ばしさと麺の弾力が合わさることで、他の焼きそばとは違う噛み応えになる。もちっとした食感が長く残るため、食べ終わったあとも印象に残るという。
どう作るのか
手延べで仕立てた麺をせいろで蒸し上げてから、鉄板や中華鍋でソースとともに炒め合わせる。豚肉やキャベツなど具材は一般的な焼きそばと大きく変わらないが、麺そのものの製法にこだわることで土地の型を保っているとされる。蒸し加減ひとつで食感が変わるため、麺づくりの工程そのものが味の決め手になっているという。麺を仕入れる製麺所ごとに配合が違い、店を変えると食感の印象も変わるといわれる。
なぜこの形になったのか
一説によると、那珂湊では60年以上前からこの焼きそばが地元で親しまれてきたという。港町として発展してきた土地で、独自の製麺技術を持つ麺が焼きそばに使われ続けたことが、他の地域とは違う食感を生み、市民のソウルフードとして根づく土台になったと考えられる。漁業の町で働く人たちの腹ごしらえとして重宝されてきた側面もうかがえ、市場で働く人の生活時間に寄り添ってきた一皿でもあるという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ茨城県
- 赤餅赤みを帯びたもろこし粉を湯で練り、だんご状にゆでてあんこやきなこをまぶす餅。稲や小麦が育ちにくい水害の多い地域で、もろこしだけが被害を免れたことから主食代わりに食べられてきた。
- あんこう鍋あんこうの身や皮、肝、胃袋などを野菜と煮る、茨城県北の冬の鍋。漁師が船上で食べたどぶ汁を、食べやすく仕上げたものとされる。味噌仕立てと醤油仕立てがある。旬は11月から3月ごろにあたる。
- あんこうの共酢ゆでたアンコウの身やヒレ、肝など複数の部位を、肝を練り込んだ酢味噌につけて食べる北部地域の冬の料理。西のフグ東のアンコウと並び称される茨城の冬の味覚として親しまれる。
- がりがりなます大根を「鬼おろし」という竹製のおろし器で粗くガリガリとすりおろし、酢漬けの魚と和えるなます。粗い食感が身上で、正月など人が集まる席でよく振る舞われてきた。ボラやコイが使われることもある。
- 五目いなりずし油揚げに、人参やごぼう、しいたけを混ぜ込んだ酢飯を詰めたいなりずし。笠間稲荷神社の門前町・笠間市では、そばやくるみも加えた華やかな具で古くから参詣客をもてなしてきたと伝わる。
- ごさい漬け塩漬けにして発酵させたイワシと大根を、柚子と唐辛子とともに漬け込む鹿行地域の冬の保存食。近年はイワシの水揚げが減り、代わりにサンマでつくられることが多くなっている。