麺 ── ラーメン
下館ラーメン
Shimodate Ramen
鶏ガラの醤油スープに、鶏肉のチャーシューを乗せる。
- 発祥: 茨城県筑西市
- 醤油
- 東京から北へ約70km
茨城県筑西市
何でできているか
澄んだ醤油スープからまず立つのは鶏ガラの香り。豚のチャーシューを想像して丼を覗くと、代わりに乗っているのは飴色に甘辛く煮た鶏肉——脂が少ない分、スープの輪郭がぼやけず最後まですっきり飲み干せる。麺は中細の縮れ麺で、加水を抑えて締まった噛み心地。伸びにくく、熱いスープの中でも最後の一口までコシが残ったまま食べきれる。
どう作るのか
鶏ガラと地場の野菜でじっくりだしを引き、濃口醤油で締めるのがこの店の基本の型。具材の鶏チャーシューは、もも肉などを甘辛いタレで炊いてから薄く切り分ける。麺は加水を抑えた細めの縮れ麺を使い、茹でてから時間が経ってもスープを吸いすぎず伸びにくいのが特徴。器に盛ってから配達先に届くまでの時間差を織り込んだ仕込みが、今も店ごとに引き継がれている。
なぜこの形になったのか
戦後まもない時期、豚肉は手が届きにくい高価な食材だった。手頃な鶏肉をチャーシューに使うようになったのは、その代替としての工夫だったと伝わる。かつて「商都下館」と呼ばれるほど商業が集積していたこの町では、忙しい商店や事務所への出前が日常的だった。届くまでの時間でスープを吸って伸びてしまっては困る——だからこそ、加水を抑えて時間に強い縮れ麺が選ばれたと読める。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ茨城県
- 赤餅赤みを帯びたもろこし粉を湯で練り、だんご状にゆでてあんこやきなこをまぶす餅。稲や小麦が育ちにくい水害の多い地域で、もろこしだけが被害を免れたことから主食代わりに食べられてきた。
- あんこう鍋あんこうの身や皮、肝、胃袋などを野菜と煮る、茨城県北の冬の鍋。漁師が船上で食べたどぶ汁を、食べやすく仕上げたものとされる。味噌仕立てと醤油仕立てがある。旬は11月から3月ごろにあたる。
- あんこうの共酢ゆでたアンコウの身やヒレ、肝など複数の部位を、肝を練り込んだ酢味噌につけて食べる北部地域の冬の料理。西のフグ東のアンコウと並び称される茨城の冬の味覚として親しまれる。
- がりがりなます大根を「鬼おろし」という竹製のおろし器で粗くガリガリとすりおろし、酢漬けの魚と和えるなます。粗い食感が身上で、正月など人が集まる席でよく振る舞われてきた。ボラやコイが使われることもある。
- 五目いなりずし油揚げに、人参やごぼう、しいたけを混ぜ込んだ酢飯を詰めたいなりずし。笠間稲荷神社の門前町・笠間市では、そばやくるみも加えた華やかな具で古くから参詣客をもてなしてきたと伝わる。
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