鍋・汁もの ── 鍋料理
あんこう鍋
Ankou-nabe
あんこうの身や皮、肝、胃袋などを野菜と煮る、茨城県北の冬の鍋。漁師が船上で食べたどぶ汁を、食べやすく仕上げたものとされる。味噌仕立てと醤油仕立てがある。旬は11月から3月ごろにあたる。
- 発祥: 茨城県北茨城市
- 味噌仕立て
- 東京から北東へ約150km
茨城県北茨城市
系譜
あんこう鍋あんこうの共酢
何でできているか
あんこうは、身、皮、胃袋、ヒレ、肝、卵巣、エラと、ほとんどの部位を使い、ぷるんとした食感が重なる。味噌仕立てでは、複数の味噌を合わせた汁にあん肝が溶けてコクが出る。醤油仕立てでは、あんこうの骨とかつお、昆布の出汁が土台になり、すっきりとした味わいになる。骨や皮にはゼラチン質が多く、煮込むほどに汁がまろやかで濃厚な口あたりになる。
どう作るのか
あんこうは体がゼラチン質で、まな板では切りにくいため、下あごを鉤にかけて吊るして切る「吊るし切り」でさばく。鍋では、肝を炒めて味噌と合わせてから身や野菜を入れるどぶ汁が元の形で、あんこう鍋はそれを食べやすく仕上げたものとされる。肝は冬に肥えるとされ、味も深まる。肝を炒めて味噌と合わせると香ばしさが出て、水を使わず野菜の水気だけで煮ていく形もある。
なぜこの形になったのか
どぶ汁は漁師が船上で食べていた料理で、鍋と味噌、野菜があれば作れたため、船の上に向いていたと伝わる。名前は、肝が溶けて汁が濁る様子に由来するとされる。茨城県北の平潟や大津、那珂湊などの漁港であんこうが水揚げされ、水温が下がって肝が肥える11月から3月が旬にあたる。漁の現場の食べ方が鍋に整っていった。いまは県内の旅館や飲食店で、冬の名物として親しまれている。
食べに行く前に
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- 赤餅赤みを帯びたもろこし粉を湯で練り、だんご状にゆでてあんこやきなこをまぶす餅。稲や小麦が育ちにくい水害の多い地域で、もろこしだけが被害を免れたことから主食代わりに食べられてきた。
- がりがりなます大根を「鬼おろし」という竹製のおろし器で粗くガリガリとすりおろし、酢漬けの魚と和えるなます。粗い食感が身上で、正月など人が集まる席でよく振る舞われてきた。ボラやコイが使われることもある。
- 五目いなりずし油揚げに、人参やごぼう、しいたけを混ぜ込んだ酢飯を詰めたいなりずし。笠間稲荷神社の門前町・笠間市では、そばやくるみも加えた華やかな具で古くから参詣客をもてなしてきたと伝わる。
- ごさい漬け塩漬けにして発酵させたイワシと大根を、柚子と唐辛子とともに漬け込む鹿行地域の冬の保存食。近年はイワシの水揚げが減り、代わりにサンマでつくられることが多くなっている。
- はまぐりごはん鹿島灘でとれる大ぶりなハマグリを人参やしいたけと炒め、その煮汁で米を炊き込んだ混ぜごはん。左右がぴったり合う貝殻の性質から、結婚式や雛祭りなど祝いの席で振る舞われてきた。