麺 ── ラーメン
豆腐みそラーメン
Toufu Miso Ramen
常陸大宮市の老舗中華料理店が、豆腐とネギの味噌汁の美味しさをそのままラーメンに移したと伝わる一杯。赤味噌と白味噌を合わせた汁に、ざく切りの木綿豆腐と長ネギだけをのせる。具材を絞った分、味噌の配合そのものが味の決め手になる。
- 発祥: 茨城県常陸大宮市
- 味噌
- 東京から北東へ約110km
茨城県常陸大宮市
何でできているか
丼に張るのは赤味噌と白味噌を合わせたスープで、赤味噌のコクと白味噌の甘みが層になって舌に届く。具はざく切りにした木綿豆腐と長ネギだけ。豆腐は崩れにくいよう固めのものを選び、角の立った切り口がスープをよくまとう。麺は自家製の細麺で、豆腐の口当たりを邪魔しないよう控えめに仕立てられている。丼をのぞくと、まるで味噌汁の器をそのまま大きくしたような見た目で、湯気の立ち方まで家庭の食卓を思わせる。
どう作るのか
豚ひき肉と鶏・豚のだしを合わせた地に、赤味噌と白味噌を店ごとの配合でブレンドする。豆腐は水切りしてから大きめの角切りにし、煮崩れる直前で丼に沈める。味噌の配合は季節によって微調整されるとされ、豆腐とネギという具の少なさが、逆にスープの仕込みの差をそのまま味の違いに変える作り方になっている。提供する店はわずかにとどまるといい、それぞれが自分の配合を守り続けている。
なぜこの形になったのか
一説によると、先代の店主が「豆腐とネギの味噌汁がうまいなら、ラーメンに入れても同じはずだ」と考えたのが始まりという。茨城県北部の内陸に位置する常陸大宮の食卓で親しまれてきた味噌汁の組み立てを、そのまま丼に移した発想で、30年以上前から地元の一軒がこの形を守り続けていると伝わる。海から離れた内陸の町で、身近な食材だけを使って一杯を仕立てた工夫の跡ともいえる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
使われる
対比
同じ茨城県
- 赤餅赤みを帯びたもろこし粉を湯で練り、だんご状にゆでてあんこやきなこをまぶす餅。稲や小麦が育ちにくい水害の多い地域で、もろこしだけが被害を免れたことから主食代わりに食べられてきた。
- あんこう鍋あんこうの身や皮、肝、胃袋などを野菜と煮る、茨城県北の冬の鍋。漁師が船上で食べたどぶ汁を、食べやすく仕上げたものとされる。味噌仕立てと醤油仕立てがある。旬は11月から3月ごろにあたる。
- あんこうの共酢ゆでたアンコウの身やヒレ、肝など複数の部位を、肝を練り込んだ酢味噌につけて食べる北部地域の冬の料理。西のフグ東のアンコウと並び称される茨城の冬の味覚として親しまれる。
- がりがりなます大根を「鬼おろし」という竹製のおろし器で粗くガリガリとすりおろし、酢漬けの魚と和えるなます。粗い食感が身上で、正月など人が集まる席でよく振る舞われてきた。ボラやコイが使われることもある。
- 五目いなりずし油揚げに、人参やごぼう、しいたけを混ぜ込んだ酢飯を詰めたいなりずし。笠間稲荷神社の門前町・笠間市では、そばやくるみも加えた華やかな具で古くから参詣客をもてなしてきたと伝わる。
- ごさい漬け塩漬けにして発酵させたイワシと大根を、柚子と唐辛子とともに漬け込む鹿行地域の冬の保存食。近年はイワシの水揚げが減り、代わりにサンマでつくられることが多くなっている。