惣菜
干しいも
Hoshi Imo
蒸したさつまいもを薄切りにし、海風にさらして干し上げる保存食。静岡から伝わったとされ、ひたちなか市を中心に盛んに作られてきたとされる。素朴な甘さとねっとりした食感が持ち味。
- 発祥: 茨城県ひたちなか市
- 東京から北東へ約110km
茨城県ひたちなか市
何でできているか
蒸したさつまいもを薄切りにし、海からの強い風にあてて1週間ほど天日で乾かした、シンプルな工程でつくられる素朴な干し菓子とされる。水分が抜けて凝縮された自然な甘みと、ほっくりとした噛みごたえが特徴で、軒先にいもを干す光景は冬の風物詩とされてきた。そのまま食べるほか、かき揚げや焼き菓子の生地に加えても楽しめる。
どう作るのか
皮つきのまま柔らかくなるまで蒸したさつまいもの皮を熱いうちにむき、アクの残る両端は厚めに切り落とす。繊維に沿って1cm幅に切り、ざるに重ならないよう並べて風通しの良い場所で1週間ほど天日に干す。途中で裏返して両面をまんべんなく乾かすと、しっとりとした食感に仕上がり、表面にほんのり白い粉がふくこともある。
なぜこの形になったのか
海からの強い風が吹く沿岸部の気候が、いもを乾かす作業に適していたことから、この地に干しいもづくりが根づいたとされる。保存がきき、いつでも食べられる利便性の高さから庶民の間に広まり、戦時中に主食としてさつまいもの需要が高まって一時つくられなくなった時期を経て、戦後ふたたび県の推奨もあり各家庭や産地で受け継がれるようになったと伝わる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ茨城県
- 赤餅赤みを帯びたもろこし粉を湯で練り、だんご状にゆでてあんこやきなこをまぶす餅。稲や小麦が育ちにくい水害の多い地域で、もろこしだけが被害を免れたことから主食代わりに食べられてきた。
- あんこう鍋あんこうの身や皮、肝、胃袋などを野菜と煮る、茨城県北の冬の鍋。漁師が船上で食べたどぶ汁を、食べやすく仕上げたものとされる。味噌仕立てと醤油仕立てがある。旬は11月から3月ごろにあたる。
- あんこうの共酢ゆでたアンコウの身やヒレ、肝など複数の部位を、肝を練り込んだ酢味噌につけて食べる北部地域の冬の料理。西のフグ東のアンコウと並び称される茨城の冬の味覚として親しまれる。
- がりがりなます大根を「鬼おろし」という竹製のおろし器で粗くガリガリとすりおろし、酢漬けの魚と和えるなます。粗い食感が身上で、正月など人が集まる席でよく振る舞われてきた。ボラやコイが使われることもある。
- 五目いなりずし油揚げに、人参やごぼう、しいたけを混ぜ込んだ酢飯を詰めたいなりずし。笠間稲荷神社の門前町・笠間市では、そばやくるみも加えた華やかな具で古くから参詣客をもてなしてきたと伝わる。
- ごさい漬け塩漬けにして発酵させたイワシと大根を、柚子と唐辛子とともに漬け込む鹿行地域の冬の保存食。近年はイワシの水揚げが減り、代わりにサンマでつくられることが多くなっている。