発酵・保存
柚子大根
Yuzu Daikon
天日干しした大根で柚子の皮を巻き、昆布で結んで甘酢に漬ける冬の一品。北部で柚子がよくとれることから根づいた料理とされ、正月のおせちの箸休めとしていまも親しまれている。
- 発祥: 茨城県
- 東京から北東へ約130km
何でできているか
輪切りにして天日干しした大根で千切りの柚子を巻き、昆布で結んで合わせ酢に漬け込んだ、関東の広い地域に伝わる冬の一品とされる。大根のしゃきっとした歯ごたえと柚子のさわやかな香りが酢の酸味と響き合い、味の濃いおせち料理の中でさっぱりとした箸休めとして親しまれている、彩りも美しい縁起のよい料理として重宝される。
どう作るのか
2〜3mmの輪切りにした大根を2日ほど天日で干して身をしめ、水で戻してから千切りの柚子を巻き、3mm幅に切った昆布で結んで形を整える。砂糖を溶かした合わせ酢を熱いうちにかけ、2日ほど寝かせて味をなじませてからいただく。天日干しの代わりに塩もみで水分を抜いてつくる方法もあり、酢に漬けることでつくり置きもできる。
なぜこの形になったのか
茨城県は関東でも柚子の産地の一つであり、冬になると各家庭の軒先に大根を干す光景がよく見られたことから、この二つの食材を組み合わせた漬物が生まれたとされる。酢に漬けることで保存性が高まり、北部地域では正月のおせち料理の定番として、いまも各家庭でつくり継がれているという、この地ならではの冬の一品とされる。
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ茨城県
- 赤餅赤みを帯びたもろこし粉を湯で練り、だんご状にゆでてあんこやきなこをまぶす餅。稲や小麦が育ちにくい水害の多い地域で、もろこしだけが被害を免れたことから主食代わりに食べられてきた。
- あんこう鍋あんこうの身や皮、肝、胃袋などを野菜と煮る、茨城県北の冬の鍋。漁師が船上で食べたどぶ汁を、食べやすく仕上げたものとされる。味噌仕立てと醤油仕立てがある。旬は11月から3月ごろにあたる。
- あんこうの共酢ゆでたアンコウの身やヒレ、肝など複数の部位を、肝を練り込んだ酢味噌につけて食べる北部地域の冬の料理。西のフグ東のアンコウと並び称される茨城の冬の味覚として親しまれる。
- がりがりなます大根を「鬼おろし」という竹製のおろし器で粗くガリガリとすりおろし、酢漬けの魚と和えるなます。粗い食感が身上で、正月など人が集まる席でよく振る舞われてきた。ボラやコイが使われることもある。
- 五目いなりずし油揚げに、人参やごぼう、しいたけを混ぜ込んだ酢飯を詰めたいなりずし。笠間稲荷神社の門前町・笠間市では、そばやくるみも加えた華やかな具で古くから参詣客をもてなしてきたと伝わる。
- ごさい漬け塩漬けにして発酵させたイワシと大根を、柚子と唐辛子とともに漬け込む鹿行地域の冬の保存食。近年はイワシの水揚げが減り、代わりにサンマでつくられることが多くなっている。