甘味
たがね餅
Tagane Mochi
もち米とうるち米を蒸してついた、なまこ形の平たい餅。青のりや大豆、しその実など混ぜる具は地域ごとに違う。正月によくつくられ、焼いたり揚げたりして食べる霞ヶ浦周辺の郷土菓子。
- 発祥: 茨城県
- 東京から北東へ約100km
系譜
たがね餅みつめのぼたもち
何でできているか
もち米とうるち米を蒸して合わせてつき、なまこのような楕円形で平たく整えた素朴な餅とされる。石岡市やかすみがうら市では青のり、県北の大子では大豆と白ごま、鹿行地域の鉾田市ではしその実というように、地域によって混ぜ込む具材が少しずつ異なる。米粒のつぶつぶとした食感と豆の歯ごたえが残り、焼くと香ばしさが加わり、噛むほどに米の甘みが広がる味わいになる。
どう作るのか
一晩水に浸したもち米と、1時間ほど水に浸したうるち米を合わせて蒸し器で蒸し、餅つき機でつきながら青のりや塩、白ごまなどを加える。なまこのような楕円形にまとめ、固まりすぎないうちに1cmほどの厚さに切って焼く。醤油をつけてそのまま食べるほか、お雑煮に入れたり、薄く切って油で揚げ、お煎餅のようにして食べたりもする。
なぜこの形になったのか
霞ヶ浦と利根川に挟まれた穀倉地帯で、もち米とうるち米がともに豊富にとれたことから、両方を混ぜて量を増やし、米の風味を活かす食べ方が広まったとされる。米粒の食感を残したまま蒸してつくのは、つきたての滑らかな餅とは違う歯ごたえを楽しむための工夫とされ、地域ごとに青のりや大豆、しその実を加える違いがいまも残っている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ茨城県
- あんこう鍋あんこうの身や皮、肝、胃袋などを野菜と煮る、茨城県北の冬の鍋。漁師が船上で食べたどぶ汁を、食べやすく仕上げたものとされる。味噌仕立てと醤油仕立てがある。旬は11月から3月ごろにあたる。
- あんこうの共酢ゆでたアンコウの身やヒレ、肝など複数の部位を、肝を練り込んだ酢味噌につけて食べる北部地域の冬の料理。西のフグ東のアンコウと並び称される茨城の冬の味覚として親しまれる。
- がりがりなます大根を「鬼おろし」という竹製のおろし器で粗くガリガリとすりおろし、酢漬けの魚と和えるなます。粗い食感が身上で、正月など人が集まる席でよく振る舞われてきた。ボラやコイが使われることもある。
- 五目いなりずし油揚げに、人参やごぼう、しいたけを混ぜ込んだ酢飯を詰めたいなりずし。笠間稲荷神社の門前町・笠間市では、そばやくるみも加えた華やかな具で古くから参詣客をもてなしてきたと伝わる。
- ごさい漬け塩漬けにして発酵させたイワシと大根を、柚子と唐辛子とともに漬け込む鹿行地域の冬の保存食。近年はイワシの水揚げが減り、代わりにサンマでつくられることが多くなっている。