土地
石川県
38件
●生まれた料理 32件(あいまぜ、べか鍋、大根ずし ほか)・●育てる食材 2件(能登豚、能登牛)・●仕込む 4件(石川の酒、いしり(いしる)、かに風味かまぼこ ほか)・○本場 3件
この土地で生まれた32
- あいまぜAimaze能登の赤土で育つ大根や人参などの根菜を細く刻み、油揚げとともに煎り煮にする。正月やハレの日に作り置きされてきたとされ、使う野菜は土地ごとに違い見た目や味に地域性が出る。
- べか鍋Beka Nabe味噌仕立てぬか漬けにしたイワシ(コンカイワシ)を、白菜やきのこと酒粕で煮込む能登の冬鍋。冷蔵技術のない時代の保存食が発祥とされ、大衆魚だったことから「今日も食べっか」が名の由来ともいわれる。
- 大根ずしDaikon-zushi大根と身欠きニシンを米麹で漬け込む、加賀地方の発酵ずし。北前船が運んだニシンが庶民の手に届いたことで根づいたとされ、かぶらずしと並んで石川の正月に欠かせない、酸味の穏やかな発酵の味として親しまれている。
- えびすEbisu煮溶かした寒天にとき卵と砂糖、醤油を流し込んで固める。江戸期の料理書に記される卵寒天がルーツとされ、つるりとした見た目から「べろべろ」とも呼ばれる祝いの日の一品。
- 五色生菓子Goshiki Namagashi太陽・月・山・海・里に見立てた五種の餅や饅頭を菓器に詰める、金沢の婚礼菓子。加賀藩主に輿入れした珠姫のために献上されたのが始まりと伝わり、いまも祝いの返礼として配られる。
- UFOラーメンUFO Ramen醤油UFO目撃伝説で知られる石川県羽咋市の「はくいUFOグルメ」の一杯。すし店から洋食店まで複数の飲食店が参加し、醤油だれのスープにUFOをかたどった具材を添える。丼の上に羽咋という土地の物語が重なるとされる。
- はす蒸しHasumushiすりおろした加賀れんこんに白身魚やエビを加えて蒸す。でんぷん質の多い加賀れんこんはつなぎを使わずとも粘りが出るとされ、もっちりとした食感にとろりとしたあんをかけて食べる。
- ひねずしHinezushi塩漬けの魚を米や赤唐辛子、山椒の葉とともに桶に詰め、1〜2か月かけて発酵させる奥能登のなれずし。開ける瞬間まで中の様子はわからず、塩加減や気候によって味が変わり、同じ人が漬けても仕上がりは一定しないという。
- いさざの卵とじIsaza no Tamagotoji春に穴水町の川を遡上する体長5〜6cmの小魚イサザ(シロウオ)を、卵でとじて食べる。淡白な身に卵のまろやかさが加わる素朴な調理法で、伝統漁法「ほうちょう」で獲れたものが使われてきたとされる。
- ぶり大根Buri Daikon初冬、雷とともに脂の乗った寒ブリのあらを、厚切りの大根と昆布だしでじっくり煮る。ブリの旨みを大根に移すのが決め手とされ、正月や祝い事の贈答にも使われる魚の格を映す一皿。
- いしる鍋Ishiru Nabe醤油・寄せ鍋系能登に伝わる魚醤いしるを出汁に使い、旬の魚介と野菜を煮る冬の鍋。少なくとも1700年代には作られていたとされ、秋田のしょっつる、香川のいかなご醤油と並ぶ発酵調味料が土台になっている。
- いとこ汁Itokojiru小豆と豆腐、根菜を味噌汁仕立てでじっくり煮る。親鸞聖人の命日に営む報恩講の膳に欠かせないとされ、好物だったという小豆を食べながら恩に報いるという意味が込められているという。
- じぶ煮Jibuni小麦粉をまぶした鴨肉とすだれ麩、季節の野菜を出汁でとろみが出るまで煮る。少なくとも江戸期には武家料理として食べられていたとされ、天盛りのわさびが鴨の脂と調和する。
- かぶらずしKaburazushi塩漬けにしたかぶらでブリを挟み、米麹の甘酒で発酵させる金沢の正月食。刺身とも粕漬けとも違う、酸味の奥に麹の甘さが層になった味わいで、地元では欠かせない一皿とされる。
- 加賀太きゅうりのあんかけKaga Futokyuri no Ankake皮をむいた加賀太きゅうりを下ゆでし、ひき肉とともに煮て葛でとろみをつける。従来のきゅうりより肉厚で青臭さが少なく、火を通しても崩れにくいとされ、夏の食欲が落ちる時季に重宝される。
- 加賀味噌ラーメンKaga Miso Ramen味噌甘みの強い米麹主体の赤味噌、加賀味噌を使った金沢中心のご当地ラーメン。動物系だしのコクと味噌の甘みが重なり、塩辛さより発酵由来の旨みで濃厚さをつくる。加賀藩の時代から続くとされる発酵文化が息づく一杯である。
- 押しずしOshizushi酢でしめた魚とすし飯、紺のりを木枠に重ね、一晩重石をして寝かせる。季節や行事で使う魚を変え、加賀では熊笹で包む「笹ずし」や柿の葉を使う「柿の葉ずし」も伝わる祭りの料理。
- きしずKishizuくずきりやわかめ、きくらげなどを細く切り分けて彩りよく盛り、白ごまと酒粕を練ったたれをかけて食べる精進料理。大聖寺の門前町で法事や報恩講の刺身代わりとして伝わってきたとされる。
- 真子の煮つけMako no Nitsuke30cm近くにもなるというマダラの真子を、切らずに醤油とみりんで煮る。産卵期の冬、能登の漁港に水揚げされる大ぶりの真子を使う一品で、切り分けると花が咲いたように仕上がるとされる。
- メギスのだんご汁Megisu no Dangojiru骨を抜いてすり身にしたメギスに味噌や卵、ねぎを混ぜてだんごにし、出汁で煮る。漁獲量全国トップとされる石川で、大漁に獲れるメギスを使い切る知恵として根づいたと伝わる。
- めった汁Mettajiruさつまいもや大根、人参など根菜をたっぷり入れた豚汁で、じゃがいもではなくさつまいもを使うのが特徴とされる。「やたらめったら具を入れる」が名の由来ともいわれ、家庭ごとに味が違う。
- みたまMitama黒豆ともち米を蒸したおこわ。赤飯の赤色が火事を連想させるとして、法事や上棟式の引き出物には白と黒のこの一品が選ばれてきたとされ、「御霊」の字が当てられることもある。
- なまこの酢の物Namako no Sunomono薄く切ったなまこを大根おろしと酢で和える冬の一品。波が穏やかな七尾湾は身の柔らかいなまこがとれる産地とされ、コリコリとした歯触りと磯の香りが酒の肴として親しまれてきた。
- なすのオランダ煮Nasu no Orandani揚げたり炒めたりしたなすを、丸ごと醤油と砂糖で甘辛く煮る。大量にとれるなすの活用法として農家で親しまれてきたとされ、長崎経由の調理法が名の由来ともいわれる。冷やして食べることも多い。
- なすそうめんNasu Somen出汁で煮たなすに、ゆでたそうめんを加えてひと煮立ちさせる、麺というより煮物に近い夏の惣菜。かつてそうめんの産地だった土地の名残ともいわれ、食べ残った麺を活かす知恵とされる。
- にしんの昆布まきNishin no Konbumaki戻した身欠きニシンを昆布で巻き、かんぴょうで結んで甘辛く煮る。北前船が能登に運んだニシンと昆布を組み合わせた保存食とされ、正月の常備菜として大量に作られてきた。
- さわらの昆布じめSawara no Kobujime石川で「サワラ」と呼ぶカジキマグロを薄く切り、昆布で挟んで半日ほど寝かせる。昆布の旨みが身に移り、ねっとりとした食感が加わるとされ、北前船が運んだ昆布の使い道の一つと伝わる。
- さざえめしSazaemeshi殻から出したさざえを米と出汁で炊き込む夏の一皿。舳倉島の海女が素潜りで獲るさざえを使うとされ、磯の香りとコリコリした食感が食欲をかきたてる。麹漬けにした「さざえべし」という別名も伝わる。
- すいぜんSuizenてんぐさを煮溶かし米粉を加えて固めた、輪島の精進料理。刺身の代わりとして法事や葬式の膳に供され、すった黒ごまに黒砂糖を混ぜたたれをつけて食べる。ごまをするのは男性の役目だったと伝わる。
- 鯛の唐蒸しTai no Karamushi背開きにした鯛に、人参やごぼうを炊いたおからを詰めて蒸す加賀料理。婚礼で嫁方が持参したタイを婿方が調理し客に振る舞ったとされ、腹合わせに盛る「にらみ鯛」が祝宴を彩る。
- たけのこ昆布Takenoko Konbuゆでたたけのこと、水で戻した昆布を出汁と薄口醤油でじっくり煮含める春の惣菜。金沢近郊で育つたけのこと、北前船で運ばれた北海道の昆布という、二つの食材の出会いを映す料理と伝わる。
- たらの子つけTara no Kotsuke細かくほぐしたマダラの真子を、刺身にまぶして食べる冬の一品。新鮮なタラが手に入る能登ならではの食べ方とされ、旧正月の起舟祭で振る舞われる「たら御膳」の一皿として伝わる。
この土地が育てる2
この土地が仕込む4
- 石川の酒Ishikawa no Sake能登半島の珠洲市周辺を発祥とする能登杜氏の土地。農業に不向きな土地から近畿地方へ酒造りの出稼ぎに出た「能登衆」の系譜とされ、味の濃い酒質を特徴とする「能登流」として知られてきたという。
- いしり(いしる)Ishiru能登半島に伝わる魚醤で、内浦地区ではイカの内臓、外浦地区ではイワシやサバを主原料とするとされる。1年以上発酵・熟成させて造る技術は国の登録無形民俗文化財となっており、日本三大魚醤の一つに数えられる。
- かに風味かまぼこKani Kamabokoすり身にアルギン酸などを加え、カニ肉に似せた繊維状に仕立てた練り物。1972年に石川県七尾市のスギヨが世界で初めて発売し、今や世界的な輸出品とされる。焼き色をつけた「刻みタイプ」など、より本物に近い製品も登場したという。
- 能登の塩Noto salt海水を人力で汲み上げ砂浜に撒いて濃縮する「揚げ浜式」で作る、石川県珠洲市に伝わる塩。江戸時代から続き国の重要無形民俗文化財にも指定された製法で、現在も日本でここだけに残るとされる。
この土地が本場5
- 海鮮丼Kaisendon新鮮な魚介の刺身を丼飯に盛り合わせた料理。冷蔵・輸送技術が発達した戦後に各地へ広まったとされ、白飯と酢飯のどちらを使うか店や地域で分かれるなど、統一された型を持たない。発祥地は諸説あり、一説には北海道(函館・釧路)の食堂発祥ともいわれ、江戸前ちらし寿司から派生したとする見方もあるが、特定の起源地は定まっていない。金沢の近江町市場は金沢中央卸売市場に近く、市場内の海鮮丼専門店には毎朝せり場に足を運んで地元産の魚介を仕入れる店もあり、仕入れ先との近さが提供につながっているとされる。
- ホウボウHobo白身名産地胸びれを翼のように広げて海底を歩く魚で、冬に脂が乗る。上品な白身は刺身や潮汁で楽しまれ、海底が砂泥質の穏やかな内湾に多く生息するため、そうした港では地魚として昔から食べられてきた。
- ナマコNamakoほかの系統名産地海底の砂泥をなめるように食べる棘皮動物。冬が旬とされ、薄く切って酢の物にすると歯ごたえのあるコリコリとした食感と磯の香りを楽しめる。内臓の塩辛「このわた」に加工されることでも知られる。冬の日本海沿岸はナマコ漁が盛んな海域の一つとされる。
- カレーライスCurry Rice小麦粉でとろみをつけたカレーソースを白飯にかける洋食の定番。イギリス経由で伝わったとされ、家庭ごと・土地ごとにルーの配合や具材が違うとされる。旧海軍の街など、土地の歴史と結びつく例もある。濃厚でとろみの強いルーにとんかつをのせ、キャベツの千切りを添えてステンレス皿でフォークで食べる「金沢カレー」が名物とされる。石川県観光連盟の公式サイトでも県民に親しまれる名物グルメとして紹介されている。
- 握り寿司Nigiri-zushiすし飯に魚介などのネタをのせ、軽く握って形を整える寿司の型。今日「寿司」といえばこれを指すほど代表的な存在で、江戸時代後期に屋台料理として広まったとされている。300年続く近江町市場に日本海の新鮮な魚介が集まることと結び付けて語られることが多いとされる。