麺 ── ラーメン
加賀味噌ラーメン
Kaga Miso Ramen
甘みの強い米麹主体の赤味噌、加賀味噌を使った金沢中心のご当地ラーメン。動物系だしのコクと味噌の甘みが重なり、塩辛さより発酵由来の旨みで濃厚さをつくる。加賀藩の時代から続くとされる発酵文化が息づく一杯である。
- 発祥: 石川県金沢市
- 味噌
- 東京から西へ約300km
石川県金沢市
何でできているか
甘みの強い赤味噌がまず舌に触れ、そのあとから動物系のだしの厚みが追いかけてくる。加賀味噌は米麹の比率が高く、一般的な辛口の赤味噌に比べて塩角が立ちにくいとされ、塩辛さで押すのではなく甘みと発酵由来のコクを重ねて濃厚さをつくる。仕上げの脂がスープに甘さの余韻を残し、最後の一口まで角の少ないまろやかさが続く。地元では味噌汁の延長として親しまれてきた味わいだという。
どう作るのか
豚骨や鶏がらでとっただしに、米こうじを多く使い長期間熟成させた加賀味噌を溶き入れて仕上げる。加賀味噌そのものは、白山からの水に恵まれた石川の風土の中で木の樽を使い時間をかけてつくられる発酵食品で、その甘みと旨みがそのままラーメンの下地になる。動物系の脂と合わせることで、単独の味噌汁とは違う厚みが生まれ、丼全体に一体感が出る。
なぜこの形になったのか
加賀味噌は加賀藩の時代から長きにわたり、保存のきく食品として地域に根づいてきたと伝わる。寒冷な北陸で発酵食品が発達した土地の生活習慣が、昭和後期に広がった味噌ラーメンの流れと交わり、地元の味噌をそのまま看板にする一杯が生まれたと考えられる。金沢を中心に加賀地方一帯で親しまれ、地元の味噌蔵の仕事がそのまま一杯の個性になっている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ石川県
- あいまぜ能登の赤土で育つ大根や人参などの根菜を細く刻み、油揚げとともに煎り煮にする。正月やハレの日に作り置きされてきたとされ、使う野菜は土地ごとに違い見た目や味に地域性が出る。
- べか鍋ぬか漬けにしたイワシ(コンカイワシ)を、白菜やきのこと酒粕で煮込む能登の冬鍋。冷蔵技術のない時代の保存食が発祥とされ、大衆魚だったことから「今日も食べっか」が名の由来ともいわれる。
- 大根ずし大根と身欠きニシンを米麹で漬け込む、加賀地方の発酵ずし。北前船が運んだニシンが庶民の手に届いたことで根づいたとされ、かぶらずしと並んで石川の正月に欠かせない、酸味の穏やかな発酵の味として親しまれている。
- えびす煮溶かした寒天にとき卵と砂糖、醤油を流し込んで固める。江戸期の料理書に記される卵寒天がルーツとされ、つるりとした見た目から「べろべろ」とも呼ばれる祝いの日の一品。
- 五色生菓子太陽・月・山・海・里に見立てた五種の餅や饅頭を菓器に詰める、金沢の婚礼菓子。加賀藩主に輿入れした珠姫のために献上されたのが始まりと伝わり、いまも祝いの返礼として配られる。