酒 ── 日本酒
石川の酒
Ishikawa no Sake
能登半島の珠洲市周辺を発祥とする能登杜氏の土地。農業に不向きな土地から近畿地方へ酒造りの出稼ぎに出た「能登衆」の系譜とされ、味の濃い酒質を特徴とする「能登流」として知られてきたという。
- 発祥: 石川県珠洲市
- 東京から北西へ約300km
石川県珠洲市
何でできているか
石川の酒どころとしての性格は、能登杜氏という杜氏集団の技術に強く結びついているとされる。石川県能登半島の先端付近、珠洲市や内浦町(現・能登町)周辺を発祥地とする集団で、その造りは「能登流」と呼ばれ、味の濃い酒質を特徴とする製成酒を生んできたと伝わり、厳しい冬を越す杜氏の経験がその濃さを支えてきたという。
どう作るのか
農業に不向きな地域の人々が、農閑期に近畿地方へ酒造りの出稼ぎに出て「能登衆」と呼ばれたのが始まりとされる。江戸時代後期に技能集団として発祥し、明治時代には大津に職業斡旋所も設けられ、後の鉄道網の発展とともに活動地域が全国へと広がっていったといい、能登の外へ出た杜氏も少なくなかったと伝わり、各地でその濃醇な酒質が評価されてきたという。
なぜこの形になったのか
能登半島の先端は農地に乏しく、冬の農閑期に働き口を求めて他地域へ出る必要があったことが、出稼ぎ杜氏という形を生んだとされる。昭和初期には登録された杜氏だけで400名を超える規模に達したと伝わり、味の濃い酒質という個性を保ちながら、各地の蔵で技術を発揮してきたといい、能登半島という土地の厳しさが技術の礎になったとされ、今も濃醇な酒質を守る蔵が各地に残っているという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ石川県
- あいまぜ能登の赤土で育つ大根や人参などの根菜を細く刻み、油揚げとともに煎り煮にする。正月やハレの日に作り置きされてきたとされ、使う野菜は土地ごとに違い見た目や味に地域性が出る。
- べか鍋ぬか漬けにしたイワシ(コンカイワシ)を、白菜やきのこと酒粕で煮込む能登の冬鍋。冷蔵技術のない時代の保存食が発祥とされ、大衆魚だったことから「今日も食べっか」が名の由来ともいわれる。
- 大根ずし大根と身欠きニシンを米麹で漬け込む、加賀地方の発酵ずし。北前船が運んだニシンが庶民の手に届いたことで根づいたとされ、かぶらずしと並んで石川の正月に欠かせない、酸味の穏やかな発酵の味として親しまれている。
- えびす煮溶かした寒天にとき卵と砂糖、醤油を流し込んで固める。江戸期の料理書に記される卵寒天がルーツとされ、つるりとした見た目から「べろべろ」とも呼ばれる祝いの日の一品。
- 五色生菓子太陽・月・山・海・里に見立てた五種の餅や饅頭を菓器に詰める、金沢の婚礼菓子。加賀藩主に輿入れした珠姫のために献上されたのが始まりと伝わり、いまも祝いの返礼として配られる。
- UFOラーメンUFO目撃伝説で知られる石川県羽咋市の「はくいUFOグルメ」の一杯。すし店から洋食店まで複数の飲食店が参加し、醤油だれのスープにUFOをかたどった具材を添える。丼の上に羽咋という土地の物語が重なるとされる。