ごはんもの ── 丼物
海鮮丼
Kaisendon
新鮮な魚介の刺身を丼飯に盛り合わせた料理。冷蔵・輸送技術が発達した戦後に各地へ広まったとされ、白飯と酢飯のどちらを使うか店や地域で分かれるなど、統一された型を持たない。発祥地は諸説あり、一説には北海道(函館・釧路)の食堂発祥ともいわれ、江戸前ちらし寿司から派生したとする見方もあるが、特定の起源地は定まっていない。
何でできているか
白飯か酢飯の上に、その日仕入れた魚介の刺身が彩りよく盛られる。どの魚をどう組み合わせるかは店や地域で自由で、寿司のように一つの完成形を持たないのが海鮮丼という料理の特徴といえる。盛り付けの彩りそのものが、その日の仕入れを映す鏡になっている。季節や漁の状況によって中身は日々変わり、二つと同じ丼はないともいえる。
どう作るのか
店ごとに仕入れた旬の魚介を切り分け、丼飯の上に盛り付けるだけのシンプルな調理。冷蔵・輸送技術が発達した戦後に各地へ広まったとされ、酢飯を使うか白飯を使うかも地域や店によって分かれている。仕入れ先が近ければ近いほど鮮度の差がそのまま味の差として表れ、盛り付けの順序や量にも店ごとの個性がそのまま表れる。
なぜこの形になったのか
なぜ全国区の丼になったのかは一様ではなく、冷蔵・輸送網が整った戦後に広まったとする説と、江戸前ちらし寿司から派生したとする見方がある。市場の街で名物とされるのは水揚げしたばかりの魚介をその場で仕入れられる立地のためで、釧路の「勝手丼」や小樽・函館の市場も、仕入れと提供が同じ場所で完結する構造を土台にしていると考えられる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
本場
- 北海道 釧路市 本場
釧路の和商市場では、市場内で好みの魚介を選んでご飯にのせる「勝手丼」の食べ方が根付いており、水揚げに近い市場でそのまま鮮魚を丼にできる環境が土台にあるとされる。
- 北海道 小樽市 本場
小樽駅前の三角市場は鮮魚店が軒を連ねる市場で、店先で買った魚介をその場で調理してもらいオリジナルの丼を作れる構造になっており、仕入れと提供が同じ場所で完結する点が背景にあるとされる。
- 北海道 函館市 本場
函館朝市は函館駅・函館港に近い立地で戦後まもなく発展した市場で、1956年創業のきくよ食堂など、水揚げされた魚介をそのまま丼で提供する食堂が集積しているとされる。
- 石川県 金沢市 本場
金沢の近江町市場は金沢中央卸売市場に近く、市場内の海鮮丼専門店には毎朝せり場に足を運んで地元産の魚介を仕入れる店もあり、仕入れ先との近さが提供につながっているとされる。