甘味
五色生菓子
Goshiki Namagashi
太陽・月・山・海・里に見立てた五種の餅や饅頭を菓器に詰める、金沢の婚礼菓子。加賀藩主に輿入れした珠姫のために献上されたのが始まりと伝わり、いまも祝いの返礼として配られる。
- 発祥: 石川県金沢市
- 東京から西へ約300km
石川県金沢市
何でできているか
太陽、月、山、海、里という五つの意味を持たせた五種の生菓子を、菓器に詰めて供する祝い菓子。丸餅や饅頭、ようかんなど形も色もそれぞれ異なり、赤い米粉をまぶした餅、黄色い餅米の餅、こしあん入りのひし形餅などが色鮮やかに並ぶとされる。ひとつひとつの素朴な甘さと餅のやわらかな食感を存分に楽しめる菓子だという。
どう作るのか
菓器から生菓子を取り出して、そのまま食べる。菓器に詰められた餅やまんじゅうは色あざやかな配色になっており、祝いごとの返礼として丁寧に配られるという。かつては菓器を五段重ねにした蒸籠を家の門前に置き、式典後に配るしきたりがあったとされ、現在では5個から10個ほどをいただく場合が多いと今もなお伝わっている。
なぜこの形になったのか
城下町として栄えた土地に伝わる婚礼の祝い菓子として広まったとされる。太陽や月、山、海、里という森羅万象を五つの菓子に見立てた発想が、菓子の意味づけとして大切に受け継がれてきたと伝わり、菓器の見た目にまでこだわり抜いた献上の心が、今日のこの祝い菓子の形をゆっくりと静かに丁寧に作り上げたと伝わっている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ石川県
- あいまぜ能登の赤土で育つ大根や人参などの根菜を細く刻み、油揚げとともに煎り煮にする。正月やハレの日に作り置きされてきたとされ、使う野菜は土地ごとに違い見た目や味に地域性が出る。
- べか鍋ぬか漬けにしたイワシ(コンカイワシ)を、白菜やきのこと酒粕で煮込む能登の冬鍋。冷蔵技術のない時代の保存食が発祥とされ、大衆魚だったことから「今日も食べっか」が名の由来ともいわれる。
- 大根ずし大根と身欠きニシンを米麹で漬け込む、加賀地方の発酵ずし。北前船が運んだニシンが庶民の手に届いたことで根づいたとされ、かぶらずしと並んで石川の正月に欠かせない、酸味の穏やかな発酵の味として親しまれている。
- えびす煮溶かした寒天にとき卵と砂糖、醤油を流し込んで固める。江戸期の料理書に記される卵寒天がルーツとされ、つるりとした見た目から「べろべろ」とも呼ばれる祝いの日の一品。
- UFOラーメンUFO目撃伝説で知られる石川県羽咋市の「はくいUFOグルメ」の一杯。すし店から洋食店まで複数の飲食店が参加し、醤油だれのスープにUFOをかたどった具材を添える。丼の上に羽咋という土地の物語が重なるとされる。
- はす蒸しすりおろした加賀れんこんに白身魚やエビを加えて蒸す。でんぷん質の多い加賀れんこんはつなぎを使わずとも粘りが出るとされ、もっちりとした食感にとろりとしたあんをかけて食べる。