土地
長崎県
39件
●生まれた料理 35件(五島うどん、鼻はじき、ハトシ ほか)・●育てる食材 2件(長崎和牛、長崎対馬地どり)・●仕込む 2件(アルマド、壱岐焼酎)・○本場 2件
この土地で生まれた35
- 五島うどんGoto Udon長崎県新上五島町で作られる手延べうどん。遣唐使が伝えた製法が起源とされ、島の椿油を使って延ばすことでコシとつるりとした喉ごしが生まれる。
- 鼻はじきHanahajikiきゅうりやにんじん、厚揚げ、エビなどを短冊状に切って皿に放射状に並べ、辛子酢みそをつけて食べる料理。諫早地区に伝わり、辛子が鼻をツンとはじくことが名の由来とされ、法事の精進料理とされてきたという。
- ハトシHatoshi食パンでエビとイカのすり身を挟んで揚げた長崎の郷土料理。明治時代に中国から伝わったとされ、卓袱料理の一皿から市中で親しまれる郷土食に育っていったと伝わる、開港地らしい一品である。
- ヒカドHikado魚や鶏肉と大根、にんじんなどの野菜を細かく切って煮込み、すりおろしたさつまいもでとろみをつけた料理。長崎に滞在したポルトガル人の肉のシチューが起源とされ、名はポルトガル語の「刻む」に由来するという。
- ひきとおしHikitoshi自宅で飼っていた鶏をさばいてつくる壱岐の鍋料理で、コクの強い壱州豆腐とかために茹でたそうめんを加えるのが定番という。来客をもてなす奥座敷の鍋がはじまりとされ、「引き通し」が名の由来とされる。
- あごだしラーメンAgodashi Ramen醤油長崎県平戸市の生月島を発祥とするラーメン。あご(飛魚)の焼き干しでとった出汁を軸にした醤油ベースのスープで、あごだし文化が根づく長崎県内の広い地域で食べられている。
- いぎりすIgirisu乾燥したイギス藻を煮溶かし、キクラゲや豆腐、にんじんなどの具を流し込んで固めた寒天状の料理。愛媛県今治地方のいぎす豆腐がルーツとされ、島原の乱後に四国から移住した人々が伝えたという。
- いりやきIriyaki地鶏または近海の魚を椿油で煮た寄せ鍋で、冠婚葬祭でもてなしのためにつくられてきたとされる。具を食べ終えたスープに、対馬特産の対州そばやそうめんを入れて食べるのが地元流という。
- 鶏飯Keihan自宅で育てた鶏をさばき、米と炊き合わせるだけの素朴な混ぜご飯。諫早市目代地区に伝わり、正月や盆に男衆がつくるのが習わしとされ、地元では鶏を意味する「とい」から「といめし」とも呼ばれるという。
- 地獄炊き(五島うどん・島原そうめん)Jigokudaki乾麺の五島うどんを鉄鍋でぐつぐつと茹で、トビウオでとった「あごだし」につけて食べる食べ方。遣唐使が製法を伝えたとの説がある五島の特産麺で、島原そうめんも同様に薬味でゆでたてを楽しむという。
- かんころ餅Kankoro Mochi薄くスライスして天日干ししたさつまいも「かんころ」を、もち米と合わせてつきあげた餅。高価なもち米を節約しながら家族全員が食べられる冬の保存食として、五島地方の各家庭でつくられてきたという。
- かんざらしKanzarashi白玉粉でつくった小さな団子を島原の湧水で冷やし、砂糖やはちみつの蜜をかけて食べる冷たい菓子。1792年の島原大変で湧き出た地下水を生かした知恵とされ、かつては夏のもてなし用の菓子だったという。
- カステラKasutera饅頭・焼き菓子小麦粉と卵、砂糖と水飴だけで作る厚みのあるスポンジ状の焼き菓子。16世紀にポルトガルから長崎へ伝わった南蛮菓子が起源とされ、長崎の菓子職人が日本人の味覚に合わせて作り替えていったと伝わる。
- 鯨じゃがKujira Jaga市販の塩鯨とじゃがいも、たまねぎ、糸こんにゃくを煮込んだ肉じゃが風の料理。捕鯨の中心地だった彼杵に由来する鯨食文化を背景に、近代以降に広まった肉じゃがへ鯨肉を取り入れてつくられたという。
- くりつぼKuritsubo鶏もも肉やにんじん、れんこん、里芋などの根菜を、栗の甘露煮とともに麦味噌や醤油で煮た川棚町・東彼杵町の煮物。「栗」と、盛る椀を坪に見立てた「つぼ」が名の由来とされ、祭りのごちそうとして伝わる。
- 押し寿司(もろぶた寿司)Morobuta Zushi浅い木箱「もろぶた」でシャリと具を挟んで押しかためた寿司。大村寿司と同じ由来を持つとされ、佐々町の近くで獲れる鯛を必ず具に入れ、大村寿司よりやや甘めの味付けにするという。
- 長崎ちゃんぽんNagasaki Champon1899年(明治32年)、福建省出身の陳平順が四海樓を創業する中で、留学生や華僑向けに安く栄養価の高い麺料理として考案した。商標登録をせずに広めたことが、長崎の飲食店に同種の麺料理が広がる土台になった。
- 長崎ミルクセーキNagasaki Milk Seeki牛乳と卵、砂糖、砕いた氷を合わせてつくる、スプーンで食べるシャーベット状の冷菓。大正末期から昭和初期、長崎市の喫茶店『ツル茶ん』が夏の暑さをしのぐためにつくったのが始まりとされる。
- 長崎天ぷらNagasaki Tempura魚介や野菜に砂糖や酒を加えた小麦粉の衣をつけ、カリッと揚げるフリッターに近い料理。南蛮貿易のポルトガル人が食べていた味付き衣の揚げ物が原型とされ、衣自体に味があるため天つゆをつけずに食べる。
- ぬっぺNuppe里芋を中心とした根菜とこんにゃく、厚揚げ、鶏肉を煮込んだとろみのある煮物。諫早地区に伝わり、法事の精進料理として供されてきたとされる。日本各地の「のっぺ」「ぬっぺい」と同系統の料理という。
- 小浜ちゃんぽんObama Champonかつて長崎市の茂木港と雲仙市小浜港は航路で結ばれ、長崎から温泉目当てに訪れる人々の往来が続いた。その交流の中でちゃんぽんの食文化が自然に小浜へ根付いたのがルーツとされ、今では温泉街の約10店舗で提供される。
- ピーナッツ豆腐Piinattsu Doufu島の特産である落花生をすり潰し、葛粉と合わせて練り固めた小値賀島の郷土食。ご飯のおかずには柚子味噌を添え、黒蜜やきなこ砂糖をかければスイーツにもなるという、赤土と潮風が育てた落花生を生かす一品。
- にごみNigomi鶏肉や落花生、厚揚げ、根菜などを1cm角に細かく刻んで甘めに煮込む大村市の煮物。落花生の名産地に江戸時代から伝わるもてなし料理とされ、具材を細かく切るのは無駄をなくす知恵ともいわれる。
- 大村寿司Omura-zushi白身魚のそぼろやかんぴょう、錦糸卵を重ね、木枠で押し固める長崎県大村市の押し寿司。城を奪還した兵に振る舞われたという言い伝えを持ち、酢飯には控えめな甘みが効いている。
- パスティーPasutii鶏ガラスープで煮込んだ鶏肉や山芋、しいたけなどを大鉢に盛り、パイ生地をかぶせて焼き上げる料理。鎖国時代に出島に出入りしたオランダ人から伝わったとされ、中国由来の具材と和風の味付けが同居する。
- ろくべえ/六兵衛Rokubeeさつまいもの粉末を山芋でつないでうどん状にし、すまし汁で食べる麺料理。1792年の眉山崩壊による飢饉の際、深江村の六兵衛という人が保存食のさつまいも粉を使って考案したのが始まりと伝わる。
- 皿うどんSara Udonちゃんぽんと同じ具材を使い、太麺を汁がなくなるまで炒めるか、細く揚げた麺に五目あんかけをかける麺料理。1899年、ちゃんぽんを考案した中華料理店の店主が汁なしのちゃんぽんとしてつくったのが始まりとされる。
- レモンステーキRemon Suteki薄切りにした牛肉を鉄板で焼き、レモン果汁を加えた醤油ベースのソースを絡めるステーキ。戦後の米軍基地でアメリカンステーキが流行した佐世保で、1955年頃に洋食店の兄弟が和風にアレンジしたのが始まりという。
- 具雑煮/島原具雑煮Guzoni丸餅に鶏肉や白菜、根菜、高野豆腐などを土鍋でだしとともに炊き、そのまま食べる具だくさんの雑煮。島原の乱で籠城した天草四郎の一党が兵糧と山海の幸を煮て食したのが始まりと伝わるという。
- 島原手延そうめんShimabara Tenobe Somen寛永14年(1637年)の島原の乱で人口が激減した後、幕府の移民政策で移り住んだ人々によってそうめん作りが伝えられたとされる。出身地は小豆島説・三輪説など諸説あり断定できる史料はまだ見つかっていないが、文化年間(1804〜1818年頃)に産地としての形が整った。
- 対州そばTaishu Soba長崎県対馬に伝わる、小粒な在来種のそばという。離島ゆえに他品種との交雑が少なく原種の性質を保ち、打つと強いコシとほのかな苦みが出るとされる。2018年にはそばで日本初のGI登録を受けた。
- つぼ汁Tsubojiruもめん豆腐やごぼう、干ししいたけ、こんにゃくを細かく切り、醤油や塩、砂糖でシンプルに味付けした精進汁。西海市雪浦地区に伝わり、法事の席で出されてきたとされる。盛る椀を坪に見立てて名がついたという。
- トルコライスToruko Raisuライスピラフとナポリタン、とんかつを一皿に盛り合わせた長崎発祥の洋食。名前の由来には諸説あり、トルコの米料理説や三色の盛り付け説などが伝わる。盛り付けの配置は店ごとに個性が出るという。
- 浦上ソボロUrakami Soboro細切りにした豚肉を揚げかまぼこや糸こんにゃく、もやしなどと炒め合わせた料理。1500年代後半、肉食の習慣がなかった信徒に「健康にいい食べ物」として布教者が広めたのが始まりと伝わるという。
- 茹で干し大根とかんぼこの煮物Yudehoshi Daikon to Kanboko no Nimono大根を短冊に切って茹で、断崖の干し場で天日干しにした「茹で干し大根」を、長崎名物の「かんぼこ」(かまぼこ)と煮込む西海市の料理。茹でてから干すため苦みが少なく、味がしみ込みやすいという。
この土地が育てる2
この土地が仕込む2
この土地が本場7
- ヒラマサHiramasa白身名産地ブリに似た姿だが体高があり平たく、夏が旬の高級魚。回遊性が強く黒潮沿いの島嶼部で漁獲されることが多く、寿司職人の間ではその身質からブリより上とされることもある。
- イワシIwashi青魚名産地群れで回遊する小型の青魚で、刺身・梅煮・つみれと安価に食べられる。脂の質は漁場の潮境に左右され、寒流と暖流がぶつかる海域に面した港ほど水揚げ量が多く、乾燥させれば出汁の要となる煮干しになる。
- トビウオTobiuo青魚胸びれを広げて海面を飛ぶように滑空する魚で、あっさりした白身は焼き物になる。傷みが早いため沿岸で獲れてすぐ干して焼く加工が発達し、その乾物はあごだしとして出汁文化を支えている。対馬海流に面し、あごだしの原料として干して焼く「焼きあご」加工の伝統が続く。
- カサゴKasago白身名産地岩礁に棲む頭の大きな魚で、骨から出汁が出るため煮付けや潮汁で丸ごと使われる。動きが少なく居着く性質のため漁場ごとに味の個体差が出やすく、地元で消費される地魚として扱われることが多い。
- ハタHata白身名産地暖かい海に棲む大型魚の総称で、締まった白身は鍋や刺身に向く。水温の高い南方の海域に多く生息するため西日本の漁場で獲れやすく、クエをはじめ種類ごとに珍重される高級魚の一群。
- アオリイカAori Ikaイカ・タコ名産地エンペラ(ヒレ)が胴全体を縁取る大型のイカ。透き通るような身に強い甘みとねっとりした厚みのある食感があり、イカの中でも高値で取引される。刺身や寿司ネタに向き、夏から秋が旬とされる。対馬暖流の影響を受ける温暖な海域が主な漁場の一つとされる。
- 天ぷらTempura魚介や野菜に衣をつけて揚げた料理。16世紀にポルトガルから伝わった南蛮料理が原点とされ、江戸で発展した系統と長崎で根づいた系統とで、衣の作り方が大きく異なるとされる。南蛮貿易の窓口だった長崎では、衣そのものに砂糖や醤油で味をつける独自の天ぷらが根づき、天つゆなしでそのまま食べられる形になったとされる。