麺
小浜ちゃんぽん
Obama Champon
かつて長崎市の茂木港と雲仙市小浜港は航路で結ばれ、長崎から温泉目当てに訪れる人々の往来が続いた。その交流の中でちゃんぽんの食文化が自然に小浜へ根付いたのがルーツとされ、今では温泉街の約10店舗で提供される。
- 発祥: 長崎県雲仙市小浜町
- 東京から西へ約940km
長崎県雲仙市小浜町
系譜
小浜ちゃんぽん
何でできているか
鶏ガラや豚骨でとっただしに、野菜と魚介、練り物をたっぷり炒め合わせて煮込む。長崎ちゃんぽんに連なる具だくさんの一杯だが、温泉街らしくゆっくり味わえる優しい塩梅に仕立てられているのが小浜らしさ。野菜の甘みが強く出て、豚骨の重さをあまり感じさせない優しい一杯に仕上がり、湯気とともに魚介の香りがふわりと立つ。
どう作るのか
野菜や魚介をまず強火で炒めてから白湯だしと合わせて煮込み、太めの中華麺と一緒にひと鍋で仕上げる。長崎から伝わった調理の型を踏襲しつつ、小浜の宿や食堂それぞれが具の組み合わせを工夫して提供している。具材は近隣の海でとれる魚介を中心に季節ごとに入れ替えられ、仕上げに黒胡椒を効かせて味を引き締める店もある。
なぜこの形になったのか
かつて長崎市の茂木港と雲仙市小浜港は航路で結ばれ、長崎から温泉目当てに訪れる人々の行き来が続いた。その日常的な交流を通じてちゃんぽんの食文化が自然に根づいたのが小浜のルーツとされる。宿泊客の入れ替わりとともに、旅館ごとの味も少しずつ形を変えながら受け継がれてきたと考えられ、港町の暮らしそのものが味の器になっている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ長崎県
- アルマド食紅で色付けしたゆで卵をすり身で包んで蒸した練り物で、切り口がピンク色に縁どられるのが特徴。平戸の名物とされ、佐世保では「アリマド」、長崎では「竜眼」と呼ばれる同種の練り物があるという。
- 五島うどん長崎県新上五島町で作られる手延べうどん。遣唐使が伝えた製法が起源とされ、島の椿油を使って延ばすことでコシとつるりとした喉ごしが生まれる。
- 鼻はじききゅうりやにんじん、厚揚げ、エビなどを短冊状に切って皿に放射状に並べ、辛子酢みそをつけて食べる料理。諫早地区に伝わり、辛子が鼻をツンとはじくことが名の由来とされ、法事の精進料理とされてきたという。
- ハトシ食パンでエビとイカのすり身を挟んで揚げた長崎の郷土料理。明治時代に中国から伝わったとされ、卓袱料理の一皿から市中で親しまれる郷土食に育っていったと伝わる、開港地らしい一品である。
- ヒカド魚や鶏肉と大根、にんじんなどの野菜を細かく切って煮込み、すりおろしたさつまいもでとろみをつけた料理。長崎に滞在したポルトガル人の肉のシチューが起源とされ、名はポルトガル語の「刻む」に由来するという。
- ひきとおし自宅で飼っていた鶏をさばいてつくる壱岐の鍋料理で、コクの強い壱州豆腐とかために茹でたそうめんを加えるのが定番という。来客をもてなす奥座敷の鍋がはじまりとされ、「引き通し」が名の由来とされる。