惣菜
浦上ソボロ
Urakami Soboro
細切りにした豚肉を揚げかまぼこや糸こんにゃく、もやしなどと炒め合わせた料理。1500年代後半、肉食の習慣がなかった信徒に「健康にいい食べ物」として布教者が広めたのが始まりと伝わるという。
- 発祥: 長崎県長崎市
- 東京から西へ約970km
長崎県長崎市
何でできているか
細切りにした豚肉と、揚げかまぼこ、糸こんにゃく、もやし、人参、ごぼうを炒め煮にした、そぼろという名でも挽肉を使わない一皿となっている。酒やみりん、醤油、時に出汁も使うため煮物に近い側面もあり、素朴で飽きの来ない味わいと評される。長崎駅の駅弁には豚肉の代わりに鯨肉を使った一折もあり、地域ならではの食材の広がりを見せているという。
どう作るのか
豚肉を細切りにし、揚げかまぼこや糸こんにゃく、もやし、人参、ごぼうなどをそろえる。これらを油で炒め合わせ、酒やみりん、醤油で味を調え、出汁を加えて煮絡めながら仕上げる。入れる具材や調味の配分は家庭によってさまざまで、丼にしたり焼きうどんに仕立てたりと、応用のきく一皿にもなるという。豚肉を先に炒めて脂を出してから野菜を加えると、全体にこくが回りやすいとされる。
なぜこの形になったのか
浦上地区でキリスト教を布教していた宣教師が、肉を食べる習慣のなかった信徒に「健康にいい食べ物」として豚肉を食べさせようとしたのが始まりと伝わる。信徒らが次第に豚肉を減らし野菜を多く入れるようになったことが、現在の野菜たっぷりの配合につながったとみられる。名称も、ポルトガル語で余り物を意味する語や、粗く切ることを表す「粗おぼろ」に由来するという説が残っている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ長崎県
- アルマド食紅で色付けしたゆで卵をすり身で包んで蒸した練り物で、切り口がピンク色に縁どられるのが特徴。平戸の名物とされ、佐世保では「アリマド」、長崎では「竜眼」と呼ばれる同種の練り物があるという。
- 五島うどん長崎県新上五島町で作られる手延べうどん。遣唐使が伝えた製法が起源とされ、島の椿油を使って延ばすことでコシとつるりとした喉ごしが生まれる。
- 鼻はじききゅうりやにんじん、厚揚げ、エビなどを短冊状に切って皿に放射状に並べ、辛子酢みそをつけて食べる料理。諫早地区に伝わり、辛子が鼻をツンとはじくことが名の由来とされ、法事の精進料理とされてきたという。
- ハトシ食パンでエビとイカのすり身を挟んで揚げた長崎の郷土料理。明治時代に中国から伝わったとされ、卓袱料理の一皿から市中で親しまれる郷土食に育っていったと伝わる、開港地らしい一品である。
- ヒカド魚や鶏肉と大根、にんじんなどの野菜を細かく切って煮込み、すりおろしたさつまいもでとろみをつけた料理。長崎に滞在したポルトガル人の肉のシチューが起源とされ、名はポルトガル語の「刻む」に由来するという。
- ひきとおし自宅で飼っていた鶏をさばいてつくる壱岐の鍋料理で、コクの強い壱州豆腐とかために茹でたそうめんを加えるのが定番という。来客をもてなす奥座敷の鍋がはじまりとされ、「引き通し」が名の由来とされる。