甘味
へっちょこだんご
Hecchoko Dango
たかきび粉やもちあわ粉など雑穀の団子の中央をへこませ、甘い小豆汁で煮る。「うきうきだんご」とも呼ばれ、収穫後の労をねぎらう「庭じまい」の行事食として、米が育ちにくい県北で作られてきた。
- 発祥: 岩手県
- 東京から北へ約530km
何でできているか
たかきび粉やもちあわ粉、いなきび粉などの雑穀を丸めて中央をへこませ、煮立った甘い小豆汁に入れた、県北地域の郷土料理とされる。たかきび粉には少し苦みがあり、甘い小豆汁とよく合うとされる。へこませることで汁がしみこみやすくなり、煮えると浮いてくることから「うきうきだんご」とも呼ばれるといい、へこみは人間のへそに似ているからとも伝わる。
どう作るのか
たかきび粉、もちあわ粉、いなきび粉をそれぞれ熱湯を入れてこね、団子状にして真ん中をへこませる。水で戻して煮た小豆汁に入れて煮て、浮き上がったら出来上がりとされる。小豆汁の代わりに、大根やにんじん、しいたけなどを入れた味噌や醤油仕立ての汁で食べる「へっちょこだんご汁」もあるといい、雑穀の栽培から収穫まで学ぶ授業でもつくられるという。
なぜこの形になったのか
冷涼な岩手県北部は米が育ちにくく、ヒエやアワ、そばなど雑穀の生産が古くから続けられてきたと伝わる。収穫の終わった庭仕舞い(秋仕舞い)の後に一年の苦労をねぎらう行事食として食され、神様にも供えられたといい、名前の由来にも「へっちょ(苦労)」をねぎらう意味が込められていると考えられ、少し特別なもてなしの菓子でもあったという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ岩手県
- 小豆ばっとう小麦粉を寝かせて幅広のうどん状に切り、ざらめで甘く煮た小豆汁に合わせる。建前や庭じまいの祝いに三陸沿岸地域で作られ、お盆の七日目に7回食べると無病息災とする風習も残る。
- ひなまんじゅう米粉の生地に食紅で色をつけ小豆あんを包み、木型や竹串で花や桃、うさぎなど30種以上の形に整える。花巻市大迫町のひな人形めぐりの風習とともに伝わり、桃の節句に「きりせんしょ」と共に供えられる。
- 氷頭なます鮭の頭の軟骨部分「氷頭」を薄くスライスし、塩をして酢でしめてから大根とにんじんのなますと和える。一尾からわずかしか取れない珍味とされ、宮古湾に鮭が遡上する三陸沿岸で正月料理として伝わる。
- 伝統餅料理あんこやずんだ、くるみ、納豆、雑煮など約300通りの食べ方がある餅料理の総称。仙台藩の命で月2回餅を搗いた風習が根付き、一関では年60回以上餅を食べる「餅暦」と、儀礼作法に則る「餅本膳」が今も残る。
- いもの子汁秋に旬を迎えるさといもを鶏肉や豆腐、大根、にんじんとともに醤油味で煮込む。さといも栽培に適した北上川流域の秋の味覚で、川岸に集まって鍋を囲む「芋煮会」が今も北上市二子地区で受け継がれている。
- 岩中豚東京食肉市場銘柄豚協会が銘柄豚の指定第一号として認定した豚肉。岩手県の牧場でSPF基準の衛生管理のもと飼育され、市場では長く高値で取引されてきたとされる約40年続く銘柄。