生食
みずたたき(とろろ)
Mizu Tataki (Tororo)
山菜「みず」の赤い根元を棒でたたき、包丁で粘りが出るまで刻んで味噌やみりん、醤油で和える。すりつぶせば「みずとろろ」とも呼ばれ、奥羽・北上山系の沢沿いで初夏に採れる山の幸を生かした料理。
- 発祥: 岩手県
- 東京から北へ約460km
何でできているか
山菜「みず」の赤みを帯びた根元の部分をたたいたり刻んだりして味噌やしょうゆなどで味をつけた、奥羽山系・北上山系地域の一品とされる。すりつぶすと「みずとろろ」とも呼ばれ、水分が多く柔らかい茎は独特のぬめりとしゃきしゃきした食感が特徴とされる。5月から10月まで収穫でき、6月のやわらかい時期のものが特に美味しいという。
どう作るのか
みずの根の赤い部分の皮をむき、棒でたたいてから包丁で粘りが出るまで刻む。味噌、みりん、醤油、砂糖を混ぜたもので和え、のりとねぎを刻んで乗せる。すり鉢ですりつぶすと「みずとろろ」になるとされる。おひたしや汁の具、和え物、浅漬け、煮物、炒め物など幅広く調理されるといい、実は漬物にされることもあるという。
なぜこの形になったのか
秋田県との境にある奥羽山系は寒さが厳しく雪が多い地域だが、豊かな山の幸に恵まれ、春は山菜、秋はきのこを活かした郷土料理が多く伝わると伝わる。「みず」は正式名を「ウワバミソウ」といい、湿地に生えることが名の由来とされる。長い収穫期を持つ重宝な山菜として、日々の食卓に取り入れられてきたと考えられ、秋には「むかご」も食べられるという。
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ岩手県
- 小豆ばっとう小麦粉を寝かせて幅広のうどん状に切り、ざらめで甘く煮た小豆汁に合わせる。建前や庭じまいの祝いに三陸沿岸地域で作られ、お盆の七日目に7回食べると無病息災とする風習も残る。
- へっちょこだんごたかきび粉やもちあわ粉など雑穀の団子の中央をへこませ、甘い小豆汁で煮る。「うきうきだんご」とも呼ばれ、収穫後の労をねぎらう「庭じまい」の行事食として、米が育ちにくい県北で作られてきた。
- ひなまんじゅう米粉の生地に食紅で色をつけ小豆あんを包み、木型や竹串で花や桃、うさぎなど30種以上の形に整える。花巻市大迫町のひな人形めぐりの風習とともに伝わり、桃の節句に「きりせんしょ」と共に供えられる。
- 氷頭なます鮭の頭の軟骨部分「氷頭」を薄くスライスし、塩をして酢でしめてから大根とにんじんのなますと和える。一尾からわずかしか取れない珍味とされ、宮古湾に鮭が遡上する三陸沿岸で正月料理として伝わる。
- 伝統餅料理あんこやずんだ、くるみ、納豆、雑煮など約300通りの食べ方がある餅料理の総称。仙台藩の命で月2回餅を搗いた風習が根付き、一関では年60回以上餅を食べる「餅暦」と、儀礼作法に則る「餅本膳」が今も残る。
- いもの子汁秋に旬を迎えるさといもを鶏肉や豆腐、大根、にんじんとともに醤油味で煮込む。さといも栽培に適した北上川流域の秋の味覚で、川岸に集まって鍋を囲む「芋煮会」が今も北上市二子地区で受け継がれている。