土地
高知県
36件
●生まれた料理 31件(チャーテの和え物、中日そば、銀ぶろうずし ほか)・●育てる食材 3件(土佐あかうし、土佐はちきん地鶏、土佐ジロー)・●仕込む 2件(碁石茶、豆腐の梅酢づけ)・○本場 4件
この土地で生まれた31
- チャーテの和え物Chate no Aemono熱帯アメリカ原産のウリ科植物チャーテ(ハヤトウリ)を生のまま和え物にする高知の秋の家庭料理。1株で100個以上実るため自家消費や近所への差し入れに使われ、栽培しやすい山間部で特に親しまれている。
- 中日そばChunichi Soba醤油・味噌・塩・豚骨以外うどんだしに中華麺を合わせた、高知県香南市赤岡町生まれの郷土麺。ちりめんじゃこやとろろ昆布が定番の具で、うどんとラーメンそれぞれの手間を省く工夫から生まれたと伝わる一杯である。
- 銀ぶろうずしGinburo Zushi大豊町西豊永地区で自家用に栽培されてきたいんげん豆「銀ぶろう」を甘く煮て、根菜とともに酢飯に混ぜ込むすし。不老長寿の豆として縁起物とされ、祝宴や祭事のときにつくられてきたという。
- ぐる煮Guruni大根や人参、里芋などの根菜を出汁じゃこと醤油で煮込む冬の総菜。土佐弁で「仲間」を意味する「ぐる」が名の由来とされ、何度も温め直しながら食べる備蓄菜として親しまれてきたという。
- 葉にんにくのぬたHa Ninniku no Nuta刻んですり潰した葉にんにくに味噌や酢、ごま、砂糖を混ぜる高知の伝統的な調味料。朝鮮渡来が由来と伝わり、ブリなど生の魚に醤油の代わりにかけるのが一般的で、地域ごとに呼び名や具材が違うという。
- 淡竹とエンドウの煮物Hachiku to Endo no Nimono身が薄く淡白な淡竹(はちく)を出汁で煮て、実をつけ始めたエンドウを加えて仕上げる高知の初夏の煮物。孟宗竹に続いて出回る淡竹と、同じ頃に収穫期を迎えるエンドウの組み合わせという。
- 半夏だんごHange Dango小麦粉の生地であんこを包み、みょうがの葉で包んで蒸す大豊町の郷土菓子。7月2日の「半夏」に農作業の労をねぎらってつくられ、田んぼの神様にも供えるとされる。「みょうがだんご」とも呼ばれる。
- ひめいちとみかんの辛子煮Himeichi to Mikan no Karashini土佐湾でとれる小魚ヒメイチを、種を抜いた辛子とみかんの皮とともに弱火でじっくり煮る。安価にタイの代役を果たしたとされ、骨まで柔らかくなるため年の暮れに大量につくり保存食にしたという。
- いもの茎の炒め煮Imo no Kuki no Itameniさつまいもの茎(葉柄)を炒めてから出汁で甘辛く煮る高知の常備菜。高温多湿な気候で茂る茎を活かした農家の知恵とされ、彩りに唐辛子を添え、揚げ物を加えてアレンジすることも多いという。
- いもべらあずきImobera Azukiさつまいもを丸ごと煮てから干し、輪切りにしてさらに干した「ゆでべら」を小豆とともに甘く煮る伊野町の菓子。他地域では「東山」と呼ぶ同じ干し芋を使い、農作業の合間のおやつになったという。
- 田舎ずしInaka-zushiみょうがやりゅうきゅう、こんにゃくなど山の幸だけを酢飯にのせる高知県の郷土ずし。海産物が手に入りにくかった山間部で工夫された、魚を使わない珍しいちらしずしとされる。
- いたどりの油いためItadori no Aburaitame山あいに自生するタデ科の若芽「いたどり」の皮をむき、湯通しして酸味を抜いてから油で炒め、醤油と砂糖で味付ける。春にしか採れないため塩漬けや冷凍で保存し、通年食卓にのぼるという。
- かしきりKashikiriかしの実(どんぐり)を粉砕し、水を何度も替えて2日ほどかけて渋抜きしてから練り上げる豆腐状の食品。飢饉の際の救荒食として山間部で広く食べられたが、今では安芸市南部でのみ伝わる貴重な料理という。
- かつおのたたきKatsuo no Tataki3枚におろしたカツオを藁などであぶり、厚めの刺身にして塩を振って手でたたき、柚子酢や醤油のたれをかける。船上のまかないが始まりとされ、皿鉢料理の定番として地域や家庭ごとに味付けが違うという。
- きびなごのほおかぶりKibinago no Hokaburi背開きにして酢でしめたキビナゴで、酢で味付けて炒ったおからを丸めた玉を包む「たまずし」の一種。すしの形が頬かむりした人の頭に見えることが名の由来とされ、宿毛市が特産品としてPRしている。
- きらずもちKirazu Mochiもち米とおから(きらず)を混ぜた生地であんこを包む佐川町尾川地区だけに伝わる菓子。正月前の豆腐づくりで出るおからを使い、縁を「切らず」に通じる縁起物としても振る舞われてきたという。
- こぶずしKobu Zushi芯に具を入れず酢飯を昆布で巻くすしで、県中央部は白い板昆布を使う「板こぶずし」、県西部は黒い昆布を甘辛く煮た「黒こぶずし」に分かれる。冠婚葬祭で客に持たせる折箱にも入るという。
- こんちんKonchinささがきにしたごぼうを中力粉の生地にたっぷり混ぜ、フライパンで両面を焼く大豊町のおやつ。米がとれない時期に主食とされた地粉(中力粉)を用いるとされ、皿鉢料理の一品にもなるという。
- こうし飯Koshimeshiちりめんじゃこや刻んだ魚を炊き込んだご飯に、冬の海に浸かって採る岩のり「めのり」を仕上げに混ぜる大月町の年越し料理。「越しめし」から転じたとされ、年越しそばの代わりに定着していたという。
- 暮れの煮物Kure no Nimonoくじら肉を大根や人参、こんにゃく、糸昆布と煮込む高知の年越し料理。大きなものを食べて「大物になるように」との願いが込められたとされ、捕鯨の町として知られる室戸市がその文化を担ってきた。
- きゅうりと川エビの煮物Kyuri to Kawaebi no Nimono四万十川などでとれる川エビ(テナガエビ)と地這きゅうりを出汁で煮て、水溶き片栗粉でとろみをつける高知の夏の一皿。柴を束ねた仕掛けで獲る伝統漁法が今も伝わり、子どもの川遊びの成果だったという。
- みそカツラーメンMiso Katsu Ramen味噌味噌ベースのスープに一口大のとんかつを乗せた高知のご当地ラーメン。高知で「みそカツ」といえばこのラーメンを指すのが通例で、食堂で人気だったカツ定食から生まれたと伝わる一杯である。
- 蒸し鯛Mushidaiタイの腹に味付けしたおからや人参、しいたけ、卵などを詰めて丸ごと蒸す高知の祝い料理。「おきゃく」と呼ばれる宴席に欠かせない一皿とされ、かつてはどの家にも専用のセイロがあったという。
- 鍋焼きラーメンNabeyaki Ramen醤油土鍋で煮立てたまま出す親鶏の醤油ラーメン。生卵とちくわを落とす。
- ねぎとさつまいものぬたNegi to Satsumaimo no Nutaゆでたねぎとさつまいもを白味噌ベースの酢味噌で和える南国市の一皿。定番の「ねぎといかのぬた」のイカをさつまいもに置き換えたとされ、地場産品を生かした料理研究から生まれたという。
- りゅうきゅうの酢の物Ryukyu no Sunomonoハスイモの葉柄「りゅうきゅう」を塩もみし、柚子酢に浸したタチウオなどの魚としょうが、ごまで和える高知の夏の定番。名は沖縄伝来の説があるが定かではないとされ、地域で使う魚が違うという。
- さばの姿ずしSaba no Sugata Zushiサバを背開きにして塩と酢でしめ、腹に酢飯をぎっしり詰めて頭と尾を立てて仕上げる皿鉢料理の定番。京都のさばずしより酢と塩を効かせた味付けとされ、脂の少ないゴマサバの持ち味に合わせているという。
- 皿鉢料理Sawachi Ryori36〜39cmほどの大皿に刺身やかつおのたたき、すし、煮物、揚げ物などを盛り合わせる高知の宴会様式。「おきゃく」と呼ぶ客をもてなす場で振る舞われ、皿の枚数で宴の規模がわかるとされる。
- 田芋のころばしTaimo no Korobashi里芋を高知では田芋と呼び、醤油と砂糖でじっくり煮詰めてから炒りごまをまぶす佐川町の郷土料理。ごまの上で芋を転がすことが名の由来とされ、子孫繁栄の縁起物として皿鉢料理にも加わるという。
- つがに汁Tsugani Jiru四万十川などに棲むモクズガニ「ツガニ」を生きたまま甲羅ごと粉砕し、その出汁でなすやりゅうきゅうを煮る高知の秋の汁物。産卵で川を下る秋が旬とされ、資源保護のため禁漁期間が設けられている。
- ぜんまいの炒め煮Zenmai no Itameniゆでて天日干しを何度も繰り返した乾燥ぜんまいを戻し、油揚げと炒め煮にする大豊町の郷土料理。繰り返しの乾燥で繊維が柔らかくなるとされ、皿鉢料理の一品としてもよく登場するという。
この土地が育てる3
- 土佐あかうしTosa Akaushi和牛4品種のうち褐毛和種・高知系と呼ばれる系統で、高知県内でしか改良されていない。赤褐色の被毛が特徴で、28か月ほどかけて肥育され、赤身の旨みとジューシーさを持つとされる。
- 土佐はちきん地鶏Tosa Hachikin Jidori高知原産の土佐九斤と大シャモ、白色プリマスロックを掛け合わせて高知県畜産試験場が完成させたとされる。「はちきん」は高知の快活な女性を指す方言に由来するという。飼育期間は80日という。
- 土佐ジローTosa Jiro国の天然記念物「土佐地鶏」の雄とロードアイランドレッドの雌を交配して生まれたとされる小柄な地鶏。1980年代から高知県内で飼育が広がり、120〜150日かけて育てられるという。
この土地が仕込む2
この土地が本場6
- カツオKatsuo赤身黒潮に乗って北上する回遊魚で、初夏の初鰹はあっさりと脂が少なく、秋に南下する戻り鰹は脂がのって濃厚になる。藁の香ばしさをまとわせた「たたき」や刺身で食べられ、黒潮に近い港ほど鮮度と旨みが際立つとされる。黒潮が沖合を通る土佐湾で、一本釣り漁が伝統的に盛んで、藁焼きたたきの発祥地とされる。
- カンパチKanpachi白身名産地ブリに似るが身が締まり脂は控えめな高級魚で、夏が旬とされる。天然物は黒潮に近い海域で獲れ、養殖物は穏やかな湾内で育てられるため、産地によって身の締まりと脂のりの傾向が異なるとされる。
- アユAyu川魚清流の石についた苔を食む川魚で、西瓜に似た独特の香りを持つ。塩焼きや友釣りの対象として夏を代表し、水の透明度が高い川ほど香りが際立つとされ、清流の名を冠したブランド鮎も多い。「最後の清流」と呼ばれる四万十川で、伝統漁法の柴漬け漁や火振り漁によるアユ漁が続く。
- クエKue白身「幻の魚」とも呼ばれる大型のハタ科の魚で、冬に旬を迎え鍋や刺身で高値がつく。黒潮に面したリアス式の岩場は稚魚の隠れ場となるため、天然物も養殖物もその海域の産地が中心となっている。柏島周辺の黒潮に面したリアス式海岸が漁場・養殖場となり、クエの一大産地として知られる。
- ウツボUtsuboほかの系統見た目は獰猛だが、高知など一部地域では郷土料理として親しまれる魚で、から揚げやたたきで食べられる。硬い皮を持つため下処理に技術が要り、黒潮に近い漁場を持つ土地ほど食べる文化が根付いてきた。黒潮に面した漁場が近く、硬い皮を活かすから揚げなど独自の下処理技術が郷土料理として根付いた。
- 鰹節Katsuobushi名産地鰹を煮て燻し乾燥させた加工品で、削り節やおかかとしてご飯や料理に使われる。荒節・裸節・枯節と段階を経るごとに旨味が凝縮されていくとされ、和食のだし文化を支えてきた食材という。1600年代半ば、紀州の甚太郎がこの地の宇佐浦で鰹節の燻製法を考案し、土佐の与市が改良して現在に近い製法を完成させたと伝わる、鰹節製法発祥の地とされる。