惣菜
いもの茎の炒め煮
Imo no Kuki no Itameni
さつまいもの茎(葉柄)を炒めてから出汁で甘辛く煮る高知の常備菜。高温多湿な気候で茂る茎を活かした農家の知恵とされ、彩りに唐辛子を添え、揚げ物を加えてアレンジすることも多いという。
- 発祥: 高知県
- 東京から西へ約620km
何でできているか
シャキシャキとした歯ごたえが持ち味で、だしと醤油の甘辛い味がよく染みる炒め煮である、といわれる。使うのはさつまいもの葉と茎をつなぐ「葉柄」の部分で、蔓状に伸びた先の柔らかいところを選ぶ。高知は高温多湿で夏になると畑にさつまいもの茎が旺盛に茂ることから、農家がこれを食用に用いたのが広まりの始まりとされ、いまでは下処理済みの茎がスーパーでも売られているという。
どう作るのか
さつまいもの茎の皮をはいで下ゆでし、鍋で軽く炒める。だし汁を加えて煮て、砂糖や醤油などの調味料で味をととのえれば出来上がる。仕上げに小口切りの赤唐辛子を添えることもあるという。高知県では魚のすり身の揚げ物を「てんぷら」と呼び、これを加えてアレンジすることも多いとされ、彩りに五目ずしの具として使われることもある。
なぜこの形になったのか
夏野菜が手に入りにくくなる端境期に食べられてきたとされ、戦時中はおやつ代わりにもなったと伝わる。農家の主婦が皮をはいだ茎を曜市で売り、家計を支える副収入にしていたことから、いまも年配者の間では散財のあとに「いもの茎をはごう」という言い回しが残っているという。農村から都市部へ人が流れ込むにつれ、家庭料理として広く定着していったとされる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
使われる
同じ高知県
- チャーテの和え物熱帯アメリカ原産のウリ科植物チャーテ(ハヤトウリ)を生のまま和え物にする高知の秋の家庭料理。1株で100個以上実るため自家消費や近所への差し入れに使われ、栽培しやすい山間部で特に親しまれている。
- 中日そばうどんだしに中華麺を合わせた、高知県香南市赤岡町生まれの郷土麺。ちりめんじゃこやとろろ昆布が定番の具で、うどんとラーメンそれぞれの手間を省く工夫から生まれたと伝わる一杯である。
- 銀ぶろうずし大豊町西豊永地区で自家用に栽培されてきたいんげん豆「銀ぶろう」を甘く煮て、根菜とともに酢飯に混ぜ込むすし。不老長寿の豆として縁起物とされ、祝宴や祭事のときにつくられてきたという。
- 碁石茶高知県大豊町に伝わる、カビ付けと乳酸発酵という二段階の発酵を経て作られる後発酵茶。四角く切った茶葉を天日で干した見た目が碁石に似ることからその名がついたとされ、甘酸っぱい独特の風味を持つという。
- ぐる煮大根や人参、里芋などの根菜を出汁じゃこと醤油で煮込む冬の総菜。土佐弁で「仲間」を意味する「ぐる」が名の由来とされ、何度も温め直しながら食べる備蓄菜として親しまれてきたという。
- 葉にんにくのぬた刻んですり潰した葉にんにくに味噌や酢、ごま、砂糖を混ぜる高知の伝統的な調味料。朝鮮渡来が由来と伝わり、ブリなど生の魚に醤油の代わりにかけるのが一般的で、地域ごとに呼び名や具材が違うという。