惣菜
奈良のっぺい
Nara Noppei
里芋や大根、ニンジンを昆布と干しシイタケのだしで煮込み、里芋の煮くずれで自然にとろみをつけた奈良の精進煮もの。春日大社のおん祭に先立つ大宿所祭で、大和士や参拝者にふるまわれてきたとされる。
- 発祥: 奈良県奈良市
- 東京から西へ約380km
奈良県奈良市
系譜
奈良のっぺいエイの煮こごり
何でできているか
里芋や大根、ニンジン、厚揚げ、干しシイタケ、こんにゃくを煮込んだ具だくさんの煮物で、奈良県全域に伝わる。昆布と干ししいたけの戻し汁をだしに使う精進料理で、里芋が煮崩れて自然なとろみがつくのが持ち味となっている。全国に「のっぺ」はあるが、奈良のっぺはこの精進だしが特徴とされる。寒い日は汁を多めにして汁物として食べても、そのまま煮ものとして食べてもよいとされる。
どう作るのか
昆布と干ししいたけのもどし汁をだし汁にし、里芋、大根、ニンジン、厚揚げ、こんにゃくを加えて煮る。里芋のでんぷんでとろみがつき、寒い日は汁を多めにして汁物として食べることもある。昆布と干ししいたけだけのだし汁ではあるが、野菜の旨味がしっかりと感じられるという。厚揚げは大きめに切って加えることが多く、食べ応えのある一品に仕上がるという。
なぜこの形になったのか
毎年12月に春日大社で営まれる「おん祭」の前日、身を清める神事に集まった人々に「奈良のっぺ」がふるまわれてきたとされる。おん祭はもともと平安時代に、飢饉や疫病がはやる中で民の平安を願って始められたと伝わり、奈良の一年を締めくくる祭りとして続いている。この時期になると、料理に使う厚揚げが店先に並ぶという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ奈良県
- あまごの甘露煮渓流の女王とも呼ばれるアマゴを素焼きにし、ほうじ茶で煮てから醤油とみりんで甘辛く煮含める吉野郡・宇陀郡の料理。クセのない川魚とされ、古くから家庭で作られてきたおふくろの味という。
- 飛鳥鍋鶏肉と季節の野菜を牛乳とだし汁で煮込む明日香村の鍋。飛鳥時代に唐からもたらされた乳製品が宮中に伝わり、後に飼っていた鶏の肉を牛乳で煮た精進料理が起源とされ、昭和初期に今の形になったという。
- 鮎寿司吉野川流域で作られる、アユを姿のまま酢飯にのせて押した寿司。川の石の藻を食べて育つアユは「香魚」と呼ばれ、歌舞伎の演目に登場する鮨屋が奈良に実在したことから知られるようになったとされる。
- でんがら餡を包んだ餅を朴の葉でくるんで蒸す東吉野村・川上村の菓子。男の子の立身出世や無事な成長を願う端午の節句に作られ、一本の枝から出た葉ひとつひとつに餅を包むため、房のような形になるという。
- 半夏生餅/小麦餅/さなぶり餅夏至から十一日目の「半夏生」の頃、つぶし小麦ともち米をついて作る奈良盆地の餅。小麦の収穫と田植えが一段落する節目に作られ、田の神を送る早苗饗の行事に合わせて食べることから「さなぶり餅」とも呼ばれる。