甘味
半夏生餅/小麦餅/さなぶり餅
Hangesho Mochi
夏至から十一日目の「半夏生」の頃、つぶし小麦ともち米をついて作る奈良盆地の餅。小麦の収穫と田植えが一段落する節目に作られ、田の神を送る早苗饗の行事に合わせて食べることから「さなぶり餅」とも呼ばれる。
- 発祥: 奈良県
- 東京から西へ約380km
何でできているか
つぶした小麦ともち米を混ぜてついた餅で、「小麦餅」とも呼ばれ、奈良県全域に伝わる。小麦の香ばしさともちの弾力が合わさり、粘りすぎずに歯切れよく食べられるのが特徴となっている。田植えを終えた早苗饗の日に食べることから「さなぶり餅」とも呼ばれる。地域によっては、田植えを終えた水田にこの餅を供えるところもあると伝わる。小麦ともち米それぞれの風味が調和した、季節を感じる味わいとなっている。
どう作るのか
つぶし小麦ともち米を混ぜてつく。小麦が入っているぶん粘りが抑えられ、歯切れがよく消化にもよいため、胃もたれしにくいという。一部の農家では、毎年農作業が終わったころにこの餅をつくり、ひと休みするという。つきたては温かいうちに食べても、冷めてから食べてもおいしいとされる。小麦の粒々とした食感も、この餅ならではの魅力とされている。
なぜこの形になったのか
夏至から11日目にあたる「半夏生」の頃、奈良盆地では小麦の収穫と田植えが一段落することから、この餅をついてひと休みしたとされる。田植えを終えて田の神を送り感謝する行事「早苗饗」にも食べられることから「さなぶり餅」とも呼ばれるという。地域によっては、水田にこの餅を供えるところもあると伝わり、和菓子専門店でも購入できるようになっている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ奈良県
- あまごの甘露煮渓流の女王とも呼ばれるアマゴを素焼きにし、ほうじ茶で煮てから醤油とみりんで甘辛く煮含める吉野郡・宇陀郡の料理。クセのない川魚とされ、古くから家庭で作られてきたおふくろの味という。
- 飛鳥鍋鶏肉と季節の野菜を牛乳とだし汁で煮込む明日香村の鍋。飛鳥時代に唐からもたらされた乳製品が宮中に伝わり、後に飼っていた鶏の肉を牛乳で煮た精進料理が起源とされ、昭和初期に今の形になったという。
- 鮎寿司吉野川流域で作られる、アユを姿のまま酢飯にのせて押した寿司。川の石の藻を食べて育つアユは「香魚」と呼ばれ、歌舞伎の演目に登場する鮨屋が奈良に実在したことから知られるようになったとされる。
- エイの煮こごり赤エイを醤油と砂糖で甘辛く煮つけた奈良の料理。ゼラチン質が煮汁に溶け出し、冷めるとゼリー状に固まることから「煮こごり」と呼ばれる。春日大社若宮のおん祭では、のっぺいと共に食べられてきたとされる。
- いもぼたうるち米に里芋を炊き込んでつぶし、小豆あんで包んだ奈良のぼた餅。もち米が貴重だった頃、里芋の粘りでもち米のような食感を出したとされ、収穫を終えた十一月の亥の日に仏壇へ供える地域が多い。