ごはんもの
奈良茶飯
Yamato Chameshi
米と炒った大豆をほうじ茶で炊き込んだ奈良発祥の飯。東大寺の僧坊で食べられていたものが旅人によって江戸に伝わり、浅草の店で評判になったとされるが、当の奈良では明治以降に改めて広まったという。
- 発祥: 奈良県
- 東京から西へ約380km
系譜
奈良茶飯茶粥
何でできているか
米と大豆をほうじ茶で炊き込んだご飯で、奈良県全域で食べられている。香ばしいほうじ茶の香りが米に移り、大豆のほくほくとした食感が加わることで、栄養バランスのとれた食べ応えのある一品となる。米と大豆の腹持ちのよさから、各地に知られるようになったという。米と大豆それぞれの食感の違いも楽しめる、滋味豊かな一品とされる。
どう作るのか
炊飯器に米を入れ、ほうじ茶を目盛りまで注いで大豆を加えて炊く。家庭でつくる際は、大豆を炒る手間を省くため節分に出回るいり豆を使うこともある。東大寺の練行衆の食事として、僧坊で古くから食べられてきたものだという。明治以降に再び奈良で広まり、現在も学校給食などで取り上げられているという。炊き上がりの香ばしい香りも魅力の一つだという。
なぜこの形になったのか
東大寺の「お水取り」で練行衆に供された献立に、茶飯の原点とされる「ゲチャ」があったとされる。奈良で生まれた茶飯は当初庶民には広まらなかったが、これを気に入った旅人が江戸へ持ち帰り、浅草寺周辺に奈良茶飯の店が並ぶほど江戸で評判になったという。米と大豆の栄養バランスのよさと腹持ちのよさから各地に知られるようになり、明治以降に奈良でも再び広まったと伝わる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ奈良県
- あまごの甘露煮渓流の女王とも呼ばれるアマゴを素焼きにし、ほうじ茶で煮てから醤油とみりんで甘辛く煮含める吉野郡・宇陀郡の料理。クセのない川魚とされ、古くから家庭で作られてきたおふくろの味という。
- 飛鳥鍋鶏肉と季節の野菜を牛乳とだし汁で煮込む明日香村の鍋。飛鳥時代に唐からもたらされた乳製品が宮中に伝わり、後に飼っていた鶏の肉を牛乳で煮た精進料理が起源とされ、昭和初期に今の形になったという。
- 鮎寿司吉野川流域で作られる、アユを姿のまま酢飯にのせて押した寿司。川の石の藻を食べて育つアユは「香魚」と呼ばれ、歌舞伎の演目に登場する鮨屋が奈良に実在したことから知られるようになったとされる。
- でんがら餡を包んだ餅を朴の葉でくるんで蒸す東吉野村・川上村の菓子。男の子の立身出世や無事な成長を願う端午の節句に作られ、一本の枝から出た葉ひとつひとつに餅を包むため、房のような形になるという。
- エイの煮こごり赤エイを醤油と砂糖で甘辛く煮つけた奈良の料理。ゼラチン質が煮汁に溶け出し、冷めるとゼリー状に固まることから「煮こごり」と呼ばれる。春日大社若宮のおん祭では、のっぺいと共に食べられてきたとされる。
- 半夏生餅/小麦餅/さなぶり餅夏至から十一日目の「半夏生」の頃、つぶし小麦ともち米をついて作る奈良盆地の餅。小麦の収穫と田植えが一段落する節目に作られ、田の神を送る早苗饗の行事に合わせて食べることから「さなぶり餅」とも呼ばれる。