甘味
蕨餅
Warabi Mochi
蕨粉に水と砂糖を加えて練り、冷やし固めた奈良の和菓子。若草山焼きのあと山肌に群生したワラビが蕨粉の産地となったと伝わり、江戸期の紀行文にも山焼き後の茶屋で扱われていたことが記されているという。
- 発祥: 奈良県奈良市
- 東京から西へ約380km
奈良県奈良市
何でできているか
わらび粉に水と砂糖を加えて練り上げ、冷やし固めた和菓子で、奈良県全域で親しまれている。わらびの根から取れるでんぷんはごくわずかしか採れない貴重なもので、市販品はさつまいもやタピオカ、葛などのでんぷんで代用されることも多いという。添加物を使わない本蕨粉の蕨餅は、今も貴重な和菓子とされている。涼やかな口当たりも持ち味とされている。
どう作るのか
わらび粉、砂糖、水を鍋に入れて火にかけ、焦がさないよう混ぜ続けて半透明にする。弱火のまま透明になるまで練り、器に盛ってきな粉や黒蜜をかけて食べる。特に時期を問わず食べられるが、春から夏にかけてよく食べられているという。宝永6年の参詣記にはすでに「蕨餅の茶屋」の記述があり、古くから名物であったことがうかがえる。
なぜこの形になったのか
若草山の古墳から出るという妖怪を追い払うため、山を焼くとよいという言い伝えがあり、これにならって人々が勝手に火を放つようになったことから、東大寺や興福寺、奈良奉行所が立ち会って山を焼く「若草山焼き」が始まったとされる。山焼きのあとにわらびが多く生え、奈良公園の鹿がわらびを食べなかったことから群生するようになり、わらび粉の産地になったという。江戸時代の参詣記にはすでに「蕨餅の茶屋」の記述があり、古くから名物であったことがうかがえる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ奈良県
- あまごの甘露煮渓流の女王とも呼ばれるアマゴを素焼きにし、ほうじ茶で煮てから醤油とみりんで甘辛く煮含める吉野郡・宇陀郡の料理。クセのない川魚とされ、古くから家庭で作られてきたおふくろの味という。
- 飛鳥鍋鶏肉と季節の野菜を牛乳とだし汁で煮込む明日香村の鍋。飛鳥時代に唐からもたらされた乳製品が宮中に伝わり、後に飼っていた鶏の肉を牛乳で煮た精進料理が起源とされ、昭和初期に今の形になったという。
- 鮎寿司吉野川流域で作られる、アユを姿のまま酢飯にのせて押した寿司。川の石の藻を食べて育つアユは「香魚」と呼ばれ、歌舞伎の演目に登場する鮨屋が奈良に実在したことから知られるようになったとされる。
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- 半夏生餅/小麦餅/さなぶり餅夏至から十一日目の「半夏生」の頃、つぶし小麦ともち米をついて作る奈良盆地の餅。小麦の収穫と田植えが一段落する節目に作られ、田の神を送る早苗饗の行事に合わせて食べることから「さなぶり餅」とも呼ばれる。