肉
銘柄豚
23種
銘柄豚は、血統や飼料、飼育方法によって個性を打ち出した豚肉のブランドで、かごしま黒豚や霧島高原純粋黒豚のように英国由来のバークシャー種を純粋に近い形で育てる系統がある一方、TOKYO Xのように複数の品種を掛け合わせて作られた系統もある。さつまいもやオリーブの搾りかす、緑茶粉末など、肥育後期に与える飼料で肉の個性を作り分ける例も多いという。ここでは血統と飼料による個性の違いを辿る。
土地ごとの料理23
- 愛とんAiton愛知県愛知県が独自に改良した3系統の種豚をもとにした豚。県内ではこれを素材に、みかわポークなど複数の地域銘柄豚が作られているとされ、県産豚肉全体の土台を担う存在とされる。
- 阿波美豚Awa Biton徳島県 阿波市標高400メートルの徳島県阿波市の山中で、米を中心とした飼料を与えて育てる豚。飼育担当者が日々飼料の配合を調整し、ストレスの少ない環境と遺伝子組み換え作物を避ける飼育を心がけているとされる。
- 茶美豚Chamiton鹿児島県緑茶粉末とさつまいもを加えた専用飼料で育てる豚。カテキンとビタミンEの抗酸化作用により、肉の鮮度が保たれ臭みが少なくなるとされ、鹿児島県を中心とした農場で飼育される。
- 大山ルビーDaisen Ruby鳥取県 大山町鳥取県中小家畜試験場が、オレイン酸を多く含む「大山赤ぶた」の雌に黒豚の雄を交配して作出した鳥取県オリジナル品種。両者の脂の質と肉の柔らかさを受け継ぐとされ、大山山麓の名を冠する。
- フジキンカFuji Kinka静岡県 菊川市静岡県が育成した系統豚「フジロック」に、中国浙江省原産の希少品種・金華豚を掛け合わせて作出した、静岡県だけの豚。金華豚のやわらかな肉質とフジロック譲りの霜降りを併せ持つとされる。
- 麓山高原豚Hayama Kogen Buta福島県 川俣町川俣町と二本松市にまたがる麓山山麓に、旧経済連が種豚場を設けたことに始まる豚肉。専用飼料でくせを抑えつつ、ランドレース・大ヨークシャー・デュロックの三元交配で育てられるとされる。
- 北海道ホエイ豚Hokkaido Whey Buta北海道 中札内村チーズ製造の過程で出るホエー(乳清)を飼料に加えて育てる豚。2001年に十勝・中札内村のチーズ工房と養豚農家が始めたとされ、与える量や期間の基準を満たした豚だけが名乗れる。
- 伊勢うまし豚Ise Umashi Buta三重県三重県内の生産者が2002年に一つにまとめた「みえ豚」の飼料をさらに改良し、2016年に生まれた統一ブランド。特産の柑橘「新姫」の果皮や亜麻仁油を加えた飼料で育てられているとされる。
- 岩中豚Iwachu Buta岩手県東京食肉市場銘柄豚協会が銘柄豚の指定第一号として認定した豚肉。岩手県の牧場でSPF基準の衛生管理のもと飼育され、市場では長く高値で取引されてきたとされる約40年続く銘柄。
- 上州麦豚Joshu Mugi-buta群馬県動物性たんぱくを含まず大麦を多く配合した専用飼料で育てる、群馬県の統一銘柄豚。県内の複数の地域銘柄をまとめた枠組みで、大麦の香ばしさとくせのない味わいにつながるとされる。
- かごしま黒豚Kagoshima Kurobuta鹿児島県明治期に英国から導入されたバークシャー種を鹿児島で改良した黒豚。肥育後期にさつまいもを加えた飼料を60日以上与えることで、脂の甘みときめ細かな肉質につながるとされる。
- 霧島高原純粋黒豚Kirishima Kogen Junsui Kurobuta鹿児島県 霧島市農事組合法人の牧場が霧島高原の自然の中で飼育する純粋バークシャー種の黒豚。他品種を交えない血統を保つことが、かごしま黒豚の中でもきめ細かな肉質につながるとされる。
- 京都ぽーくKyoto Poku京都府ランドレースと大ヨークシャーの交雑種にデュロックを掛けた三元豚。大麦やパン粉を加えた飼料で60日以上肥育し、京都市中央卸売市場での格付けを満たしたものだけが名乗れる。
- 能登豚Noto Buta石川県 七尾市石川県内で肥育され、金沢食肉流通センターで処理・格付けされた豚肉。2014年に養豚農家や食肉団体が推進協議会を設立し、統一名称としての普及を進めているとされる。
- あぐーAgu沖縄県琉球王朝時代から沖縄で飼われてきた在来種アグーは、戦後の混血や大型種導入によって数を減らしたとされる。純粋アグーの血を父方に持ち、母方はDNA検査で確認された豚だけが「あぐー」を名乗れる。
- オリーブ夢豚Olive Yumebuta香川県 小豆島町1994年に英国から導入したバークシャー種をもとにした讃岐夢豚に、小豆島のオリーブ加工で出る葉やしぼりかすを加えた飼料を与えて育てる香川県の豚肉。果実由来の甘みが脂に加わるとされる。
- ローズポークRose Pork茨城県茨城県が独自に育成し1979年に日本初の系統豚として認定した「ローズ」を交配に使う三元豚。大麦を多く含む飼料で育てられ、生産者団体の品質基準を満たしたものだけが名乗れる。
- 瀬戸内六穀豚Setouchi Rokkoku-buta広島県とうもろこし・マイロ・米・大麦・小麦・大豆の六種の穀物を配合した飼料で育てる広島県の銘柄豚。県のHACCP準拠農場で一貫生産され、脂の甘みと軽い後味につながるとされる。
- 信州オレイン豚Shinshu Olein Buta長野県専用飼料でオレイン酸の含有率を高めた豚肉で、1頭ごとに測定値を記した証明書が発行されるとされる。オレイン酸が多いと脂の融点が下がり、口当たりがなめらかになるとされる。
- 但馬ポークTajima Pork兵庫県 豊岡市兵庫県北部の但馬地域で生産される豚肉で、繁殖から出荷までの記録管理などの基準を満たしたものとして、安全・安心を掲げる兵庫県認証食品に位置づけられているとされる。
- TOKYO XTokyo X東京都 八王子市東京都の畜産試験場が北京黒豚・バークシャー・デュロックを掛け合わせ、7年かけて育成した三元交雑種。通常より長く飼育され、赤身と脂のきめ細かさにつながるとされる。
- とうきび豚Toukibi Buta北海道道内自給率98%の飼料で育てる豚で、南空知の水田転作で作る飼料用とうもろこしを主原料とする。実は餌に、茎や葉は土づくりに使われるとされ、地域内で循環する仕組みが特徴とされる。
- 米澤豚一番育ちYonezawa Buta Ichiban Sodachi山形県 米沢市ランドレースと大ヨークシャーの一代交雑種にデュロックを掛けた三元豚。置賜盆地の寒暖差と、山からのミネラル豊富な雪解け水の中で丁寧に育てられているとされ、脂の甘みとやわらかさが特徴とされる。