肉 ── 銘柄豚
あぐー
Agu
琉球王朝時代から沖縄で飼われてきた在来種アグーは、戦後の混血や大型種導入によって数を減らしたとされる。純粋アグーの血を父方に持ち、母方はDNA検査で確認された豚だけが「あぐー」を名乗れる。
- 発祥: 沖縄県
- 東京から南西へ約1560km
何でできているか
在来種らしく小柄な体格で、脂の層は薄めながら赤身に力強いうまみが凝縮しているとされる。長時間煮込むラフテーや豚汁にしても身が締まったまま煮崩れしにくく、脂は輸入種に比べてくどさが少なくあっさりしていると語られる。小柄な分だけ1頭から取れる量は少なく、希少性の高さも味の印象を後押ししているという。脂肪は白くきめが細かいとされ、火を通しても硬くなりにくいという声もある。
どう作るのか
琉球王朝時代から沖縄で飼われてきた在来種で、戦後の混血や大型種の導入によって純粋な血統は一時数を大きく減らしたとされる。現在は純粋アグーの血を父方に持ち、母方もDNA検査で確認された個体だけが「あぐー」を名乗れる仕組みで、血統を厳格に管理しながら数を回復させてきたという。この認証の仕組みは近年整備されたもので、以前は地域ごとに呼び方や基準が揺れていたと伝わる。
なぜこの形になったのか
島という限られた土地で、小柄で粗食にも耐える在来種が長く重宝されてきたと伝わる。戦後に生産性の高い大型種へ切り替えが進むなかで数を減らしたが、島固有の血統を守ろうとする動きがDNA検査という厳密な仕組みに結実したとされる。琉球王朝時代からの飼育の記憶を制度で受け継ぐ試みとも読め、観光や食文化の発信とも結びつき、希少な在来種を守ること自体が土地の誇りとして語られているという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ沖縄県
- 足ティビチ豚足を昆布や大根とともに、骨がすっと抜けるほどやわらかくなるまで長時間煮こむ。「弱った部位と同じ部位を食べる」という以類補類の考え方から、脚に不調のある人や年配者、美容を気づかう人に好まれてきたとされる。
- 泡盛タイ米と黒麹だけを使い、米のすべてを麹にする全麹仕込みで造る沖縄の蒸留酒。黒麹由来のクエン酸のおかげで高温多湿の気候でももろみが腐敗しにくいとされ、単式蒸留機で仕上げる焼酎の仲間だという。
- 血イリチー豚の血に、豚肉やにんじん、きくらげなどを加えて炒め煮にする沖縄独特の料理。不調のある部位と同じ部位を食べて補うという以類補類の考えから貧血予防の薬効も期待され、旧正月前や法事の供え物として振る舞われてきた。
- チムシンジ豚レバーと黄色い島にんじんを煎じるように煮こむ、体調がすぐれない時のための滋養食。食事がそのまま薬になるという「クスイムン」の考え方に基づく料理で、貧血気味の時や風邪をひいた時によくつくられてきた。
- ゴーヤーチャンプルー苦味のあるゴーヤーを、しっかりとした沖縄豆腐や卵と炒め合わせる。豆腐が入ってはじめて「チャンプルー」と呼べるとされ、夏の暑さで落ちる食欲とビタミンCの摂取を同時に支える一皿として、季節を問わず食卓に上る。
- 花酒日本最西端の与那国島でのみ製造される、アルコール分60度前後の蒸留酒。原料や製法は泡盛と同じだが、度数が泡盛の上限を超えるため酒税法上は「スピリッツ」として区別されているという。