惣菜
洋食
26種
洋食は、明治以降に西洋料理を日本人の舌と食卓に合わせて翻案した料理群である。ケチャップやデミグラスソースで米飯に馴染ませ、パン粉衣で箸でも食べやすくするなど、フォークとナイフの一皿を米と箸の食卓へ移し替える工夫が土地や店ごとに重ねられてきた。洋食屋の賄いから生まれたとされる型もあれば、喫茶店の軽食や宅配ピザのトッピングとして戦後に翻案が続いた型もある。中華料理が町中華として日本化したのと、根はよく似た物語だという。
肉5
- ビーフシチューBiifu Shichuu牛肉と根菜をデミグラス風ソースで煮込んだ洋食。明治期に東京の洋食店で高級料理として紹介されたのち、家庭向けルウの普及とともに食卓に定着したとされる。ホテルの名物料理として残る例も多い。
- ハンバーグHanbaagu挽き肉に玉ねぎとパン粉を加えて焼いた洋食。生の挽き肉に抵抗のあった食習慣に合わせ、しっかり火を通しボリュームを出す型に変化していったとされる。昭和以降、家庭の定番おかずとして定着した。
- ピカタPikata薄切り肉に小麦粉と卵の衣をつけてバターで焼いた洋食。パン粉を使うフライ料理とは別の、卵だけの軽い衣の系統として位置づけられてきたとされる。鶏肉や白身魚で作る店もある。
- ポークチャップPooku Chappu厚切り豚ロースにケチャップ風味のデミグラスソースを絡めた洋食。本場のマデラソースの代わりにケチャップを使う型が定着したとされ、北海道の各地に名店が残る。ボリュームの多さも特徴という。
- ロールキャベツRooru Kyabetsuハンバーグと同じ挽き肉の種をキャベツで包んで煮込んだ洋食。少ない肉量でも満足感を出せる工夫として派生し、冬場の家庭料理として定着したとされる。スープごと味わう一皿という。
ライス6
- チキンライスChikin Raisu鶏肉と玉ねぎをケチャップで炒めたご飯。オムライスの中身として広まった炒めご飯が、卵で包まずそのまま一皿として供されるようになったのが始まりとされる。お子様ランチの定番でもある。
- ドリアDoria神奈川県 横浜市バターライスに海老のクリーム煮をのせ、ホワイトソースとチーズをかけて焼く洋食。横浜のホテルで、体調の悪い客のために即興で作られたのが始まりと伝わる。海老の代わりに鶏肉やきのこを使う店もある。
- ハヤシライスHayashi Raisu東京都 中央区薄切り牛肉と玉ねぎをデミグラス風ソースで煮込み、ご飯にかける洋食。丸善創業者・早矢仕有的が友人に振る舞った料理が由来とされ、命名には諸説あるという。カレーライスと並んで語られることが多い一皿である。
- カツカレーKatsu Karee東京都 中央区カレーライスに揚げたてのカツレツをのせた洋食。昭和22年開業の銀座の洋食店が、自慢のカレーソースにカツを合わせたのが始まりと伝わる。福神漬けを添えるのが定番とされる。
- オムライスOmuraisuバターで炒めたケチャップライスを薄焼き卵で包んだ洋食。発祥は東京・銀座説と大阪説の両方があり、いずれも一人の常連客をもてなす賄いから生まれたと伝わる。卵の巻き方や仕上げのソースは店ごとに工夫が分かれるという。
- トルコライスToruko Raisu長崎県 長崎市ピラフとナポリタン、とんかつを一皿に盛り合わせた長崎発祥の洋食。名前の由来には諸説あり、トルコの米料理説や三色の盛り付け説などが伝わる。盛り付けの配置は店ごとに個性が出るという。
ピザ6
- コーンマヨピザKoon Mayo Pizaコーンとマヨネーズをのせたピザ。世界的にありふれた食材でも、マヨネーズを好む食文化と合わさることで独自の一皿へ翻案されたとされる。ファミリー層にも親しまれてきた一枚という。
- エビマヨピザEbi Mayo Piza東京都 豊島区海老にマヨネーズソースを絡めたピザ。1987年開業の国内資本の宅配ピザチェーンが、テリヤキチキンと並んで世界に先駆けて考案したトッピングの一つと伝わる。看板トッピングの一つとして扱われてきたという。
- ピザPizaトマトソースとチーズの骨格を保ちながら、甘辛い味やマヨネーズを使った日本独自のトッピングへと翻案されたピザ。1970年代以降、宅配ピザチェーンが主導して広まったとされる。家族向けの食事として定着している。
- 明太マヨピザMentai Mayo Piza辛子明太子とマヨネーズをのせたピザ。魚卵をそのまま食べたり麺に絡めたりしてきた食文化が、ピザのトッピングにも応用されていったとされる。宅配ピザの定番としても定着している。
- ピザトーストPiza Toosuto東京都 千代田区厚切りパンにピザソースと具材、チーズをのせて焼いた喫茶店の定番。手間のかかるピザ生地の代わりにパンを使う発想から、昭和39年に考案されたと伝わる。トースターだけで作れる手軽さも支持されている。
- 照り焼きチキンピザTeriyaki Chikin Piza東京都 豊島区照り焼き味の鶏肉にマヨネーズとコーン、海苔をのせたピザ。1987年開業の国内資本の宅配ピザチェーンが、世界に先駆けて考案したトッピングの一つと伝わる。宅配ピザの定番として長く支持されている。
フライ3
- カニクリームコロッケKani Kuriimu Korokke蟹の身を混ぜたホワイトソースをパン粉で包んで揚げた洋食。1887年に伝わったクリームコロッケの系譜に連なり、ポテトコロッケとは1895年頃に別メニューへ分かれたとされる。洋食店の定番として受け継がれている。
- エビフライEbi Furai海老に衣をつけて揚げた洋食。カツレツの揚げ方を海老に応用したのが始まりとする説が有力とされ、名古屋名物として広まったのは戦後とされる。タルタルソースを添えるのが定番という。
- ミルフィーユカツMirufiyu Katsu薄切り豚肉を幾重にも重ねて揚げたとんかつの派生形。一枚肉のとんかつに対し、少ない肉量で厚みと軽い食感を両立させる工夫として広まったとされる。断面の層が見た目の特徴になっている。
ほかの系統2
パスタ4
- 明太子パスタMentaiko Pasuta辛子明太子をバターや醤油で和えたパスタ。たらこを使う和風スパゲッティが広まる中で、より辛みの強い型として枝分かれしたとされる。喫茶店や洋食店のメニューにも広く取り入れられてきた。
- 納豆パスタNattoo Pasuta納豆を醤油とバターで和えたパスタ。和風スパゲッティが定着する中で、家庭に常備される納豆をそのまま応用したのが始まりとされる。喫茶店の軽食メニューにも取り入れられてきた。
- たらこスパゲッティTarako Supagetti東京都 渋谷区茹でたスパゲッティにたらことバターを絡めた和風パスタ。昭和28年開業のスパゲッティ専門店が和風スパゲッティという系統を生み出し、そこから枝分かれしたとされる。喫茶店の定番としても広まった。
- 和風きのこパスタWafuu Kinoko Pasutaきのこを醤油とバターで炒めて和えたパスタ。イタリア料理を日本の食材で作り替える和風スパゲッティの流れの中で、きのこと醤油の組み合わせが取り入れられたとされる。喫茶店の軽食としても親しまれてきた。
食べに行く前に
チェーンの味の元になった料理
全国チェーンの味は、特定の土地の料理がもとになっているとされます。チェーン名から元の料理を見られます。
びっくりドンキーのハンバーグは、岩手県盛岡市の小さな洋食店から始まり、全国チェーンとして広まったハンバーグ文化の代表格とされる。
さわやか静岡県の地域限定
さわやかの炭焼きハンバーグは、静岡県西部で生まれ、県内出店にこだわりながら支持を広げてきたとされる。
ステーキ宮は、栃木県宇都宮市で「ステーキの大衆化」を掲げて創業し、自家製ハンバーグとともに全国へ広がったとされる。
CoCo壱番屋のカレーライスは、愛知県で生まれた1号店から、注文の細かい選択肢という仕組みとともに全国・海外へ広まったとされる。
ゴーゴーカレーは、石川県金沢市発祥とされる「金沢カレー」の形式を、ステンレス皿とキャベツの盛り付けごと全国・海外へ広めているとされる。
日乃屋カレーは、東京・湯島の中華料理店の味を土台にしたカレーライスを、フランチャイズで全国に広げてきたとされる。
上等カレーは、手打ちうどん店として始まった得正が、待たせずに出せるカレーライスに着目して育てたブランドとされる。
ポムの樹のオムライスは、喫茶店の洋食メニューだったオムライスを、専門店という形で全国に広めたものとされる。
キッチンジローの定食は、東京オリンピックの年に創業した洋食店の味を、ハンバーグなどの定番メニューとともに伝えてきたとされる。
つばめグリルのハンブルグステーキは、新橋で創業した洋食店が、特急列車の名を掲げて育ててきた味とされる。