米・穀物
米の品種
37種
米の品種は、日常の食卓で炊いて食べるうるち米、餅や赤飯に使うもち米、酒造りに使う酒米などに大別される。コシヒカリのように強い粘りと甘みを基準とし、多くの品種の交配親にもなっている系統がある一方、山田錦や五百万石のように酒米として育てられてきた系統もあり、赤米・黒米など古くから伝わる品種も残る。同じ品種でも産地によって評判の付き方が異なるとされる。ここでは品種の系統と産地の結びつきを辿る。
発祥の土地を特定しないもの37
- 赤米Akamai赤い糠層を持つ古代からの品種群とされる。収穫量は少ないが、神事や赤飯の起源に関わるとされ、対馬など各地の神社で今も栽培が伝えられているという。縄文・弥生期の遺跡から赤米の痕跡が見つかっているとされ、日本最古級の米の系統ともいわれる。
- あきたこまちAkitakomachiコシヒカリを親に持つ品種で、あっさりした甘みと程よい粘りが特徴とされる。秋田県の冷涼な気候に合わせて育成され、日常の食卓米として親しまれているという。名は秋田美人の伝説「小野小町」にちなむとされ、全国でも作付面積上位の品種という。
- だて正夢Date Masayume宮城県がササニシキ以来のブランド米として育成したとされる品種。粒が大きく、しっかりした旨みと粘りを持つといい、伊達政宗の「正夢」にちなむ名という。宮城県産米では初めて特Aを複数年連続で獲得したとされる期待の品種という。
- 富富富Fufufu富山県が温暖化と病害に強い品種として育成し、2018年にデビューさせたとされるブランド米。粒がしっかりして甘みがあり、冷めてもおいしいという。名は「富山県」の「富」を三つ重ねたとされ、県が総力を挙げた品種という。
- 元気つくしGenki Tsukushi福岡県が良食味と品質の安定を目指して育成したとされる品種。粒がやや大きく、粘りと甘みのバランスが良いといい、毎日食べても飽きないとされる。名は「元気」と「筑紫」にちなむとされ、福岡県の看板品種の一つという。
- 銀河のしずくGinga no Shizuku岩手県が開発したブランド米とされる品種で、あっさりとした甘みと粘りを持ち、冷めてもおいしいという。名は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」に由来するとされる。岩手県が生産量よりも品質を優先して育成したブランド米とされている。
- 五百万石Gohyakumangoku新潟県を代表するとされる酒米で、淡麗辛口の日本酒に合うといわれる。生産量は山田錦に次いで多いとされ、北陸から東北にかけて広く栽培されるという。1957年に新潟県で育成されたとされ、淡麗な味わいの酒に多く使われるという。
- はえぬきHaenuki山形県の奨励品種で、粘りと硬さのバランスが良く冷めてもおいしいとされる。派手さより日常づかいのしやすさを重視して育成されたという。名は「生え抜き」にちなむとされ、山形県の作付面積で長く一位を占めてきたという。
- ヒメノモチHimenomochi餅にしたときの口当たりの良さと、ひび割れしにくさが特徴とされるもち米。熊本県で育成され、九州で広く栽培される流通量の多い品種という。西日本のもち米生産を支える主力品種の一つとされている。
- ヒノヒカリHinohikariコシヒカリの孫にあたる品種とされ、暑さに強く西日本で広く作られる。粒はやや小ぶりで、粘りと甘みのバランスが良いとされ、冷めても味が落ちにくいという。「ヒノヒカリ」の名は「日の光」にちなむとされ、九州で最も作付面積の多い品種という。
- ひとめぼれHitomeboreコシヒカリを親に持つ耐冷性の品種とされ、あっさりとした食味が特徴。1991年の記録的な冷害を機に、宮城県で本格的な育成が進んだとされる。現在では宮城県だけでなく東北・関東など幅広い地域で作付けされているとされる。
- いちほまれIchihomareコシヒカリ発祥の地とされる福井県が、その名に恥じない一番の誉れを目指して育成したとされる品種。粒が大きく艶があり、甘みが強いという。名は「日本一の誉れ」を意味するとされ、公募で選ばれた名称という。
- 祝Iwai京都府で育成されたが一時栽培が途絶えたとされる酒米。1990年代に地元蔵元の求めで復活栽培が進み、京の酒造りを象徴する米として扱われているという。1930年代に育成されたとされ、一時は栽培記録が途絶えかけたと伝えられる。
- 亀の尾Kamenoo明治時代に山形県庄内地方で発見されたとされる在来品種。コシヒカリなど後の多くの品種の系譜につながるといい、日本酒の酒米としても使われているとされる。冷害に強かったとされ、当時の品種改良の起点として重視された在来種という。
- きぬむすめKinumusume「絹のような艶」から名付けられたとされる品種で、粒がやわらかく上品な甘みを持つという。西日本の中国地方を中心に、近年作付けが広がっているとされる。コシヒカリより暑さに強いとされ、温暖化に対応する品種として注目されているという。
- きらら397Kirara 397「やっかいどう米」と揶揄された北海道米の評価を大きく変えたとされる先駆け品種。あっさりした食味で、後継のななつぼしやゆめぴりかの礎になったという。名は「きらきら光る」に由来するとされ、その後の道産ブランド米開発の起点になったという。
- こがねもちKoganemochiつやのある色合いから名付けられたとされるもち米の代表品種。粘りが強く、餅や赤飯、おこわなど幅広い用途に使われる定番のもち米とされる。全国のもち米作付面積でも上位を占めるとされる、流通量の多い定番品種という。
- コシヒカリKoshihikari強い粘りと甘みで日本の食味の基準とされる品種。1956年に育成され、冷めてもおいしく、新潟県魚沼産が最上級ブランドとして全国的に知られているという。作付面積は全国最大級とされ、他品種の交配親としても広く使われているという。
- こしいぶきKoshiibukiコシヒカリより早く収穫できるとされる新潟県の品種。あっさりした食味で、日常づかいの米として親しまれているといい、新米をいち早く楽しめる品種ともされる。名はコシヒカリの「こし」と、新潟の気候にちなむ「いぶき」から取られたとされる。
- 越淡麗Koshi Tanrei山田錦と五百万石を掛け合わせて新潟県が育成したとされる大粒の酒米。両者の長所を受け継ぎ、大吟醸向きの高級酒米として扱われているという。2004年に品種登録されたとされ、新潟県の高級酒向けに位置づけられているという。
- 黒米Kuromai黒紫色の糠層にアントシアニンを含むとされる古代米の一群。少量を白米に混ぜて炊くと紫がかった色に染まるといい、古くは薬用とされたこともあるという。中国では古くから「薬膳米」として扱われてきたとされ、近年は栄養価の面でも注目されているという。
- ミルキークイーンMilky Queenアミロース含有量が低く、コシヒカリよりさらに強い粘りが出るとされる品種。冷めてもかたくなりにくいとされ、おにぎりや弁当にも向くという。単独で炊くよりコシヒカリなどに数割混ぜて炊くことが多いとされている。
- 美山錦Miyama Nishiki長野県で育成されたとされる酒米で、冷涼な高地でも育つ耐冷性を持つという。すっきりとした味わいの酒になりやすいとされ、東北の蔵元にも広まったという。1978年に品種登録されたとされ、高精米にも比較的耐えるといわれている。
- 森のくまさんMori no Kumasan熊本県が「日本一おいしい米」を目指して育成したとされる品種。粒が大きく、粘りと甘みが強いといい、地元の熊本産米の代表として親しまれているという。熊本県のマスコットにちなむ名とされ、県内の食味コンクールでも評価が高いという。
- ななつぼしNanatsuboshi北海道米の代表品種の一つで、冷めてもおいしさが保たれるとされる。あっさりした食味で和洋どちらの料理にも合うといい、弁当米にも向くという。名は「七つの星」にちなむとされ、北海道の作付面積で上位を占める品種という。
- にじのきらめきNiji no Kirameki農研機構が高温登熟性に優れるよう育成したとされる品種。猛暑でも品質が落ちにくいといい、産地を問わず栽培が広がる、地球温暖化を見据えた品種とされる。「にじ」は複数の系統を掛け合わせたことに由来するとされる新しい品種という。
- にこまるNikomaru高温でも品質が落ちにくいとされる品種で、粒が大きく粘りが強いという。九州沖縄農業研究センターで育成され、温暖化への対応品種として広がっているとされる。名は「煮ても焼いても」にちなむとされ、丼物や寿司飯にも向くという。
- 雄町Omachi江戸時代末期に岡山県で発見されたとされる最古参の酒米。多くの酒米品種の親にあたるとされ、コクのある個性の強い酒になりやすいという希少品種とされる。酒米としては栽培に手間がかかるとされ、生産者の減少で希少性が高まっているという。
- さがびよりSagabiyori粒が大きく高温にも強いとされる品種で、粘りと甘みが強いという。西日本の温暖化に対応するため佐賀県が育成し、県産米の最上位ブランドとして売り出されているとされる。
- ササニシキSasanishikiあっさりした粘りの少なさが寿司や和食の職人に好まれたとされる品種。冷害に弱く、1993年の大冷害以降は作付けが大きく減ったといわれている。近年は栽培技術の見直しにより、再評価の動きも見られるとされている。
- 青天の霹靂Seiten no Hekireki青森県が初めて自県産の最高級ブランド米として売り出したとされる品種。粒が大きく粘りと甘みのバランスが良いといい、名は「快挙」を意味する言葉から取られたという。青森県産米としては初めて食味ランキング最高の特Aを獲得したとされている。
- 新之助Shinnosukeコシヒカリに次ぐ新潟県のブランド米として開発されたとされる品種。粒が大きくしっかりした食感を持つといい、丼物やカレーにも合うとされる。デビュー時から新潟県が広告展開に力を入れた期待の品種とされている。
- つや姫Tsuyahimeつやと粒の美しさが特徴とされる品種で、しっかりした粒感とほどよい甘みを持つという。2010年に山形県が県を挙げて本格デビューさせたブランド米とされる。食味ランキングで特A評価を重ねてきたとされ、収穫量を抑えて品質を保つ栽培基準があるという。
- 山田錦Yamada Nishiki「酒米の王様」と呼ばれる最高峰の酒米とされる。粒の中心にある心白が大きく、高精米にも耐えるため吟醸酒や大吟醸によく使われる酒米の代表格という。1936年に兵庫県で品種登録されたとされ、今も酒米生産量で最大を占めるという。
- 雪若丸Yukiwakamaruつや姫に続く山形県のブランド米として育成されたとされる品種。粒が大きく、しっかりした歯ごたえが特徴といい、丼物や炒飯にも合うとされる。名は「雪国の若武者」をイメージして付けられたとされ、県の期待を背負う品種という。
- ゆめぴりかYumepirika北海道米の中でも特に粘りと甘みが強いとされる品種。「ゆめ」と、アイヌ語で美しいを意味する「ぴりか」から名付けられたといい、冷めても粘りが残るという。食味ランキングで長く特A評価を得てきたとされ、全国的にも知名度が高い品種という。
- 夢しずくYume Shizuku佐賀県が育成した品種で、さがびよりよりもさっぱりとした食味とされ、和食との相性がよいという。県内では日常づかいの米として親しまれているとされる。名は穏やかな食味のイメージから付けられたとされ、幅広い料理と合わせやすいという。