焼きもの
焼き鳥
25種
焼き鳥は鶏肉を主に、部位ごとに串へ刺して炭火や網で焼く料理である。正肉(もも・むね)と、せせり・ぼんじり・すなぎも・レバーなどの内臓とで火の入れ方や食感が大きく異なり、店では「タレか塩か」を最初に選ばせることが多いという。地域によっては鶏に限らず豚肉を串にし、それでも「やきとり」と呼ぶ土地もある。ここではこうしたご当地の型と、正肉から内臓までの部位の違いを辿る。
土地ごとの料理6
- 美唄やきとりBibai Yakitori北海道 美唄市モツを中心に、内臓から皮まで一羽分を一本の串に刺す。
- 東松山やきとりHigashimatsuyama Yakitori埼玉県 東松山市豚のカシラ肉を炭火で焼き、辛味噌だれを付けて食べる。
- 今治焼き鳥Imabari Yakitori愛媛県 今治市串に刺さず、鉄板で押さえ付けて焼く。皮のかりっとした食感が身上。
- 久留米焼きとりKurume Yakitori福岡県 久留米市鶏に限らず豚・牛・馬まで串になる。ダルムなど独特の呼び名を持つ。
- 室蘭やきとりMuroran Yakitori北海道 室蘭市鶏ではなく豚肩ロースと玉ねぎの串。洋がらしを付けて食べるが、名前は「やきとり」のまま。
- 長門やきとりNagato Yakitori山口県 長門市人口あたりの焼き鳥店数が全国有数の街。ガーリックパウダーを振って食べる。
発祥の土地を特定しないもの19
- ぼんじりBonjiri尾骨まわりの肉。最も脂の乗る部位で、皮目を焼き切って食べる。
- ふりそでFurisode手羽のなかでも肩に近い部位で、着物の振袖に形が似ることが名前の由来とされる。もも肉より脂質は控えめで、むね肉よりジューシーな上品な味わいを持つ。1羽から取れる量が少ない部位とされる。
- ハツモトHatsumoto心臓のうち大動脈がつながる部分で、ハツより一羽から取れる量が少ない部位とされる。柔らかな肉質で歯切れがよく、串焼きなどで提供される。ハツと混同されやすいが、別の部位として扱われる。
- ひざ軟骨Hiza Nankotsu膝の関節部分にある軟骨で、胸の軟骨(ヤゲン軟骨)とは異なる位置から取れる。コリコリとした強い歯ざわりが持ち味で、唐揚げや串焼きで食べられる。ヤゲンよりも硬めの歯応えとされる。
- かわKawa皮を波状に刺し、脂を落としながらかりっと焼き上げる。
- ねぎまNegimaもも肉と長ねぎを交互に刺した定番。ねぎの甘みが脂を受け止める。
- レバーReba肝臓の串。火加減ひとつで食感が大きく変わる。
- ささみSasamiむね肉に沿った細長い部位で、笹の葉に似ていることが名前の由来とされる。鶏肉のなかで最も脂肪が少なく、高タンパクな部位として知られる。筋を取り除いてから調理するのが一般的とされる。
- せせりSeseri首の肉。よく動く部位なので身が締まり、脂と歯ごたえの釣り合いがよい。
- 砂肝Sunagimo筋胃。脂がほとんど無く、独特の歯ごたえがある。
- 手羽元Tebamoto手羽のうち胴体に近い部位で、形がチューリップに似ることから「チューリップ肉」とも呼ばれる。手羽先よりやや淡白で、長時間煮込むと肉離れがよく、水炊きや煮物によく使われる。
- 手羽中Tebanaka手羽先と手羽元の中間にあたる部位。縦半分に割ったものは「鶏スペアリブ」と呼ばれ、串焼きや唐揚げでよく提供される。手羽先よりも小ぶりで扱いやすく、家庭でも使いやすい部位とされる。
- 手羽先Tebasaki手羽のうち先端側の部位で、ゼラチン質と脂質を多く含む。骨は鶏ガラとして出汁にも使われ、唐揚げや水炊きなど幅広い料理で親しまれる。名古屋の甘辛だれの唐揚げが全国的によく知られている。
- ハツ(心臓)Hatsu鶏の心臓の部位で、周りの脂肪や血管を取り除き血抜きをするとクセのないあっさりとした味わいになる。串焼きや炒め物によく合うとされる。小ぶりなため、串では複数個をまとめて刺すことが多い。
- ももMomo脚の付け根にあたる部位で、肉厚でうまみとコクのある肉質を持つ。焼く、煮る、揚げるなど幅広い調理法に向き、家庭の食卓でもおなじみとされる。日本人に最も好まれる部位のひとつともされる。
- むねMune胸骨に沿った部位で、脂肪が少なく高タンパクな肉質を持つ。高温で一気に火を通すとパサつきやすく、低温でじっくり加熱するのがよいとされる。皮つきのまま調理すると脂の旨みも補える。
- つくねTsukune鶏挽き肉を練って握った串。タレで焼き、卵黄を添える店も多い。
- やげん軟骨Yagen Nankotsu胸骨の先の軟骨。こりこりとした歯ざわりを楽しむ。
- 焼き鳥Yakitori鶏肉を中心に部位ごとに串へ刺し、炭火や網で焼く料理。もも・むねなどの正肉と、せせり・すなぎも・レバーなどの内臓とでは火の入れ方も食感もまるで違う。地域によっては鶏でなく豚を串にし、それでも「やきとり」と呼ぶ土地がある。
食べに行く前に
チェーンの味の元になった料理
全国チェーンの味は、特定の土地の料理がもとになっているとされます。チェーン名から元の料理を見られます。
鳥貴族の均一価格メニューは、ねぎまやつくねなど焼き鳥の定番部位を幅広くそろえる構成とされ、部位の違いを食べ比べる入り口になりうる。
大吉のやきとりは、つくねやねぎまなど家庭的な定番部位を中心にそろえるとされる。
秋吉は福井発祥で、にんにくを効かせた味わいが特徴とされる。にんにく粉を振って食べる山口・長門やきとりと通じる嗜好とされる。
山ちゃんの看板メニューである手羽先唐揚げは、名古屋で育った手羽先文化の一角とされる。
風来坊は名古屋の手羽先唐揚げの元祖を名乗るチェーンで、世界の山ちゃんと並ぶ名古屋手羽先文化の担い手とされる。
とり鉄の焼き鳥は、ねぎまやつくねなど定番部位を炭火でじっくり焼き上げる構成とされる。
やきとりセンターは低価格の均一メニューで焼き鳥の定番部位を幅広くそろえるとされる。
鳥良商店は手羽先唐揚げを看板に据えた鶏専門店で、名古屋の手羽先チェーンとは別系統の手羽先文化にあたるとされる。