焼きもの ── 焼き鳥
久留米焼きとり
Kurume Yakitori
鶏に限らず豚・牛・馬まで串になる。ダルムなど独特の呼び名を持つ。
- 発祥: 福岡県久留米市
- 東京から西へ約890km
福岡県久留米市
系譜
久留米焼きとり
何でできているか
「焼きとり」を名乗りながら鶏はむしろ一部で、豚・牛・馬の内臓や精肉までが串に並ぶ。中でもホルモン系はダルム(腸)、ヘルツ(心臓)といったドイツ語由来の呼び名で注文され、初めての客は何を頼んでいるのか分からず面食らう。噛むとコリコリ、ぷりぷりと部位ごとに違う弾力が返ってきて、皿の上に肉の種類だけ食感の見本市ができる。鶏・豚・牛・馬が同じ卓に並ぶ光景そのものが、久留米らしい景色だ。
どう作るのか
肉の間に玉ねぎを挟んで串打ちし、炭火でじっくり焼く。仕上がった串には酢だれをまとわせたざく切りキャベツが添えられ、脂の強い部位を箸休めしながら何本も食べ進められる。ダルムやヘルツという呼び名は、久留米医学専門学校の学生たちが使い始めたことばがそのまま定着したと伝わる。注文もこの独特の名前で通すのが久留米流だ。
なぜこの形になったのか
一説によると、久留米は古くから畜産が盛んで食肉の卸売業者が多く、精肉として売りにくい内臓や馬肉などを安く仕入れられる環境にあったという。昭和30年代の屋台からはじまり、高度経済成長期には工場労働者の腹を満たす存在として広がったと伝わる。鶏に限らず何でも串にする発想は、卸売の町ならではの食材の豊富さへの答えとして読める。
食べに行く前に
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対比
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- あぶってかもスズメダイに塩をまぶして一晩おき、鱗も内臓も除かずに炙る。小骨が多く敬遠されがちな魚だが、明治期の博多湾で大量に獲れた際に塩をふって焼いてみたのが始まりと伝わる。
- あちゃら漬け白瓜やなす、れんこんなど夏野菜を赤唐辛子入りの甘酢に漬ける。博多湾の南蛮貿易で伝わったポルトガル語「アチャール」が語源とされ、お盆に客をもてなす縁起物の奇数野菜を使うという。
- あまぎのかわたけ朝倉市の黄金川だけで採れる天然の淡水海苔を、三杯酢や甘酢で和えて食べる。江戸時代には将軍への献上品だったと伝わる希少な食材で、現在は絶滅危惧種として保全活動が続くという。
- べたもち小麦粉の生地を平たい形にのばして蒸し、きな粉や小豆の粒あんをかけて食べる。豊前海でとれる舌平目「ベタ」の扁平な姿に見立てて名付けられたとされ、田植え後の祝いに欠かせないという。
- かぼちゃのだんご汁豊前市三毛門産の大玉かぼちゃをとろとろに煮て、練った小麦粉をちぎり入れる汁物。約450年前にポルトガル伝来という三毛門かぼちゃは、食べ物が乏しかった時代の命をつなぐ味だったという。
- ちゃんらー北九州市門司区の食堂で生まれたとされる麺料理。ちゃんぽん麺をいりこだしのうどん風つゆに入れた一杯で、長崎ちゃんぽんを食べたいが小遣いが足りない生徒のために考えられたと伝わる。