惣菜
ご飯のお供
23種
白いご飯だけでどこまで箸が進むか、という勝負がこの棚にはあるように見える。塩気を効かせるもの、旨味で押すもの、とろみや歯ざわりで変化をつけるもの——考え方はさまざまだが、どれも主役の米ではなく脇役として存在する点は共通している。乾物や漬け込みで日持ちを稼ぐ知恵、朝の食卓を数分で整える手早さ、港から内陸へ運ぶ流通の工夫。米という土台があってはじめて生まれた道具立てが、ここには並んでいる。
土地ごとの料理4
- 味付け海苔Ajitsuke Nori東京都 中央区(日本橋)板海苔に醤油と砂糖ベースの味付けをして焼き上げた加工品で、明治期に京都行幸の土産として考案されたと伝わる。パリパリとした食感の中で味と香りが一気に広がり、とくに関西でよく使われる海苔の型という。
- ちりめん山椒Chirimen Sansho京都府 京都市ちりめんじゃこと実山椒を酒・醤油・みりんで甘辛く煮た京都の惣菜で、昭和半ばに宮川町の料理人が手土産として作り始めたと伝わる。山椒のぴりっとした香りが余韻に残る。
- いくら醤油漬けIkura Shoyu-zuke北海道鮭の卵をほぐし、醤油だれに漬け込んだ北海道の郷土料理で、ぷちぷちとはじける食感とまろやかな旨味が特徴とされる。秋の鮭漁の時期に各家庭で仕込まれる、道内の食卓に根づいた一品という。
- 鯖の塩辛Saba no Shiokara島根県 松江市美保関町頭を落とした鯖を内臓ごと塩漬けにして発酵させた島根・美保関の珍味で、強い塩気の中に旨味が増していくとされる。かつては傷みやすい鯖を長く保存する漁師の知恵だったという。
発祥の土地を特定しないもの19
- ちりめんじゃこChirimen Jakoいわし類の稚魚を塩ゆでして天日で干した乾物で、乾燥の度合いによってしらす干しなどと呼び分けられるという。西日本ではちりめんじゃこ、東日本ではしらす干しと呼ばれる場合が多いとされる。
- ふりかけFurikake魚の身や骨を細かくして味付けした乾いた振りかけで、大正期の熊本でカルシウム不足を補う工夫として考案されたと伝わる。今日では海苔・胡麻・削り節などを組み合わせた型が幅広く流通する。
- ごま塩Goma Shio焼き塩と炒り胡麻を混ぜ合わせた調味料で、赤飯やおにぎりに振りかけて食べられる。塩とゴマの比重をそろえて均一に振り出せるよう工夫された市販品もある、素朴だが定番の薬味という。
- 挽き割り納豆Hikiwari Natto大豆を砕いて表皮を除いてから発酵させる納豆の型で、丸大豆納豆よりなめらかな舌触りを持つとされる。青森・秋田・岩手などで江戸時代以前から作られてきたと伝わる、糸引き納豆の中の一つの型である。
- いかの塩辛Ika no Shiokaraいかの身とわたを塩で漬け込んで発酵させた珍味で、強い塩気の中に旨味が凝縮されているとされる。製法によって赤作り・白作り・黒作りなどの型があり、地域や好みに応じて選び分けられているという。
- 岩のりIwanori岩場に自生する天然の海苔で、養殖海苔より肉厚で磯の香りが強いとされる。十六島海苔や城崎海苔など地域ごとに呼び名の異なる型が伝わっている、希少価値の高い海藻という。
- 鰹節Katsuobushi鰹を煮て燻し乾燥させた加工品で、削り節やおかかとしてご飯や料理に使われる。荒節・裸節・枯節と段階を経るごとに旨味が凝縮されていくとされ、和食のだし文化を支えてきた食材という。
- 昆布の佃煮Konbu no Tsukudani細切りにした昆布を醤油とみりんで汁気がなくなるまで煮詰めた保存食で、とろりとした照りと昆布の旨味が凝縮されているとされる。佃煮の中でも定番の型のひとつで、家庭の常備菜として親しまれているという。
- 明太子Mentaikoたらこを唐辛子だれに漬け込んだ加工品で、粒のはじける食感と塩気・辛味が白飯によく合うとされる。博多で戦後に広まったと伝わり、贈答用から家庭用まで幅広く流通している。
- 味噌汁Miso Shiruだしに味噌を溶き入れた汁物で、具や味噌の種類は地域や家庭によって幅があるとされる。ご飯・漬物とともに食卓に並ぶ一汁の型として、日々の食事に組み込まれてきたという。
- なめたけNametake瓶栽培したえのきたけを醤油・酒・みりんでとろみが出るまで煮詰めた加工品で、しんなりとした歯ざわりと甘辛い味付けが特徴とされる。大根おろしと和えてご飯に添えられることも多い。
- 納豆Natto蒸した大豆を納豆菌で発酵させた保存食で、糸引きの粘りと独特の香りが特徴とされる。関東以北で古くから親しまれ、水戸や仙台など複数の産地がそれぞれの型を伝えている。
- 海苔の佃煮Nori no Tsukudani刻んだ海苔を醤油とみりんで汁気がなくなるまで煮詰めた保存食で、とろりとした照りと磯の香りが特徴とされる。少量でご飯によく絡み、瓶詰めにして常温で長く常備できる、佃煮の中でも定番の型のひとつという。
- 鮭フレーク(焼き鮭ほぐし)Sake Flake焼いた鮭の身をほぐして作る保存食で、瓶やパウチに詰めて常備される。骨や皮を除いた食べやすさから、ご飯に混ぜたりのせたりして手軽に使われる、忙しい朝にも重宝される一品とされる。
- 生姜の佃煮Shoga no Tsukudani細切りにした生姜を醤油とみりんで煮詰めた保存食で、ぴりっとした辛みと甘辛さが同居するのが持ち味とされる。箸休めとしてご飯に添えられるほか、佃煮の応用型のひとつという。
- すじこSujiko鮭の卵を卵巣の膜ごと塩漬けにした加工品で、いくらのようにほぐさず粒がまとまっているのが特徴とされる。塩気の強さと卵がまとまった食感の違いがいくらとの見分け方になるという。
- 卵かけご飯Tamago Kake Gohan炊きたてのご飯に生卵を割り入れ、醤油などで味付けして食べる料理で、生卵を安全に食べられる衛生管理の行き届いた日本ならではの食べ方とされる。TKGの略称でも親しまれている。
- たらこTarakoすけとうだらの卵巣を塩漬けにした加工品で、辛子明太子のもとになった素材でもある。ほのかな塩気と粒のはじける食感を活かし、焼いてもそのままでも白飯に添えられる、和食全般で使われる定番の食材とされる。
- とろろTororo生の山芋や長芋をすりおろした加工で、すりおろすほどに強い粘りが出るのが持ち味とされる。だしや味噌でのばして汁物にしたり、麦飯にそのままかけたりして食べられる、飯がよく進む一品という。