惣菜 ── ご飯のお供
鯖の塩辛
Saba no Shiokara
頭を落とした鯖を内臓ごと塩漬けにして発酵させた島根・美保関の珍味で、強い塩気の中に旨味が増していくとされる。かつては傷みやすい鯖を長く保存する漁師の知恵だったという。
- 発祥: 島根県松江市美保関町
- 東京から西へ約580km
島根県松江市美保関町
何でできているか
頭を落とした真鯖を内臓ごと輪切りにし、塩漬けにして発酵させたものが鯖の塩辛である。強い塩気の奥に鯖の脂と旨味が凝縮された味わいで、そのまま少量をご飯にのせるほか、酒の肴としても親しまれているという。半年ほど熟成が進むと身が柔らかくなり、塩辛さの中に旨味が増してくるとされる。近年ではパスタやサラダに使うアレンジも紹介されており、アンチョビのような調味料としても扱われているという。
どう作るのか
1〜4月ごろの脂の少ない真鯖を選び、頭を落として内臓ごと長年継ぎ足してきた塩辛のたれに漬け込む。最初の2か月は数日おきに棒でかき混ぜ、その後は冷蔵庫でじっくりと熟成させる。半年ほど経つと発酵が進んで身がとろりとした状態になり、塩辛さの中に旨味が増してくるとされる。長年継ぎ足しているたれを使うことで、その家や店ならではの風味が育っていくという。
なぜこの形になったのか
島根県松江市美保関町は日本海と中海に囲まれた古くからの漁師町で、鯖の塩辛はこの地に伝わる庶民の味とされる。「鯖の生き腐れ」と言われるほど傷みやすい鯖を、冷蔵庫のない時代に加工・保存し、遠くへ運んだり自宅で食べつないだりするための知恵として各家庭で作られてきたと伝わる。松江市はさばの消費量が全国有数とされ、身近な魚を無駄なく食べ切る土地の食習慣が背景にあると考えられている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ島根県
- あご野焼きトビウオ(あご)のすり身を串を使わず焼き上げた出雲地方の野焼き。パリッとした表面と上品な甘みが、島根の定番土産として好まれているという。焼き上げる際に立つ香ばしいにおいも魅力のひとつという。
- アゴの子旨煮初夏にとれる子持ちトビウオの卵、アゴの子を出汁と醤油で炒め煮にした隠岐の酒の肴。粒が大きくねっとりとした食感が特徴で、しょうがを添えると魚卵特有のクセが和らぐという。
- 赤貝がらん蒸し中海でとれるサルボウガイ(赤貝)を殻ごと醤油だしで蒸す出雲地方の料理。別名「赤貝の殻蒸し」。殻を洗う音や「殻」がなまったことが名の由来ともいわれ、正月料理として親しまれてきたという。既存の「akagai」は食材ページで、本品は調理された郷土料理のため新規作成。
- 小豆雑煮甘さを控えて煮た小豆に丸餅を入れた雑煮で、あっさりとした味わいが「ぜんざい」に近いとされる。出雲地方では元旦のすまし雑煮に続き、正月二日から食べる家庭もあるという。広域の伝承のため出雲市を代表点とした。
- ばくだんおにぎり隠岐でとれる香り高い岩のりを軽くあぶり、醤油を塗って丸く大きなおにぎりを覆うように巻いた一品。見た目の豪快さから「ばくだん」と呼ばれ、弁当やおやつとして食べられている。出雲地方にも伝わる広域の料理。
- ドジョウのけんちんじる安来市に伝わる、ドジョウをごぼうや大根、しいたけと一緒にすまし汁仕立てで煮たけんちん汁。「ウナギ一匹ドジョウ一匹」と言われる養生食で、田植え後の泥落としに食べられたという。既存の「dojo」は食材ページで、本品は調理された郷土料理のため新規作成。