惣菜 ── ご飯のお供
いくら醤油漬け
Ikura Shoyu-zuke
鮭の卵をほぐし、醤油だれに漬け込んだ北海道の郷土料理で、ぷちぷちとはじける食感とまろやかな旨味が特徴とされる。秋の鮭漁の時期に各家庭で仕込まれる、道内の食卓に根づいた一品という。
- 発祥: 北海道
- 東京から北へ約830km
系譜
いくら醤油漬けすじこ
何でできているか
鮭の卵巣(筋子)をほぐし、醤油と酒を合わせたたれに漬け込んだものがいくら醤油漬けである。ぷちぷちと弾ける食感とまろやかな甘み、醤油による程よい塩気が重なる味わいで、そのままご飯にのせるほか、親子丼や手巻き寿司の具にも使われるという。塩だけで漬ける塩漬けもあり、いくら本来の旨味と甘みをより強く感じられるとされ、家庭によって味付けの好みが分かれるという。
どう作るのか
新鮮な生筋子を塩水の中で指の腹を使ってやさしくほぐし、醤油と酒を好みの分量で合わせたたれに漬け込んで冷蔵庫で一晩ほどなじませる。家庭によってはみりんやかつお出汁、昆布出汁を加えることもあるという。密封して冷凍すれば正月まで日持ちさせることもできるとされ、秋の鮭漁の時期に道内の多くの家庭で仕込まれる年中行事のような加工でもあるという。
なぜこの形になったのか
平安時代の『延喜式』(905年)には鮭の加工品として筋子が食べられていた記録があるとされ、江戸時代の『本朝食鑑』(1697年)にも塩漬けの筋子をほぐして保存食にしていたとの記述があるという。当時は筋子といくらを区別する名称はなく、明治期にロシア語由来の「いくら」という呼び名が伝わってから今の形が定着していったと伝わる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ北海道
- 旭川ラーメン魚介と豚骨を合わせた醤油スープに、ラードで蓋をして冷めにくくする。厳寒の地ならではの工夫とされる。
- 旭川ホルメン旭川の二大名物、醤油ラーメンとホルモン焼きを掛け合わせたご当地グルメ。醤油だれのスープに、下処理して臭みを抜いた豚ホルモンをのせる。2010年代に旭川で考案された。
- ガタタンラーメン芦別市の郷土料理ガタタンをラーメンにした一杯。片栗粉でとろみをつけた塩味のスープに、野菜・肉・魚介など具だくさんの具を合わせ、仕上げに溶き卵を流し入れる。満州からの引き揚げ者が伝えた中華料理が土台にある。
- 美唄のとりめし鶏肉とたまねぎを米と一緒に醤油、砂糖、酒で炊き込むごはん。明治の開拓期、小作人に養鶏を勧めた農場主が、米が実った後に鶏をつぶして客をもてなしたのが始まりと伝わる美唄市中村地区の郷土料理。
- 美唄やきとりモツを中心に、内臓から皮まで一羽分を一本の串に刺す。
- びらとり和牛日高地方・平取町で育つ黒毛和種。昭和37年に島根県から導入された繁殖牛を礎とし、冬の厳しい寒さの中でじっくりと肥育され、味の濃さに定評があるという。札幌をはじめ道内で広く親しまれる銘柄になったという。