肉 ── 和牛
若狭牛
Wakasa Gyu
福井県内で12か月以上肥育される血統明確な黒毛和種。平安時代には牛車を引く牛として知られた土地柄で、脂の口どけの良さと後味のさっぱりとした風味が特徴とされる。オレイン酸含量の特に高いものは別枠で認証されるという。
- 発祥: 福井県小浜市
- 東京から西へ約360km
福井県小浜市
何でできているか
福井県内で12か月以上肥育される血統明確な黒毛和種。脂の口どけの良さと後味のさっぱりとした風味が特徴とされる。オレイン酸含量の特に高いものは別枠で認証されるという、脂の質にこだわりの軸を置く銘柄。脂の口どけの良さに加え、後味がさっぱりとしているため、脂の量が多くても重たく感じにくい牛肉として語られているという。
どう作るのか
血統の明確な牛を選び、県内の生産者が12か月以上かけて肥育する。出荷時にオレイン酸含量を確認し、特に高いものは通常の若狭牛とは別枠で認証されるとされる。血統管理と脂肪酸の測定という二段階の選抜が、脂の口どけの良さを支える体制になっているという。12か月以上の肥育期間中、生産者は血統証明を確認しながら飼料を管理するとされ、オレイン酸含量の高い個体は別枠での認証を経て出荷されるという。
なぜこの形になったのか
一説によると、平安時代には牛車を引く牛として知られた福井の土地柄が、古くから牛を身近な家畜として扱う暮らしを育んできたとされる。運搬用の役牛としての歴史から食用のブランド牛へと役目が移り変わる中で、脂の口どけという新しい価値基準を打ち立てたことが、若狭牛という銘柄の輪郭を作ってきたと読める。若狭湾に面し、古くから都へ海産物や物資を運ぶ「鯖街道」の起点として栄えた土地柄も、牛を運搬や交易に利用してきた歴史と重なると考えられている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
- 能登牛石川県・能登半島で育つ黒毛和種。明治25年に兵庫県但馬地方から導入した種雄牛3頭がルーツとされ、脂肪にオレイン酸を多く含む上品な口溶けが特徴だという。全国有数のオレイン酸含有量を持つとも言われる。
- 甲州牛山梨県内で育つ黒毛和種のうち、格付け等級が上位のものだけが名乗れる銘柄。富士山や南アルプス水系の伏流水を与えられ、まろやかな脂と鮮やかな肉色を持つとされる。生産者による血統管理と流通管理が徹底されているという。
- 伊賀牛三重県伊賀地域で12か月以上肥育される未経産の黒毛和種雌牛。盆地特有の寒暖差が大きい気候が肥育に向くとされ、干し肉が戦国期の兵糧になったとも伝わる土地柄。「肉の横綱」とも称される鮮やかな肉色が特徴という。
同じ福井県
- 厚揚げの煮たの湯抜きして十文字に切り込みを入れた厚揚げを、だしと醤油、みりんで甘辛く煮てしょうが汁を効かせる福井の日常菜。油揚げの消費量が全国有数の土地で、報恩講のごちそうから各家庭の定番になったと伝わる。
- ぼっかけ厚揚げやごぼう、糸こんにゃくを削り節のだしで煮て、炊きたてのごはんに汁ごとぶっかける福井の一品。大正初期から100年以上食べ継がれ、勝山ではかまぼこや三つ葉を添えたお茶漬け風にもすると伝わる。
- 茶飯炒った大豆を熱い豆入り番茶に浸し、その茶で米を炊き上げる今庄の一品。奈良の「奈良茶飯」が宿場町に伝わったとされ、仏事や報恩講の膳、里帰りする娘へのもてなしにも欠かせない味と伝わる。
- 長寿なますすった白ごまに味噌と厚揚げ、からしと酢を練り合わせ、千切り大根や人参、さやえんどうを和える福井の正月なます。名前の通り長生きを願う縁起物とされ、法事や報恩講の膳にも並ぶという。
- でっち羊かんこしあんに寒天と砂糖、塩を溶かして固める、水羊かんに近い福井の冬の菓子。京都へ丁稚奉公に出た若者が正月に持ち帰った羊かんを水で伸ばして配ったのが始まりと伝わり、こたつで食べるのが定番という。
- 越前おろしそば福井県越前市に伝わる、大根おろしと削り節をのせて食べる冷たいそば。城主が京都から呼んだそば職人が非常食としてそば栽培を奨励したのが始まりとされる。