ごはんもの
茶飯
Chameshi
炒った大豆を熱い豆入り番茶に浸し、その茶で米を炊き上げる今庄の一品。奈良の「奈良茶飯」が宿場町に伝わったとされ、仏事や報恩講の膳、里帰りする娘へのもてなしにも欠かせない味と伝わる。
- 発祥: 福井県南越前町
- 東京から西へ約330km
福井県南越前町
系譜
何でできているか
炒った大豆を豆入り番茶に浸けて炊き込んだご飯で、噛むと番茶の香ばしさと大豆の香りが折り重なり、仕上げに加える酒の香りがふわりと鼻に抜けるという。茶の渋みとほのかな醤油の塩気が合わさった素朴な味わいで、冬にたんぱく質と温かさを同時にとれる一皿だと伝わり、炊き上がりは淡い茶色に色づき、ご飯粒の輪郭がしっかり残る仕上がりだそうだ。
どう作るのか
炒って皮をむいた大豆を熱い番茶に一時間ほど浸け、その番茶に新しく沸かした番茶と醤油を足して煮立て、洗った米と大豆を入れて炊くという。蒸らす直前に酒を加えて香りをつけるそうだ。今庄では福井の名物であるおろしそばに添える店もあると伝わり、家庭によっては具に炒り大豆を多めに入れて香ばしさを強めることもあるという。
なぜこの形になったのか
宿場町だった今庄に旅人が奈良の食文化を伝えたのが由来とされ、茶を煎じた汁で炊く茶粥から変化したといわれる。番茶と大豆を合わせることで栄養価が高まり、冬場のたんぱく源になったことから、仏事や報恩講で振る舞う精進料理として定着し、嫁いだ娘とその子を里で迎える料理にもなり、忘れがたい故郷の味として語り継がれていると伝わっている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ福井県
- 厚揚げの煮たの湯抜きして十文字に切り込みを入れた厚揚げを、だしと醤油、みりんで甘辛く煮てしょうが汁を効かせる福井の日常菜。油揚げの消費量が全国有数の土地で、報恩講のごちそうから各家庭の定番になったと伝わる。
- 長寿なますすった白ごまに味噌と厚揚げ、からしと酢を練り合わせ、千切り大根や人参、さやえんどうを和える福井の正月なます。名前の通り長生きを願う縁起物とされ、法事や報恩講の膳にも並ぶという。
- でっち羊かんこしあんに寒天と砂糖、塩を溶かして固める、水羊かんに近い福井の冬の菓子。京都へ丁稚奉公に出た若者が正月に持ち帰った羊かんを水で伸ばして配ったのが始まりと伝わり、こたつで食べるのが定番という。
- 越前おろしそば福井県越前市に伝わる、大根おろしと削り節をのせて食べる冷たいそば。城主が京都から呼んだそば職人が非常食としてそば栽培を奨励したのが始まりとされる。
- 麩の辛し和えもどした角麩と塩もみきゅうりを、地からしと味噌、酢で和える報恩講の精進料理。福井の地からしは油を抜かずに丸ごと粉にした独特の香りで、越前市産の赤く色づく角麩が彩りを添えると伝わる。