麺 ── うどん
水沢うどん
Mizusawa Udon
群馬県渋川市の水澤観音の門前で参拝客に振る舞われたのが始まりとされる。透明感のある細めの麺を、しょうゆだれやごまだれにつけて食べる。
- 発祥: 群馬県渋川市伊香保町水沢
- 東京から北西へ約120km
群馬県渋川市伊香保町水沢
系譜
何でできているか
使う材料は小麦粉と水沢の湧き水、それに塩だけ。飾り気のない配合だからこそ、水そのものの清らかさが仕上がりの善し悪しを左右する。ゆで上げた麺は透明感のある艶をまとい、細めに切られているぶん歯切れがよく、つるつるとした喉ごしがまっすぐ伝わってくる。しょうゆだれかごまだれにさっと浸けて、麺そのものの味と香りを確かめるように食べるのが定番だ。冷たいままでも麺の甘みがよくわかる、飾らないひと皿だ。
どう作るのか
小麦粉に塩と水を加え、手でしっかりこねて鍛え上げる手打ちの工程が基本になる。つなぎや油は一切使わず、生地そのものの力だけで腰を出すため、練りと寝かせを何度も繰り返しながら生地を締めていく。仕上げは細く切り分けて茹で上げるだけとシンプルだが、そのぶん粉と水と塩の配合、こねの加減がそのまま麺の透明感と歯ざわりの差になって表れてくる。
なぜこの形になったのか
一説によると、飛鳥時代に水澤寺を開いた高麗からの渡来僧がうどんの製法を伝えたと伝わり、天正4年(1576年)頃には地元の小麦と水沢の湧き水で打ったうどんが、湯治客や参拝者にふるまわれるようになったという。伊香保の温泉と観音霊場を結ぶ門前の一杯として、旅の疲れを癒してきた歴史が、飾らない配合と清らかな喉ごしへのこだわりに表れている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
兄弟
同じ群馬県
- 藤岡ラーメンあっさりした醤油スープの中華そば。町の食堂文化に根付く。
- あまねじ甘く煮た小豆汁に、水で練った小麦粉の団子を落として煮込むおやつ。渋川市で主に食べられ、川場村では「あまだんご」と呼ぶ。農作業の合間にとる小昼飯の甘味として親しまれてきた。
- 鮎塩焼き群馬県魚の鮎を、生きたまま串にジグザグに刺して塩をふり、炭火で焼き上げたシンプルな一品。神流川の鮎は香り高く身が締まり、6月の解禁とともに県内外から食通が訪れる。
- 呉汁すりつぶした大豆の「呉」を、旬の野菜と一緒に味噌汁に加えて煮込む一品。大豆の産地・群馬で新豆の採れる秋から冬にかけて作られ、体を芯から温める栄養食として親しまれてきた。
- かて飯米に麦や豆、大根などの「かて」を加えて炊いたご飯。米不足の時代のかさ増し料理が起源で、現在は五目ご飯として親しまれる。学業成就を願う天神講の日に供されることが多い。
- ソースカツ丼鰻のたれにウスターソースを合わせたオリジナルソースにくぐらせた豚ヒレカツを、ご飯にのせた丼。織物業の街・桐生市で出前のごちそうとして広まり、県内各地に定着した。