麺 ── うどん
桐生ひもかわうどん
Kiryu Himokawa Udon
桐生の「ひもかわ」は幅十センチを超えることもある帯状のうどんで、すするというより舌で受け止めるような食感になるという。醤油だしのつゆにくぐらせて食べる、群馬の粉食文化が生んだ一杯とされる。
- 発祥: 群馬県桐生市
- 東京から北西へ約90km
群馬県桐生市
系譜
何でできているか
生地は小麦粉と塩水だけを練った素うどんだが、桐生の店ごとに麺の幅がまるで違う。一玉の中に幅十センチを超える帯のような麺を出す店もあり、噛み切るというよりも、しなる帯を舌の上でいったん受け止めてから味わうような食感になるという。厚みはきしめんよりもさらに薄く、つるりとした喉ごしが残る。つゆは醤油だしで、太く薄い麺の存在感を消さない澄んだ味に仕立てられることが多いとされる。
どう作るのか
生地を足で踏んで練り込み、しばらく寝かせてから麺棒で極めて薄く伸ばしていく。屏風畳みにしてから包丁で幅広に切り分けるため、断面はきしめんよりもさらに平たく薄くなる。ゆで時間は短く、するりと茹で上がったところをすぐに冷たい水にとって締める店が多いという。同じ生地でも切る幅次第で一玉ごとに表情が変わる。
なぜこの形になったのか
桐生は絹織物の産地として栄え、機織りの合間に手早く食べられる粉物として、うどんを打つ粉食文化が根づいたと伝わる。麺の幅そのものに決まった規格はなく、店ごとに違う太さを競うように出してきた結果、帯のような幅が名物として定着したとされる。決まった型がないことこそが、この麺の個性を保ってきたとも言える。今も一軒ごとに違う幅を求めて食べ歩く客がいるという。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
兄弟
同じ群馬県
- 藤岡ラーメンあっさりした醤油スープの中華そば。町の食堂文化に根付く。
- あまねじ甘く煮た小豆汁に、水で練った小麦粉の団子を落として煮込むおやつ。渋川市で主に食べられ、川場村では「あまだんご」と呼ぶ。農作業の合間にとる小昼飯の甘味として親しまれてきた。
- 鮎塩焼き群馬県魚の鮎を、生きたまま串にジグザグに刺して塩をふり、炭火で焼き上げたシンプルな一品。神流川の鮎は香り高く身が締まり、6月の解禁とともに県内外から食通が訪れる。
- 呉汁すりつぶした大豆の「呉」を、旬の野菜と一緒に味噌汁に加えて煮込む一品。大豆の産地・群馬で新豆の採れる秋から冬にかけて作られ、体を芯から温める栄養食として親しまれてきた。
- かて飯米に麦や豆、大根などの「かて」を加えて炊いたご飯。米不足の時代のかさ増し料理が起源で、現在は五目ご飯として親しまれる。学業成就を願う天神講の日に供されることが多い。
- ソースカツ丼鰻のたれにウスターソースを合わせたオリジナルソースにくぐらせた豚ヒレカツを、ご飯にのせた丼。織物業の街・桐生市で出前のごちそうとして広まり、県内各地に定着した。