麺 ── うどん
氷見うどん
Himi Udon
富山県氷見市で江戸時代中期、輪島の素麺の技法を取り入れて作られ始めた手延べうどん。加賀藩への献上品でもあった。
- 発祥: 富山県氷見市
- 東京から北西へ約280km
富山県氷見市
系譜
氷見うどん稲庭うどん
何でできているか
材料は小麦粉と水、塩のみで、延ばす工程で油を一切使わないのが素麺との大きな違いだ。手でしっかりこね、さらに足で踏んで力を込めて練り上げた生地は、もちもちとした食感と強いコシ、粘りを併せ持つ。元祖と言われる「糸うどん」の名は、人の手で撚りをかけながら一本の糸を紡ぐように仕上げていく様子に由来するという。乾麺と半生麺があり、太さも好みに応じて選べる。
どう作るのか
生地を平たい円形に整え、外側から中心へ渦を巻くように切って一本の長いロープにしたら、油を使わずに手で撚りをかけながら延ばしていく。二本の棒に八の字にかけて熟成させてはまた延ばす、という工程を繰り返し、細くなったところで竿にかけて干し上げる。しっかり練って足で踏む手打ちの力と、撚りをかけて延ばす手延べの技を併せ持つのが氷見うどんらしさだ。
なぜこの形になったのか
一説によると、江戸時代中期に能登・総持寺のうどんや、かつて加賀藩御用達だった輪島の白髪素麺の技術が氷見に伝わり、地元で独自の製法へと磨き上げられたという。素麺の系譜を引き継ぎながらも油を使わない道を選んだことで、もちもちとした独特の食感が生まれ、やがて加賀藩への献上品にもなったと伝わる。港町で日常的に食べ継がれてきた一杯である。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ富山県
- ばいの煮もの富山湾の深海にすむ巻貝バイを、殻ごと出汁で煮る。「めでたいことが倍になる」という語呂から祝いの席に登場するとされ、小ぶりなツバイは煮物、大ぶりなものは刺身で食べ分けられる。
- べっこう煮溶かした寒天に醤油とみりんで味をつけ、卵を糸を引くように流し込んで固める。あめ色に卵がむら雲のように散る見た目が鼈甲のかんざしに似ることが名の由来とされ、県西部では「ゆべし」とも呼ぶ。
- ぶりしゃぶ薄くそぎ切りにしたブリを昆布だしにさっとくぐらせて食べる。表面だけ火が入り中はレアな状態になるとされ、氷見漁港で揚がる「ひみ寒ぶり」を使ったものは特に贅沢な冬のご馳走とされる。
- げんげの味噌汁ゼラチン質に覆われた深海魚ゲンゲを、ぶつ切りにして味噌汁にする。甘エビ漁に混じって揚がる厄介者として扱われてきたが、身の美味しさが見直され漁村の外にも広まってきたとされる。
- 報恩講料理親鸞聖人の命日に営む報恩講の膳に並ぶ料理の総称で、その年よく出来た野菜や山菜を普段用とは別にとっておく習わしがあるとされる。信仰の篤い南砺市の五箇山地区では、干し山菜や五箇山豆腐などで具だくさんの煮物が作られる。
- ほたるいかの酢味噌和えゆでて目を取ったホタルイカに、ワケギを添えて辛子酢味噌をかける。3月に富山湾沿岸へ産卵のため群れで浮かび上がるホタルイカを使う春の一皿で、江戸期にはすでに漁が行われていたとされる。