発酵・保存 ── 発酵調味料
御膳味噌
Gozen miso
阿波藩主・蜂須賀家政の御膳に供されたことが名の由来と伝わる、麹を多く使うやや甘口の米味噌。藍の栽培の裏作として大豆が育てられていたことも背景にあるとされ、1966年に組合商標として登録された。
- 発祥: 徳島県徳島市
- 東京から西へ約510km
徳島県徳島市
系譜
御膳味噌
何でできているか
麹を多めに使ったやや甘口の米味噌。塩気よりも麹由来のふくよかな甘みが前面に出るのが特徴で、殿様の御膳に供された歴史にふさわしい上品な口当たりを持つ。汁物にすると角の立たないまろやかな味になり、素材の味を邪魔しない控えめな存在感がある。派手さのない甘みが、日常の膳にも特別な膳にも馴染む理由とされ、徳島の郷土料理では今も日常的に使われている。
どう作るのか
米麹の比率を高めに仕込み、甘みを引き出す。藍の栽培の裏作として育てられた大豆を使う伝統があるとされ、原料調達の仕組みも地域の農業と結びついてきた。麹を多めに使うぶん発酵管理には手間がかかり、品質を保つための細やかな温度調整が必要とされる。原料の産地や配合を組合が定めることで、味のばらつきを抑えているという。
なぜこの形になったのか
阿波藩主・蜂須賀家政の御膳に供されたことが名の由来と伝わる。藍の栽培の裏作として大豆が育てられていたことも背景にあるとされ、1966年に組合商標として登録され地域の味として守られてきた。藍という換金作物と味噌造りが同じ土地で結びついていたことが、この味噌の成り立ちを支えている。徳島の温暖な気候も、米麹を多用する仕込みに向いていたと考えられている。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
同じ徳島県
- あめごのひらら焼き平たい石をかまどで数時間熱し、味噌で土手をつくってあめごや岩豆腐、こんにゃくを焼く祖谷地方の野外料理。平石を「ひらら」と呼ぶことが名の由来とされ、来客をもてなす料理として親しまれてきたという。
- 阿波晩茶徳島県那賀町・上勝町に伝わる、乳酸菌で発酵させる後発酵茶。夏以降に摘んだ硬めの葉を茹でて木桶に漬け込み、10日から2週間ほど乳酸発酵させたあと天日で干して作られ、爽やかな酸味を持つとされる。
- 阿波美豚標高400メートルの徳島県阿波市の山中で、米を中心とした飼料を与えて育てる豚。飼育担当者が日々飼料の配合を調整し、ストレスの少ない環境と遺伝子組み換え作物を避ける飼育を心がけているとされる。
- 阿波牛徳島県内で肥育される血統明確な黒毛和種。昭和37年の東京食肉市場での共励会出品を機に評価を高めたとされ、しっとりときめ細かな肉質と適度な脂が特徴という。格付けはA5・A4・B5・B4規格に限られるとされる。
- 阿波のいとこ煮一度ゆでてから干した「ゆで干し」のさつまいもを水で戻し、小豆と弱火で2時間ほど炊き合わせる。冬に乾物づくりが盛んな徳島らしく、うま味が凝縮した干し芋を使う体の温まる副菜とされる。
- 阿波ういろあんに上新粉や阿波和三盆などを加えて型に流し、蒸し上げるもちもちとした菓子。江戸期に阿波和三盆が完成した祝いにつくられ始めたとされ、名古屋や山口にも同系統のういろうがあるという。