茶・飲料 ── 日本茶
阿波晩茶
Awa Bancha
徳島県那賀町・上勝町に伝わる、乳酸菌で発酵させる後発酵茶。夏以降に摘んだ硬めの葉を茹でて木桶に漬け込み、10日から2週間ほど乳酸発酵させたあと天日で干して作られ、爽やかな酸味を持つとされる。
- 発祥: 徳島県那賀町・上勝町
- 発酵茶・番茶
- 東京から西へ約520km
徳島県那賀町・上勝町
何でできているか
緑茶が発酵を止めて作られるのに対し、阿波晩茶は乳酸菌によってあえて発酵させる「後発酵茶」の一つとされる。7月以降に摘んだ硬めの葉を茹でてから木桶に漬け込み、10日から2週間ほど発酵させ、天日で乾燥させて仕上げるという。乳酸発酵ならではの爽やかな酸味を持ち、緑茶とは全く異なる風味になるとされる。発酵後の茶葉は赤みを帯びた褐色になり、湯に入れると澄んだ赤茶色の水色になるとされ、梅干しにも似た酸味が特徴という。
どう作るのか
摘んだ葉を大鍋で茹でたあと、専用の道具ですり潰しながら木桶に詰め、重石をして漬け込む。使う木桶や漬け込む日数、葉をすり潰す時間は農家ごとに異なるとされ、同じ阿波晩茶でも作り手によって酸味や風味に違いが出るという。発酵後は筵などに広げて天日で乾燥させ、保存性を高めるとされる。漬け込みの目安はおよそ10日から2週間とされ、気温の高い時期ほど発酵が早く進むため、天候を見ながら引き上げるという。
なぜこの形になったのか
400年余り受け継がれてきたと伝わる製法で、乳酸発酵によって長期保存に耐える茶を作る、山間地の暮らしの知恵の一つとされる。乳酸発酵茶としては高知県の碁石茶などと並び、全国でも数少ない後発酵茶の系統として、地域ごとの家庭の技として受け継がれてきたという。那賀町・上勝町一帯は急峻な山あいで田畑が乏しく、日持ちする保存食としての茶づくりが暮らしに根づいてきたと伝わる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
対比
同じ徳島県
- あめごのひらら焼き平たい石をかまどで数時間熱し、味噌で土手をつくってあめごや岩豆腐、こんにゃくを焼く祖谷地方の野外料理。平石を「ひらら」と呼ぶことが名の由来とされ、来客をもてなす料理として親しまれてきたという。
- 阿波美豚標高400メートルの徳島県阿波市の山中で、米を中心とした飼料を与えて育てる豚。飼育担当者が日々飼料の配合を調整し、ストレスの少ない環境と遺伝子組み換え作物を避ける飼育を心がけているとされる。
- 阿波牛徳島県内で肥育される血統明確な黒毛和種。昭和37年の東京食肉市場での共励会出品を機に評価を高めたとされ、しっとりときめ細かな肉質と適度な脂が特徴という。格付けはA5・A4・B5・B4規格に限られるとされる。
- 阿波のいとこ煮一度ゆでてから干した「ゆで干し」のさつまいもを水で戻し、小豆と弱火で2時間ほど炊き合わせる。冬に乾物づくりが盛んな徳島らしく、うま味が凝縮した干し芋を使う体の温まる副菜とされる。
- 阿波ういろあんに上新粉や阿波和三盆などを加えて型に流し、蒸し上げるもちもちとした菓子。江戸期に阿波和三盆が完成した祝いにつくられ始めたとされ、名古屋や山口にも同系統のういろうがあるという。
- 阿波尾鶏徳島に古くからいた赤笹系の軍鶏を改良・固定し、白色プリマスロックと交雑して作られたとされる。JAS規格の基準どおり75日以上かけて育てられ、出荷羽数は全国有数という。