甘味
阿波ういろ
Awa Uiro
あんに上新粉や阿波和三盆などを加えて型に流し、蒸し上げるもちもちとした菓子。江戸期に阿波和三盆が完成した祝いにつくられ始めたとされ、名古屋や山口にも同系統のういろうがあるという。
- 発祥: 徳島県
- 東京から西へ約510km
系譜
阿波ういろほたようかん
何でできているか
小豆のこしあんに上新粉やもち粉、砂糖を加えて蒸し上げる、徳島に伝わるういろう。もちもちとした食感に、和三盆特有の上品でやさしい甘さが重なる。江戸時代、阿波でサトウキビの栽培が広まり「阿波和三盆」が作られるようになった際、その完成を祝って作られたのが始まりと伝わる。形は四角いようかん状から丸いまんじゅう状までさまざまで、近年は栗や柿、チョコレート風味など季節や好みに合わせたアレンジも増えているという。
どう作るのか
和三盆や砂糖、塩を混ぜ合わせて生あんに加え、上新粉やもち粉を加えてよく練る。ほどよい硬さになったら型に流し込み、気泡が残らないよう全体を揺すってから蒸し上げる。蒸し上がったら一晩寝かせて味をなじませ、食べる際に切り分けて供するのが一般的とされる。栗や柿を混ぜ込む場合は、生地を型に流し込む前に加えて彩りと食感を添えるという。
なぜこの形になったのか
阿波ういろは、旧暦3月3日の節句に阿波和三盆の完成を祝って作られたのが始まりとされ、以来この日に食べる習慣が根づいたという。ひな祭りの飾りに供えられたほか、昭和の頃までは節句の日に重箱「遊山箱」へ巻きずしなどとともに詰めて山や海へ遊びに出かける風習があり、阿波ういろもその中に入れられていたと伝わる。地元産の砂糖と米粉という身近な材料の組み合わせが、行事とともに受け継がれてきた理由と考えられる。
食べに行く前に
同じ系統の料理
この土地の食材と料理
兄弟
同じ徳島県
- あめごのひらら焼き平たい石をかまどで数時間熱し、味噌で土手をつくってあめごや岩豆腐、こんにゃくを焼く祖谷地方の野外料理。平石を「ひらら」と呼ぶことが名の由来とされ、来客をもてなす料理として親しまれてきたという。
- 阿波晩茶徳島県那賀町・上勝町に伝わる、乳酸菌で発酵させる後発酵茶。夏以降に摘んだ硬めの葉を茹でて木桶に漬け込み、10日から2週間ほど乳酸発酵させたあと天日で干して作られ、爽やかな酸味を持つとされる。
- 阿波美豚標高400メートルの徳島県阿波市の山中で、米を中心とした飼料を与えて育てる豚。飼育担当者が日々飼料の配合を調整し、ストレスの少ない環境と遺伝子組み換え作物を避ける飼育を心がけているとされる。
- 阿波牛徳島県内で肥育される血統明確な黒毛和種。昭和37年の東京食肉市場での共励会出品を機に評価を高めたとされ、しっとりときめ細かな肉質と適度な脂が特徴という。格付けはA5・A4・B5・B4規格に限られるとされる。
- 阿波のいとこ煮一度ゆでてから干した「ゆで干し」のさつまいもを水で戻し、小豆と弱火で2時間ほど炊き合わせる。冬に乾物づくりが盛んな徳島らしく、うま味が凝縮した干し芋を使う体の温まる副菜とされる。
- 阿波尾鶏徳島に古くからいた赤笹系の軍鶏を改良・固定し、白色プリマスロックと交雑して作られたとされる。JAS規格の基準どおり75日以上かけて育てられ、出荷羽数は全国有数という。